第15話

イトーヨーカードを出た俺たちはすぐそこの駅に向かい歩いた。

ていうかねる飲むの早くねもう半分以上飲んでるじゃん、どんだけ美味しいんだよ。

ねるは一気に半分近くを飲み干して、満足げな顔をしていた。

「そんなに美味しいのか?」

ネルは目を細めた笑顔を浮かべて

「美味しいよ、タピオカが特にね」

もちもちしていて食感が良さそうだもんな。今度俺も買ってみるかなタピオカ。

「そうか、タピオカが美味しいのか。今度俺も買ってみるわ。」

ねるはタピオカを飲み終わるとおすすめは抹茶だよーと言った。

抹茶かミルクが入っているならさぞ甘いんだろうな明日買ってみるか。

俺たちは駅に着きその頃にはねるはタピオカ飲み終わっていた。

数分しか経ってないのに飲むの早いな。俺も明日買うのが楽しみだ。明日といえばねるの家に行って数学教わる日だな。夜に数学やってわからないところを質問する感じでするか。

俺たちは定期なので切符は買わずにホームに入った。俺たちは空いてる椅子に座る。

ちなみにこの椅子にひいてある座布団は俺の通う龍南高校の家庭科部が縫ったものだ。その墓にも家庭科部が刺繍をして電車に飾ってあり、うちの学校はこの龍鉄の客としてなくてはならない存在だし俺たちの生徒も龍鉄は足としてなくてはならない存在である。

まぁ要するに持ちつ持たれつつの関係ってことだ。

俺はMaxコーヒを飲んで龍鉄が来るのを待った。

数分待つと古い電車が鳴らすガタンゴトンという音とともに龍鉄がやってきた。

ちなみにこの龍鉄は前西武鉄道が使っていたお下がりである。よって100年近く線路は使われてるが列車は長く使われてない。

俺たちは電車に乗って席を探した。

右の奥の方に一個空いてる席があったのでそこに座ることにした。

俺は座るとねるも隣に上品に座る。

ねるは単語帳を出そうとしたがやめて俺に話しかけてきた。

「ねぇ、こうくん図書館で何を勉強するの?」

俺はMaxコーヒを一口飲んで蓋を閉め

「フランス語、安易に選んだせいでやばいから。特に男性名刺女性名刺の区別とかな」


「フランス語難しいよね、動詞とか変形するしね」

それなんだよだいたいなんであんなに変形するんだよ。動詞も形容詞もおまけに発音はリエゾンで聞きにくいし。いやでも英語よりマシか。

スペルは発音は覚えればそんなに難しくないし、要するにあれだな英語やるよりはマシだな。

「ねるはそうは言っても簡単に問題を解くだろう」


「私はちゃんと勉強毎日してるからね」

あーそうだったねるは毎日勉強するタイプの人間だった。俺はテスト週間だけ勉強するタイプだ。理由は受験は一般入試だから成績は関係ない。だから俺は数学とフランス語という危ない科目だけしか勉強しない。

「俺は単語しか毎日やってないな、あれはやっとかないとテストのとき死ぬからな」

ねるは優しく微笑みそれだけでも十分だよと言った。

「私たち同じ学校目指しているんだからフランス語も克服してね」


「頑張るわ、受かるレベルくらいには」

そういや高校に入るときそんな約束したな。専業主夫になるのはいいけど勉強はちゃんとして同じ大学行こうて。今思ったんだけどねるの目指してる大学ってレベル高いよなきっと。

「大学どこ受けるつもりなんだ?」

ねるは迷いない瞳で

「慶應大学受けようと思ってる。フランス語使えるしこうくん数学苦手だから受かるところとかここかなと思って、後就職がいいところが多いし」

慶應かぁー確かに数学ないけど、フランス語のレベルだけだったら東大に匹敵する難易度だな。

「慶應ね、まぁ頑張ってみるよ」

俺たちはそれから歌の話なんか話をしていた。

すると馬橋駅に着き俺たちは降りて千代田線に乗り換えた。

俺たちはすぐ降りるので席に座らず立っていた。そして今度はねるは古文の単語を勉強し始めたので俺も単語帳で単語を覚えることにした。ねるは勉強に入る前に毎回単語から入る。

前に理由を聞いたら覚えてるどうかの確認のためと知っているという実感が喜びにつながり勉強しやすいかららしい。

俺は単語帳と睨めっこしながら覚えていると電車が松戸駅に着いた。

俺たちは電車を降りて階段を上り改札をスイカで通り、西口から駅内を出る。

俺とねるは参考書をしまい図書館に向かった。

「ねるって図書館よく行くよな」

ねるは口角を上げながら

「本に囲まれながら本を読むと幸せな気持ちになるんだー。まぁお金かからないで読めるっていうのもあるんだけどね」

俺はラノベしか基本読まないから図書館には勉強以外ではあまり行かない。だってくれてるラノベすらないんだぞ。図書館側がラノベなんか読む層はうちには来ないからいいと言っているようなものだ。だがら俺は勉強以外では図書館に行かない。ラノベをおけばもっと利用者増えると思うんだかな。

「ねるはよく純文学読むもんなー、俺にはあんな難しい文章読めないわ。ねるを尊敬する」

尊敬するほどじゃないよーとねるは向日葵のような笑顔を見せた。

いやまじで純文学読む人は賢い人が多い、ねるもそうだか表現力とか語彙力がすごいある。

そうなるとラノベしか読んでない俺は語彙力と表現力がしょぼいってことになるな。まぁラノベの文章は判り易くがモットーでその辺はしょぼいから仕方ない。だけど物語は純文学より面白いはずだ。だからラノベしか読んでないことを恥ずかしいことではない。

ということで俺は人が行き交うこの道路でラノベをねるの視界に入るように手に持った。

「へ?ラノベ持ってどうしたの?」


「いやねるかして欲しいって言ってだろ。それを今思い出したんだ」

俺はそう言ってラノベをねるに渡した。

ネルはラノベの単語を知ってる通り俺の読んだラノベは大体読んでいる。ねるの場合表紙で判断しないタイプだからな。

「ありがとう、テスト終わったら読むね」

ねるはラノベをバックにしまった。

すると歩きながらやりとりをしてたので図書館にすぐに着いた。


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