第31話
俺達は無言で高島屋を出て、食事をする場所を探していた。
あとねると友香よ睨みあってるなよ。周りのやつが修羅場とか言ってこっちを見ながらこそこそしていて恥ずかしいから。
というか当たり前にごはん食べるとこには着いてくるのね。
「ねる何が食べたい?」
ねるは顎を人差し指と親指でつかんで上を向きながら考え込むと。
「イタリアンがいいかな」
俺をねるのすんだ瞳に見つめて言った。
ねるの目はきれいに澄んでいて綺麗だ。汚い人の欲もたくさんみてきたはずなのにまだ純粋さをもった瞳をしている。
俺がその瞳に今写ってることに喜びを感じていた。しばらくするとねるが照れ笑いをして、
「そんなに見つめられると恥ずかしいよ」
「ごめんな、あまりにも瞳が綺麗だったから見つめてしまっていたんだ」
するとねるが頬に手を当て顔を真っ赤にしてくねくねし始めた。
人間って照れるとあんな体の使い方するんだなと俺は冷静に分析していた。
すると冷ややかな声で友香が私の前で一やいちゃしないでと言った。
失礼ないちゃいちゃなどしていない思ったことを言ったまでだ。
『お前言ったこと思い出してみろ。世間一般的にはそれをいちゃいちゃと呼ぶんだよ。リア充くだけ散れ』
謎の声にもいちゃいちゃしてるといわれた。あと最後に関しては嫉妬すんなよ。誰かは知らないが。あ、でも俺も目の前でやられたら同じことを言ったかもな。
俺そんなに恥ずかしいこと言っていたか。
....言っていたな今さら顔が赤くなってきた。
矢部-超恥ずかしいこと言ってんじゃん何が瞳が綺麗だよ。そんなこと言っていいのはイケメンだけだろ。謎の声のせいで俺の思考がおかしくなっているんだそうにちがいない。
俺は赤くなっている顔を隠すように早歩きをした。
すると慌ててねると友香が追いかけてきて、さきいかないでようと怒られた。
仕方ないだろう男の照れた姿なんてみたくないだろう。俺も見せたくなかったんだ。
「結局どこに行く?」
俺は自分の財布を覗いてみる。1000円札が一枚だけ入っていた。
選択肢は少ないな。なら千葉県みんがみんな大好きのサイゼリアにしよう。
「サイゼリアにしよう。あそこならコスパいいし。お金がないのでサイゼリアにしてください」
「私が使わせちゃったしね。いいよサイゼリアにしよう」
ひまわりのような笑顔でねるは賛同する。
「私もお腹減って二つぐらい食べたい気分だからいいよ」
友香はお腹が減ったらしい。まぁ友香はすぐにお腹が減るし、よく食べる。
なのに太らない。その栄養は胸にいっているんじゃないだろうか。
自然に胸に目がいってしまう。
慌てて俺は目線を逸らすと友香がニヤリと笑い
「お兄ちゃんは胸が大きい方が好きだもんね」
ばれているのかよ。ヤバイ変態って罵しられた挙げ句ねるに通報されてしまう。
「私だって小さくはないもん、むしろ平均より少しでかいし」
どうやら通報はされなかったみたいだが、ねるが胸のサイズカミングアウトした。
平均よりでかいということはCサイズぐらいあるってことはあるってことだよな。
「俺は胸の大きさは気にしないぞ、むしろ足の方が好きだ」
ねるだけカミングアウトするのはフェアじゃ直から俺も自分のフェチをカミングアウトした。
「へぇ足が好きなんだ。でも私のすらりとした足は好みでしょう」
友香は近寄ってきてずんと足を見せてきた。
フッと俺は鼻で笑うと、
「俺が好きな足はもちもちかんがあってスベスベな肌をもっている足だ。つまりねるの足が好みなんだよ」
「この変態が、男はなんでむちむちが好きなの。細くてすらりとしたほうがスタイルがいいじゃない!」
それから俺達はサイゼリアを目指しながらどっちの足がいいか口論していた。
「こうくん、友香ちゃんもうついたよ。いいかげんその話やめよ」
口論している合いだにいつのまにかついてたらしい。
「どっちの足がいいかは休戦ってことていいな?」
「いいよ、だけどいつか決着はつけるから」
望むところだよ。俺の足への愛と情熱で勝ってやる。俺は自分の好きなことの口論なら誰にも負けない。
「とりあえず中に入るか」
俺達はサイゼリアの中に入った。するとすぐに店員が来て俺達に営業スマイルを向けて席に案内した。
俺は営業スマイルが苦手だ内心ではどんなことを考えてるか読めないからだ。
きっと内心ではなんでこんな美少女があんな男と一緒にいるんだ?財布だなとか思ってる可能性もある。
「お兄ちゃん料理早く決めてよ」
隣に座っている友香に肩をたたかれながら言われた。
「あーもう決まっているマルゲリータだ」
「さすがサイゼリア好きだけあってメニュー表をみないで決めているんだね」
友香は呆れた声音で肩をすくめながら言った。
サイゼリア最高だろ。安いし美味しいおまけにドリンクバーもついてる三拍子揃っているんだぞ。だいたいのところはひとつ欠けてたりするんだぞ。
つまりサイゼリアより素晴らしいイタリアンはないのだ。
「私たちも決めたからピンポン押すね」
ピンポーン
するとすぐに店員がきて俺達の書いた紙をもってキッチンに行った。
「この紙に書くやつって便利だよね。どっちが間違えたかはっきりするしクレーマー減るんじゃない」
俺は踏むとてで顎をさわり考えた。
いや、クレーマーはクレームをいいたいだけだから減らないんじゃないか。
そう結論付けた。
するとねるは真面目な顔をしながら
「クレーマのクレームは減らないよ。言いたいだけだからね」
「ふーんそいうものなんだ」
友香は納得したようにうなずいた。
まぁ反論の余地がないからな。
あとクレマーは暇だから粗捜しをしたり、思い出したりして、電話でわざわざいうからね。
そのあとは学校の話題やテレビの話題を話していた。
すると頼んでいた料理がやってきて各自食べ始めたんだが
「こうくんはいあーん」
デミグラスハンバーグを綺麗に切ってフォークで刺して俺の口許に持ってきた。
ちらっと友香をみると鬼の形相でねるを睨んでいた。
ねるはにこにこと嬉しそうな顔をしながら俺にフォークをつき出す。
俺は観念してそれをぱくっと食べた。
正直味はわからなかった。
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