第27話
俺はリュックからキャッシュカードを探す。
ないな、あ、そういえば財布をポケットに入れたくないのとお金がなかったからキャッシュカードだけ持ってコンビニ行ってそのまま机に置きっぱなしにしてたの忘れてたわ。
面倒臭いな、取りに帰るの。だけど取りに行かないとお金ないしな。仕方ない家に一回帰るか。
鼻歌を歌いながら肩が触れそうなほど近くで歩いてるねるに話しかけた。
「ねる一回家に帰っていいか?」
するとなるは不思議そうに小首を傾げながらなんでと聞いてきた。
「家にキャッシュカード忘れてきてな」
ねるははぁ~とため息をはいてはんば呆れたような顔をしていた。
「ポケットに大きいものをいれたくないからコイン袋だけ持っていって財布をにキャッシュカードが入っているのを忘れてそのまま財布からキャッシュカードを抜くの忘れてがっこうにきたんだよね」
俺一回もポケットに大っきい物は入れたくないなんて一度もねるに言ったことないのだが。
なんでわかるんだよ。俺の普段の行動だけでわかるのか?あ、そういえば俺が子供の時に花をちらちらみてただけで花好きなのって聞いてきたなー。狙って観察してそれを考察するのが得意なのか。よく推理ドラマとか犯人当てていたしな。あっもしかしてエスパーだったりするのか。
「こー君の行動パターなんて長い付き合いなんだからわかるよ」
「いや、俺ねるの行動パターンなんてわからないぞ。ねるの洞察力が高いだけだろう」
あれなんかねるの表情が不機嫌になってきた。
俺なんか変なこと言ったか。
もしかして俺のエロ本のジャンルがばれたのか?
「多分こうくんが思っていることと違うよ。私と長い間一緒にいたんだから少しは興味をもって欲しいなと思ったんだよ」
「あーそういうことね。でも俺はねると幼馴染みだし好きなこととか嫌いなことはわかるぞ」
ねるはふーんと唇を少し付き出しながら目を細めた。
そんなコタを話してるとホームルームが終わったので俺たちは疾風のように教室をでることにする。
早くでないとねるがクラスメイトに絡まれて、一緒に帰ろうといわれ断るのに遅くなるからだ。
ねるは百人中百人が美少女だというレベルだからである。
俺は今猛烈な嫉妬の視線を浴びてる。ははは羨ましいだろお前ら。思わずどや顔で高笑いしそうになった。
俺たちは下駄箱で靴にはきかえると、周囲の男たちの嫉妬の視線を浴びながら学校を出た。
しばらくあるいて駅につきうちの学校の家庭科部の編んだ座布団がおいてある椅子に座って携帯をいじっていたらねるに人差し指でとんとんと可愛らしく肩をたたかれた。
あざとすぎるぞねる。他の男にやってないよな勘違いしてストーカーされるぞ。
「なんだねる、なにか食べたくなったか?」
ねるはするとプクーと頬を膨らませた。
ハリセンボンみたいに膨らんでるな。
ハリセンボンといえばあのとげとげさわるとどんくらいいたいのだろうか。やっぱり血が出るのか。
そんなどうでもいいことを考えていたら今度はねるは俺の髪を一本引っ張られた。
「なんだ。痛いぞねる」
あとさりげなく髪を自分のポケットにいれるなよ。なに俺を呪っちゃうの?それともなにか召喚でもするのか。
「こうくんがデリカシーのないこと聞くからでしょ」
「ごめんなほんの冗談だよ」
「もう、冗談でも女の子にそんなこと聞かないの」
どうやら許してくれたらしい。これで呪われずにすんだな。だとするとあの髪の毛はなんのために使うのかやっぱ捨てるのだろうか。
まぁ捨てるなら気にしなくてもいいか。
「なんの話をしようとしたんだ?」
「この前友香ちゃんと一緒にびっくりドンキーにいたでしょ」
「ああいたな、ねるも来てたのかびっくりドンキーに」
「うんいたよ、だけどなんで兄弟なのにあわなアーンとかしてたのかな?」
おい瞳がハイライトオフになっているぞ。いつからねるはやんでれになったんだよ。
俺は冷や汗を流しながら罰ゲームアリで負けたことでやらされたことを一生懸命に説明した。
ねるにだけは勘違いされたくはないからな。
ん?なんでねるにだけは勘違いされたくないんだ?
もしかして俺はねるを好きなのか?
いやそれはないだろねるは仲のいい幼馴染みだ。それに好きだったとしてもねるが俺のことを好きなはずがない。アプローチとかされたりしてないからな。
まあ例え俺が好きでも振られて関係が壊れるなら俺は告白をしない。
関係を大事にするといつかとられるぞ。
心の仲からそんな声が聞こえた。
まるで未来を知っているかのように。
俺は気のせいだと思い込みねるの反応を見た。
どうやらうまくいったようだいつもの可憐な顔になっていた。
抱けとそのあとねるは顎にてを当てなにかを思い付いたようにあっていうと、俺の顔を見て、
「ねえ、わたしたちで勝負して勝ったらできるだけいうことを聞かせる勝負をやらない?」
なにかかけるとねるは強いんだよな~。
まぁ、ねるのことだし無茶はいわないだろう。
「いいぞ何で勝負する?」
「コイントスで表か裏かの勝負をしよう」
コイントスかこれは運の要素がでかいな。だが今日の俺の運勢は四位でか照る可能性が高いだろう。
俺はコイン袋から十円玉を取り出した。
「じゃーやるぞ」
俺はきれいに上に回転させてできるだけ見えないように手のひらにのせた。
「多分26回転してたから裏かな」
え、ねるあの高速回転を数えたのかどんな目と集中してるんだよ。
「じゃあ~俺は表な」
手をどけてコインを見ると裏だった。
ねるに勝負に対する執念を感じた。
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