第26話
あれから4日経ち全てのテストが終わり俺は清々しい気分で学校に来た。数学は点数とれてるか不安だがフランス語は思ったよりもできたためだ。
あ、そういえば今日の放課後ねるのネックレスを買う日だったなー
「こうくんお店決めた?」
体を横に向けて頬杖をつきながらなるが聞いてきた。
もう店決めないといけないのか、ゆっくり回って決めようと思っていたんだが。
「まだだぞ、回りながらじゃダメか?」
するとねるは嬉しそうに目を細めた笑顔を浮かべながら
「私もそう提案しようと思ってたんだー」
てっきり自分の決めた店に行くかと思ったよ。
あ、でもねるって意外にブラブラするの好きなタイプだったな。
「決まりだな、場所はどこ行く?」
ねるは顎を手でちょこんと掴みうーんと考え込んだ。
「柏でどうかな?」
確かにあそこなら色々あるよな。俺も気になってるラーメンがあるしそこでいいか。
「いいぞ、歩きそうだが」
「こうくん本当に歩くの面倒くさがるよね」
ねるは呆れたように言った。
だって疲れるし。先が見えないゴールって疲れるんだよ。ちなみにランニングは好きだったりする。ゴールががわかるし中学時代は散々走らされて早くなって好きになった。
俺疲れたくないのに走るの好きだとか矛盾してるな。
「疲れるからな、まぁ今日は授業ないし疲れないから柏に行くことに反論はない」
「授業があったら反論したんだね....とりあえず現地に着いたらゆっくり見て回ろうか」
そういうとチャイムが鳴りテストが返しの一限目の数学が始まったので俺たちは前を向いた。
なんだか緊張するな、これでだめだったら俺は留年するだろうな。
俺の表情を見てかねるは優しく微笑んで
「大丈夫あれだけ勉強したんだからきっといい点だよ」
ああそうだよな、高校に入って初めてあんなに勉強したんだこれで赤点だったらクラスの半数以上が赤点だ。
「池田」
俺は名前がいから始まるのですぐに呼ばれた。
俺は先生の元に緊張してることを周りに悟られないように気だるげな雰囲気を出しながら向かった。
お前知り合い少ないんだから恥ずかしがんなくてもいいだろそんな声が脳内から聞こえた。
その数少ない知り合いにテスト返しで緊張するなんて知られたら恥ずかしいだろ。特に智には知られたくないあいついじってきそうだし。
俺はいつの間にか慣れた脳内の声に返事をしながらテストを受けとる。
そして点数を緊張した面持ちで見た。
68点俺は思わず二度見をする。
数学苦手な俺がこんなにいい点数をとるだなんて高校に受かった次に嬉しい。あれだけ勉強した甲斐があるな。数学好きになっちゃいそう。
俺は内心にやけながら席に戻った。
「こうくんテストどうだった?」
ねるはドキドキとした表情で俺に聞いてきた。
俺はドヤ顔しながらテストを見せた。
「すごい、こうくんが数学のテスト60点以上って教えた甲斐があったよ。こうくんこれからも数学勉強しない?」
俺は心底嫌そうに唇をへの字に曲げながら
「嫌だよ、あんなに死にそうになりながら勉強するのは懲り懲りだ。赤点取らない程度には勉強するけど。」
好きになっていなかった。あんなに吐きそうになりながら勉強するのは懲り懲りだ。
数学やっている最中は俺の自慢の目も八幡みたいに死んだ魚目のようになっていただろう。なにそれ賢そう。
ねるは残念そうにそうだなと呟く。
しばらく時間が経ちねるの名前が呼ばれテストを取りに行った。
きっとねるのことだから90点以上確定だろうな。
ねるは席に戻ってきて俺に満面の笑みでテストを見せてきた。
そこには00が二つ付いている最高得点がついていた。
まじかよ、満点かこりゃねるの頭を撫でる確率が上がったな。
「こうくんに教えるために自分のあやふやなところを炙り出して勉強しなおしたおかげだよ。ありがとう」
いや俺はただ教わっただけなんだが。まぁだめになったんならその感謝の言葉を素直に受け取っておくか。
「ああ」
俺はねるの感謝の言葉って言うより笑顔が直視できなかったのでそっぽを巻きながらぶっきらぼうに答えた。
その後寝るは順調に96点以上を出していき最終的に点数は490点を取った。
ちなみに俺は歴史だけ満点でねるに勝った。毎回買ってるんだがな。悔しそうに唇を噛み締めていたが。
そんなことより俺はこれでねるの頭を撫でることが決定した。
「こうくんにこれで頭なでなでしてくれるえへへ」
嬉しそうだなねる、俺は撫でられたことないから知らないかがおそらく気持ちがいいんだろう。
「決まったからには1分ぐらい撫でてやるよ」
「そんなに!嬉しいな」
ねるは頬をだらんと緩ませて、目がトロントしていた。
それより買うもの決めたのだろうか、ねるのことだから買うものぐらいは決めてるだろう。あんま高くないやつがいいんだが。
「ねる買うやつ決めたか?」
「うん決めたよ、後はデザインを選ぶだけ」
ここで何買うの?聞くのはねるを知らないやつである。ねるは買ってもらいたいものがあるものは最後まで言わなのだ。
「あんま高いの選ぶなよ、今月のバイトたくさん入ったけどねるの誕生日のプレゼントも用意しなきゃいけないんだから」
「1万6千円までだよね」
さすが俺の幼馴染み俺が出す金額のギリギリをついてくる。まぁお礼だとちょっと高いが、自分のものだと格安のものを買うが人にプレゼントするものとなると別である。多少高くても本当に欲しいものを買って欲しいからだ。
「まぁそんくらいだな、好きなものを買えよ」
「うん、時間をかけてちゃんと選ぶよ」
時間はかけて欲しくないんだが、歩くし面倒くさい。俺はそんなことを思いながらまず銀行に寄って行くかと思った。
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