第12話

「おかえりこうくん、お目当ての物買えたみたいだね」

そう、メロンパンと焼きそばは人気商品なのだ。だから俺は早めに買いに行った、

そしたら運良く残っていた。俺は今日ついてるかもな。

「ああ買えたよ、俺を見たらわかるなんてさすがだな」


「そりゃ何年も一緒にいるからな表情でわかるよー」


「できれば私のようにこうくんにも私の気持ちわかって欲しいけど」

ねるは何かをボソボソと呟いた。

俺は何を呟いたんだと思ったが、やっても教えてくれないような気がしたので聞かなかった。

俺はパンを机に置き椅子座る。そしていただきまーすと言って食べ始めた。ねるも弁当を広げ食べ始める。

食べてから数分だってなるがウィンナーを食べ終わり、箸を一旦置き話しかけてきた。

「ねえ、こうくんのお弁当や赤ちゃんが作ってるんだよね」


「そうだが、どうかしたか?」

俺は不思議そうな顔で言った。

「部活もやってお弁当も作るなんて大変だなーって思って」

俺は顎を人差し指で触りながら

「それは俺も言ったんだが、お兄ちゃん私のお弁当まずいのって泣きそうな顔で言われて諦めたんだ。」


「へぇーそうなんだもし良ければ私がこうくんのお弁当も作ろうか?一個も二個も大変さは変わらないし」

ねるの作るお弁当かー、ねる料理上手なんだよな。できれば優香も大変だろうし、ねるの料理を食べてみたいっていう気持ちもあるが。多分無理だよな。お兄ちゃんそんなにねるさん事が好きなのとか言いそうだし

「一応優香に聞いてみるわ、多分良い返事もらえないと思うが」

ねるは笑みを浮かべながらよろしくねと言った。

それから俺たちは黙々と食べた。ねるは食べてる時滅多に口を開かない。理由は食べてる時に口を開くと口の中が見えて行儀が悪いかららしい。ねるの家は礼儀には厳しくそれは食べる時も同じなのだ。

奈良はご馳走様と言って食べ終えると

「私図書室で勉強してくるね」

参考書を出してねるは言った。

「わかった、いってらっしゃい」

するとねるは微笑み行ってきますと言って図書室に向かった。

俺はそれを見送って参考書を出した。そして勉強をし始める。

なんで勉強するのにねるに教わらないんだと不思議に思うかもしれないが、ねるは基本的に1人で勉強するため教わるには事前に予約が必要なのだ。前寝るの友達当日に勉強を教わろうとしたら断ったのだ。それだけ勉強にはなるは力を入れてる。

ということで俺は1人で勉強をする。

そして俺はフランス語の参考書を出して読み始めた。この学校にはフランス語と英語のどちらかを選択できる稀な学校だ。

最終的にフランス語は2球合格レベルまで学校はやるというので俺はフランス語を先を見据えて選択した。何故ならフランス語は2球レベルでも東大に対応ができる。つまりどの大学でも合格レベルが取れるという事だ。決して英語が嫌いだからじゃないぞ、本当だぞ

俺が読んでる参考書は4級レベルのものだ。テストがこのくらいの難易度だからだ。

俺は問題を真面目に解いていると

「池田くん金田先生がお呼びです。職員室まで来てください」

俺何にもやらかしてないと思うんだが、先生俺になんの用事だ?

俺は不思議に思いながら参考書を閉じて職員室に向かった。


「失礼します」

俺はそっと扉を開けて職員室に入った。

「こっちにきたまえ池田」

黒髪ストレートで目が切れ長な美人で俺の担任の金田先生がいた。

先生の前に空いてる椅子が一つあったのでそこに座る。

「先生俺何かやらかしましたか?」

先生はプリントを机の上にばんと置き

「このなめた将来の夢はなんだ専業主夫だと私を挑発してるのか?」

あー先生独身ですもんね。その人から見たら確かになめてるように思うかもしれない。

だけど俺はバイトをやり仕事は合わないと思ったんだ。

「先生、なんで女子の専業主婦が認められて、男の専業主夫が認められないんでか、これは立派な男女差別ですよね。男女平等とか言っときながらへどが出ます。」

何が平等を目指すだ。男が専業主夫を目指した時点で変だの夢がないのがかわいそうだのはおかしい。俺は1番に幸せな家庭を築きたいのだ。それで最も最善なのが俺が家に入る事なのだ。決して楽をしたいからじゃない。

先生は半目をつぶって

「確かにそれは一理ある、だがうちの生徒で女子も合わせて家庭に入るという将来の夢を出したのはお前くらいだ。そもそもうちの学校は男女社会に出て活躍する人材を目指すという理念の学校だ」

なんだとこの学校には結婚が幸せでお金持ちと結婚するという野望を持った生徒はいないのか

「でも先生時代は変わったんです。専業主夫も年々増えてきています。それに女性も社会に進出してして活躍している。その場をやる気ない俺が出世を邪魔するのは良くないと思うのです」

すると先生はぶつぶつ何かを言い始めた。

「私が結婚しないで仕事を選んだのも今の時代は女性から憧れる存在なのだ。だから私がこの選択をしたのは間違いではないのだ。

なぁそう思うだろう池田?」

先生の目が死んでいる。どんだけ独身のことで周りに言われ、周りが幸せに結婚した姿を見て行ったか。先生同情しますよ

なので俺は先生を励ますことにした。

「先生の男より仕事を取ったのかっこいいと思いますよ。俺は仕事したくないんで自分のできないことをやってる先生はすごいです。」

先生は目に生気を宿しながら

「本当か、ならこのまま教師続けても良いんだな。親からの催促も応じなくて良いんだ」

どんだけ親からの見合いの場をセッティングされてきたんだ。可哀想な先生、まぁ俺は結婚を目指すから先生と道は違うがな。

「将来夢については書き直しで許す。とりあえず適当な職業を書いとけ」

俺ははいと言って新しい紙を受け取り職員室を出た。

とりあえず適当に公務員と書いておくか、絵公務員なら早く家に帰れるしな。

そう思っているとチャイムがなったので、俺は急いで教室に向かった。


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