第136話 文化祭編25



 現在、俺は屋上に向かおうとしていた。

 何も問題なければ俺はこのまま屋上で昼寝でもしているつもりだったのが、その問題が起きてしまった。


「やぁ、随分な人気だね!」


「えっと……」


「まさか、君との写真撮影だけで長蛇の列とは恐れいったよ」


「あぁ……うーん……」


「でも、僕も負けないよ……今回こそ勝つのはこの僕さ!」


「はぁ……」


「ん? どうしたんだい?」


「えっと、どなたでしたっけ?」


 なんか知らんイケメンに絡まれていた。

 

「い、いや……な、なにを言ってるんだい? 僕だよ、君の永遠のライバル! 最上吉秋だよ!!」


「あー……うんうん、知ってる知ってる」


 全然思い出せてないけど……。

 

「全く、ライバルの名前を忘れるなんて酷いなぁー」


「それでえっと……何のようだよ?」


「君に勝負を挑みに来たんだよ」


「はい?」


 なんか最近よく勝負を挑まれる気がするなぁ……。

 てか、こいつと勝負しても俺に何もメリットはないんだけど。

 

「悪いけどそんな暇ないから」


「ふふふ、そういうと思ったよ……だからこんな物を用意したんだけどどうかな?」


「そ、それは!!」


 最上が持っていたのは大人気ゲームの初回限定版だった。

 かなりの人気で俺は初回限定版の予約から漏れてしまった。

 しかも、そのゲームは人気過ぎて抽選販売しかいまだにしておらず、俺はまだ入手していなかった。

 正直喉から手が出るほど欲しい!


「僕に勝ったら君にこれをプレゼントしよう、もちろんこれは本物だよ。実は僕の父さんがゲーム関係の会社に勤めていてね、もらったんだけど僕はあんまりゲームをしないから」


「ま、マジか……しょ、勝負の方法は?」


「話が早くて助かるよ、これはクラス同士の勝負じゃなくて、僕と君の一騎打ちだ。君も僕もお互い何が人より優れているかなんてわかるだろ? それで勝負だ」


 人より優れているもの?

 そんなの俺にあるか?

 まぁ、人並み以上に得意なのはゲームだけど……。

 でもそれだと最上も得意ってことになってしまう、最上はあんまりゲームしないって言ってたし……一体なんだ?


「そう! 容姿さ!!」


「はぁ?」


 何言ってんだこのアホ野郎。

 脳内お花畑か?

 俺が最上に容姿で勝てるわけねぇだろ。

 

「明日のミスコンに僕と君とで出場し、より多くの票を集めた方の勝利ってことでどうだい?」


「アホかそんなの勝負が決まっているようなものだろ?」


 俺が負けるだけの勝負を受ける気にはなれない。

 たく、結局自分に有利な勝負を仕掛けてきやがった。

 はぁ~あ、ゲーム欲しかったなぁ~、来週もまた応募してみるか……。


「ふふふ、余裕だね。でも気持ちもわかるよ、君の人気もカリスマ性も僕は知っている。だからこそ! 僕は君にミスコンで勝ちたい!」


「お前何を言ってんだ?」


 一体こいつは何を話しているんだ?

 ミスコンなんて俺が出ても仕方がない。

 まぁ、ネタ枠としてならわかるけど。

 

「さぁ、そうとわかったら一緒に受付に行こう! ミスコンの受付は今日の13時までだからね!」


「いや待て、俺は嫌だぞそんな勝負」


「心配しないでくれ! 僕も君のライバルだ、心配しなくても君といい勝負をすると約束しよう! 大丈夫、君が手加減をする必要ようはないさ!」


「だ、だからそうじゃなくて……」


「さぁ、僕についてきてくれ!」


 そういって最上は俺の腕を掴み、走り出した。


「なっ! ちょっ! 馬鹿! 離せ!!」


 俺はそのまま最上に連れていかれ、そのまま流れでミスコンに登録してしまった。

 マジかよ……。


「ふふっ、明日が楽しみだね」


「お前はそうだろうな……」


 終わった……絶対勝てるわけがない。

 てか、こいつ卑怯じゃないか?

 自分に有利な土俵を選びやがって!!

 こうなったら、俺も少しぐらいあがいてやる!!

 俺はゲームのためにとミスコンに出場することを決めた。

 しかし、俺一人では勝負にもならないので俺は嫌だが、とある人物に助けを求めることにした。


「あの方法なら、まぁ多少は抵抗もできるかもしれねぇ」

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