第11話

俺は満足した心持ちで授業を終えた。

やっぱり伊賀先生の授業は最高だわ。それに比べて数学の先生は数式を書いて終わりで解説もない。それなのに寝てるやつにも答えさそうと指名するんだ。こっちは授業がつまんないから寝てるのに指名するなと思う。

数学の授業について文句を言ったんだが、次は数学の授業だ。今日は当てられないような気がするし寝るがな。

俺は腕を枕にして寝る態勢に入った。だんだん俺は眠くなりやがて寝た。


まさかねるの恋人がストーカーで俺を守るために付き合い出したなんて、あの時気づいてれば俺はねるを失わないで済んだのに。

ねるはDVや脅迫をされていた。そしてある男が異変に気づき助けてその男とねるは付き合い出した。

そう俺はまたねるわ失ったのだ。その男と付き合ってるねるは今まで見た中で1番幸せそうだった。

ねるの幸せな顔を見てたらこの上ないほどの悔しさを感じた。

過去を振り返るとねるは俺のことが好きだったかもしれないと思ったからだ。

俺は誰もいない教室窓を眺めた。

雪が降ってるな、そういや今日って12月25日世のカップルどもがイチャイチャする時期か。

ねるが彼氏とイチャイチャしてるとこを想像し俺は吐き気を覚えた。

そして蹲ってると、ガタンと教室のドアが勢いよく開け放たれて、誰かが入ってきた。

その人は俺に慌てながら近づく。

「お兄ちゃん大丈夫?」

心配そう俺の顔を覗き込みながら言った。

俺は即興の作り笑いを浮かべながら

「大丈夫だよ、だいぶおさまってきたし」

するとそれを聞いて優香は安心したような顔になり、そのあと眉根を寄せながら

「お兄ちゃんがこうなったのてねるさんのせいだよね。あれだけ長くいたのにいきなり隣からいなくなって」

あー優香相当怒っているな、このままだとなるに怒鳴り散らしそうだ。なんとか収める方法は無いか。あったわこれで行くか

「優香確かにねるの事は俺はショックを受けたが、その代わり美波と一緒にいる時間が増えたってことだぞ」

すると優香はハッとなって笑顔を浮かべながら

「私と一緒にいれて嬉しいってことだよね」


「まぁ、そうなるな」

すると今度は溢れるような笑顔を浮かべ

「ねるさんを忘れられるぐらい幸せのなろうね」

おいそれじゃカップルみたいだろ俺たちは兄妹だと思うんだが。

いちいち修正しててもおそらくキリがないのでそうだなと言った。

俺たちはとりあえず教室を出て下駄箱で靴に履きかえて、外に出た。

「今日ってクリスマスだよね、久しぶりに2人で過ごせるね」


「そうだな、ケーキでも買っていくか」

美波は嬉しそうに表情を綻ばせながら

「ショートケーキがいいな?」

俺の自然に口角を上げながらじゃーそれにするかと言った。

俺はまだねるのことに関しては癒てないが美波がそばにいてくれるなら俺はいつか癒てまた新しい好きな人を見つけられるだろうと思った。


こうくん起きて昼休みの時間だよ。

俺は可愛らしいアニメ声で起こされる。

俺は目をパチリと開けて横を見ると、近くにねるがいた。

いや距離近いんだが、ねるの石鹸のいい匂いが俺の鼻腔をくすぐる。

「ねる起きたから離れてくれないか、近すぎると緊張するんだが」

俺がそう言うとねるは渋々俺から離れた。

「昼休みなんだよな、早く弁当を食べようぜ」


「そうだね、食べようか」

ねるは何か浮かないような表情を浮かべている。

俺は疑問に思ったがすぐに俺の夢に関することじゃ無いかと思い俺から切り出した。

「ねる俺またなんかうなされてたか?」

ねる澄んだ瞳で見つめながら

「ううん、うなされてはいないよう。だけどすごい悲しそうな表情をしてた。」

やっぱり夢の出来事が現実の顔にも出るんだな。内容は覚えてないが、悲しかったのは覚えてる。ねるが自分の手元からいなくなって。

「実はな内容は覚えてないんだが、なるがそばからいなくなっちゃう夢を見たんだ。」

するとねるは目を見開き驚き

「私がこうくんの元を離れるなんてありえないから安心して」

そうやって机の上に置いていた俺の手に自分の手を重ねた。

ねるの手に触れるとなんだか安心する。温かい包み込んでくれるような温もりを感じる。

「ありがとうなねる、もう大丈夫だ」

ねるが俺のそばからいなくなるなんてあり得ない。だって俺たちはいつも一緒にいたんだから。

すると頭の中に油断してるととられるぞ、よくねるを見ておけという忠告が響いた。

また頭の中から声が聞こえた。誰なんだこの声の主は神様がなんかなのか俺にラブコメをさせるための。

俺は頭の中に響いた声を気にせず弁当を出そうと思ったら、今日は優香が寝坊して弁当がないって言ってたことに気づき

俺ちょっと購買でパン買ってくるわと言ってクラスを出た。購買に着くと長蛇の列ができている。俺はそれを並びメロンパンだけは無くならないでくれよと願いながら順番を待った。

やがて俺の順番が回ってきてメロンパンが残っていたのでそれを一個と焼きそばを一個買って、クラスに軽快な足取りで戻った。




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