第177話 年を取るとこうなる
俺以外全員女子、しかも全員顔立ちが良い。 そんなテーブルが有れば当然目立つ訳で・・・・・・。
「え? 何あのテーブルヤバくない?」
「レベル高いわね、一人だけ男だけど・・・・・・ハーレム?」
そんな楽しいものではない。
はぁ・・・・・・なんでこんな事に・・・・・・俺はただ高ノ宮に付き合わされてインテリアショップに来ただけなのに・・・・・・。
井宮は相変わらずイライラしてるし、高城は状況がわからずアタフタしている。
川宮さんはニコニコしながら俺を見てるし、高ノ宮は俺の友人達に手当たり次第俺との関係を聞いている。
帰りたい。
「へぇ~川宮さんって、高2なんですか? じゃぁこの中じゃ一番年上ですね!」
「そうねえ~一番大人かしらねぇ~」
普通の会話なのだが、お互いにどこか相手に対してトゲを感じる。
こんなことを言うとなんだが、二人とも恐らく俺を巡ってこんな静かな争いをしているんだと思うが、マジでなんで俺なんだ?
俺よりも良い男なんていっぱい居るだろうに・・・・・・。
ともあれ、俺はそろそろこの空気に耐えられない。
なんか俺が悪いみたいな感じになってるけど、別に悪いのは俺ではないので、俺は帰らせてもらおう。
飯も食ったし。
「な、なんか女子ばっかりで男は邪魔みたいだし、俺は帰るな・・・・・・」
そう俺が言って立ち上がると、岡島さんが俺を止めた。
「待ちなさい、前橋君」
「え?」
「この状況で貴方は逃げるの?」
「に、逃げる?」
逃げる?
いや違う、帰るだけだ!
と屁理屈を言いたいところだが、なんだか怒られそうなのでやめた。
「まったく、貴方も男ならこの状況に気がついているはずよ! ・・・・・・あ、でも前橋君は気がつかないかも」
「何がですか・・・・・・」
正直、なんでこんなに皆の空気が悪いのかを聞いて居るなら俺はまったく分からないぞ。 いや、半分は分かるか、川宮さんと高ノ宮は俺の事が好きな訳だし・・・・・・。
「まったく、早くテレビデビューして愛奈くらい売れて、私を昇進させて欲しいものだわ」
「俺じゃ無理っすよ、てか何が言いたいんですか?」
「そうね・・・・・・分かりやすく貴方にこの場に居る全員が思っていることを教えて上げましょう」
「はい?」
その言葉にその場の女性陣が全員反応し、岡島さんの方を見た。
「ま、マネージャーさん! 余計な事は言わなくて良いのよ!」
「いや、なんか私、歳のせいかもしれないけどこう言うラブコメ見てると早く進展しろって思えてきて、ちょっかい出したくなるのよ」
「ただの貴女の趣味じゃないですか! やめて下さい! 変な空気になるじゃないですか!」
「川宮さん一体何の話しですか?」
「何でもないのよ圭司君! 貴方は黙って今夜私の部屋に来なさい!」
「ますます意味が分からないです」
そんな話しをしていると、今度は高城が岡島さんに尋ねた。
「あ、あの! 一体何を言う気なんですか?」
「そんなの決まってるじゃない、貴女達全員の気持ちをそこの鈍感残念イケメンに教えるのよ?」
「や、やめて下さい! まだ早いです!!」
「そ、そうよ! 私たちの問題でしょ!?」
先程まで黙っていた井宮まで岡島さんに文句を言い始めた。
一体なんなんだ?
この場に居る俺以外の女性陣皆が思ってる事って・・・・・・。
「貴女達は良いの? この鈍感にはちゃんと言わないと伝わらないわよ? 愛奈みたいに!」
「私たちには私たちのペースがあるのよ!」
一体何の話しをしているのだろうか?
完全に俺が置いてけぼりなのだが・・・・・・。
とりあえずドリンクバー取ってこよう。
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