第13話

教室に帰ると、ねるが俺の机も直していた。しかもよいしょと言いながら。可愛いな

ねるは何かを持つときや動かすときにいう癖なのだ。

前々からよいしょという言葉をねるが言うと可愛く聞こえたひそかな俺の好きな萌え声に数えられている。

「ねる、ありがとな机直してくれて」

俺は親しい間にも礼儀ありを体現する男なのでしっかりお礼は言っておく。

「どういたしまして、それよりなんで呼ばれたの?」

ああーやっぱ聞かれるか、まぁ別に恥ずかしくもないことだから言っても良いんだがな。

「将来の夢を描くプリントあっただろう。あれについて呼び出されたんだ。」


「そりゃ呼び出されるよね、専業主夫なんて言ったら」

ねるはなぜ俺の将来の夢について知ってるかと言うと高校に入ってすぐバイトを始めすぐに辞めて俺が専業主夫になると宣言した時にその場にいたからだ。

そういやあの時からねるは1人で勉強をするようになったな。もしかして将来大企業に入って俺の夢を叶えるために勉強がんばっているんじゃ。俺のこともしかして好き?

いやないなねるがイケメンが好きなことは知ってるし。どっちかと言うとイケメンな高学歴を捕まえるためだろう。

俺もお金持ち捕まえるために勉強頑張らないとな。

「世の中まだまだねるたちみたいに専業主夫になるのを認めてくれる社会じゃないな」

マジで専業主婦がトレンドになったりしなぁかなー、タレントの専業主夫がもっと増えれば風向きが変わるだけど。

「まぁこの学校は社会で活躍する人を輩出するような理念を持っている学校だしね。てもらえるのは厳しいよね。私は応援してるよその夢」

ねるはそのあと何かゴニョゴニョと言った。

俺はその独り言を聞き取れなかったが前聞いたら怒られた事があったので聞かないようにしている。

俺は戻してもらった机から教科書を引っ張り出した後椅子に座った。

先生がまだこないので俺はねるに話しかけた。

「ねる勉強捗ってるか?」

ねるは教科書を出し終わって俺の方を向き笑みを浮かべながら捗ってるよと言った。

「特に数学は今日自習してきたから完璧だよー」

俺に教えるためにわざわざ数学を固めてきてくれたのか、感謝しないとな

「俺のために今日数学復習してくれたのか?」


「そうだよー、どんなことを聞かれても対応できるようにね」

ねるは目を細めた笑顔を浮かべながらそう言った。

俺はねるのこの笑顔が大好きだったりする。俺は二次元のヒロインが好きでねるの笑顔はヒロインに重なるような優しい笑顔だからだ。

「それは頼りになるな、よろしくな」


「なんでも聞いても良いからね」


「ああわからない事があったらとりあえず聞くわ」

そう言った後に先生が教室入ってきて今日は自習なと言った。

俺はねるが勉強モードに入るなと思い話しかけるのやめ俺は昼休みにやってた参考書を開き勉強し始めた。

数分たち俺はある問題で手を焼いていた。


疑問副詞が難しい、特に種類が多くてどれを使えば良いのかがわからないねるに聞きたいが集中してるので聞けない。前の席の美波に聞くことにした。

俺は美波の肩を叩く、すると美波がやってる勉強を中出してこっちを向いた。

「美波ちょっとこれがわからないんだが、教えてもらえるか?」

美波はねるの様子をチラッと見て

「ああ集中してるのね、良いよ教えるよ」


「ここなんだが、この疑問副詞の意味ってなんだっけ」

すると美波はその文章を流暢に読んで

「Comment ねこれはどのようにって意味ね」


「てことは答えは1だな。ありがとう助かったわ」

さすがフランスが大好きでフランスの単位を取ろうと思っただけはあるな。

「どういたしまして、そういや数学はねるに教わるんだっけ」


「ああ、そうだがそれがどうかしたか?」


「いや好希だけは特別なんだなと思って」


「何がだ?」

美波は呆れたような表情をしてわからないの?と言って何かを説明し始めた。

「テスト期間中ねるが勉強教えるなんて好希くらいよ」

そうなのからてっきり友達の1人や2人ぐらい教えてるのかと思っていた。だってならよく人に教えて懇願されてるし。

「まぁ俺たち幼馴染だしな、俺の親からねるはに勉強みてくれと頼まれてるからじゃないか」


「鈍感ねーまぁそのほうが私としては助かるけどね」

俺は鈍感それはないだろ、なるが髪を切ったらすぐに気がつくし、ねるが落ち込んでも気がつく。でもねるばっかだな。まぁ幼馴染だからわかるんだが。幼馴染しかわからない俺はやっぱ鈍感か。

「でもなんで助かるんだ」

俺は不思議に思ったことを聞いた。

「乙女には色々あるのよ」

なんかねるもそんなこと言って教えてくれないことがあったなぁ

「まぁ乙女の事情には突っ込まないが」

そ言うと美波はそれが賢明ねと言って前を向いて勉強をし始めた。

俺はフランス語の単語力をもっと増やさないとなと思い単語帳を開き、単語を覚えることにした。

あっという間に5限目が終わり俺は座ったまま背伸びをする。

覚えなきゃいけない単語が結構あって今日だけじゃ終わらなそうだ。

まぁフランス語のテストは最後だしそん時に覚えてればいいか。





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