第36話

俺はねる達にとわかれたあと教室にはいった。

教室はもう昼休みが終わりそうだたからか各々席に座っていた。

しかし一人の男が俺を見つけると人懐っこそうな笑顔を浮かべて俺に話しかけた。


「おいお前野球部に入ってくれるらしいな。ありがとよ」


赤い髪をしていて目鼻立ち整った熱血そうな男だ。この男を俺は知っている名前は熱血球児だ。名字からして暑苦しい。この男は俺が県選抜の時に東京選抜にいた男だ。たしかキャプテンをやっていたな。まぁ暑苦しいし似合いそうだが。その時に俺の玉を右中間にもってかれたので覚えている。


「まぁ期間限定だけどな、まぁ短い間だがよろしく」


「はははお前みたいなピッチャーがチームメイトだと心強いな」


笑いかたまで豪快だな。たしかこいつはショートだったはずだ。あとはセカンドも埼玉選抜のメンバーがいたはず、今年の2年は粒ぞろいなのか。


ねる達が教室に戻ってきたのを確認して時計を見ると残り一分で昼休みが終わりそうだ。


「熱血もう戻った方がいいぞ」


「もうそんな時間なのか、じゃあとで部活でな」


ていうか情報伝わるの早くねーか。あ、グループラインか。俺途中からはいるからてもらえるのか心配だ。

グループラインは部活の情報とかが送られたりするからだ。


後でマネージャーのラインを教えてもらおう。それで招待がきたら入るか。


俺は久しぶりの練習にワクワクしながら授業が始まるのを待った。


 

  




 

 6限が終わり各自が部活に行くものだったり、帰るものだったりと様々だ。俺は今日誘われることはわかっていたので野球道具は持ってきている。つまり練習に参加できるってことだ。


俺は教科書を机のなかにいれっぱなしにして、リュックを背負い俺のこの後を照らすように輝く太陽を見てから教室をでた。


グランドに着くと熱血がユニホームをもうすでに着ていた。

早くねーか着替えるの?もしかして制服のしたに既に着てるのか?

丼なさだけ野球をやりたいんだ。

まあ青や俺も早く着替えるかと思ったが部室の場所を知らないんだった。

俺が近くにいるしゃべったことがあるやつは今グランドに挨拶をしてよっしゃ~と気合いをいれている熱血しかいないな。仕方ない熱血に聞くか。


「気合いいれてるとこ悪いんだが、部室教えてけれないか?」


「いいぞ好希、でもこれからは既に着替えてる方が早く練習ができるぞ」


やっぱり着替えていたのか。本当に野球が好きなんだな。


「いや、俺はあのもさもさかんが好きになれないから着てこないぞ」


一回だけ着たことがあるが、あのもさもさかんはどうも好きになれないんだよな。

しかも周りから見たら足が太っているように見えるし。実際にねるに急に太ったねとかいわれて結構ショックだったからな。


「はははそれは残念だ。まあいいとりあずついてきてくれ」


俺は先に歩きだした熱血についていった。


すると正門が近くにあるところに部室を見つけた。ここかやっぱり進学校だから部活には力をいれてないんだな。


そこには中学の頃と変わらない大きさの部室があった。


「ここだ少し狭いが、まだみんな着いていないから着替えるのにはそんなにせまくないだろう」


「ありがとうな、部活の準備いっていいぞ」


「わかったなにかわからないことがあったらなんでも聞くがいいぞ。わかることなら教えるぞからな」


「わかった着替えたらとりあえず聞きたいことを聞くわ」


熱血はすぐに部室をでていった。


さて着替えるか。俺は制服を脱ぎユニフォームを着た。

俺はグローブをだして撫でた。


「予定よりも早くピッチャーで着るようになったぞ。今日から練習で使うがよろしくな」


俺はグローブに語りかけて、スパイクをだした部室を出た。


部室をでると何人かの部員が練習道具をだしている。 


制服のしたに着ているのは熱血だけじゃないんだな。これは思ったよりも楽しめそうだ。


俺も練習道具をだしている部員についていきボールをだした。


しばらくたつと部員が揃ってきた。部員が揃ってからは練習道具をだすスピードが早くなりあっという間にだし終わった。


「オーイみんな集まってくれ、アップと自己紹介をやるぞ」


俺は読んでいるキャプテンと思わしき神撫のもとに行き隣にたった。

自己紹介か緊張するわ。クラスでの自己紹介かでは噛んでクスクスと笑われたからな。

笑ったやつは三代まで呪ってやる。


やがて全員の部員が集まり、ほとんどの人間が俺のほうを向いている。


ヤバイ変な汗がでてくる。試合よりも緊張するわ。そもそも試合で緊張したことがないな。


「じゃーこうき自己紹介を」


いきなり下の名前で呼ぶのかよ。これが高校の部活のコミュ二ケーションか。ていうか名前知っているなら自己紹介しなくてもよくないか。

自己紹介をしなければ部活を早く始められるし、俺も緊張しないですむwin-winじゃないか。

だけど前にたっているから仕方がない自己紹介するか。噛まないように。


「池田好希ですよろしく」


ふぅーと心の中で息を吐き安堵した。


これからどんなバッターが待ち受けているのだろう。だけど俺はどんな奴も打ち取ってやる。









  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る