第4話

次は俺が最も苦手とする数学の授業である。

数学というのは普通に生きてれば使わない科目なのになぜか学校受験では重要視されてる科目でもある。そして数学が苦手な奴から見ればアラビア語や呪文の類の難易度と大した差がない。俺はもちろん数学が苦手な部類に入る。要するに俺は睡眠学習をするということだ。

おやすみ数学よ俺は寝るな。

俺は腕枕にしながら寝る態勢に入った。


ねるが俺のことを呆れた視線で見てきたが特にすることなく俺は寝る。やがて授業が始まる声がした。俺はだんだんと眠くなっていき寝たのだった。


俺はある日いつも通りに帰る支度して、ねるに声かけると今日は無理だと言われた。


「なんで今日は無理なんだ?」


ねるは悲秋感のある表情になった。


「私彼氏できたんだ」


俺はハンマーで思いっきり後頭部を殴られたほどの衝撃を受けた。ねるに彼氏だと、嘘だよなだって俺と幼少の頃約束したじゃないか結婚しよってさ。


「幼少の頃の約束はどうなるんだよ」


俺は必死だった。まさかねるのことがこんなに好きだなんて。ねるは悲しそうに眉根を寄せながら、


「そんな昔の話覚えてないよ、彼氏と待ち合わせしてるからじゃあね」


そう言って俺の元を風のように早く去っていた。俺は膝から崩れ落ちた、早く告白してればもしかしたらこんなことにならなかったかもしれない。


俺はワンワン滝のように涙を流した。

そこにたまたま忘れ物を取りに来た美波がギョット目を見開き驚いた様子で俺のもとに駆け寄ってきた。


「どうしたの?好希」


「ねるに彼氏ができたんだ。」


俺は嗚咽まじにそう絞り出すように言った。そうなんだと慈愛の笑みを浮かべて、


「胸かすよ、目一杯泣いていいんだよ」


そうやって手を美波は広げた。俺は無意識に美波の胸の中に飛び込み、さっきよりもワンワンと泣いた。


「こうくん、こうくん起きて」


俺は可愛らしい声で起こされた。

顔をあげるとねるがて口元に持ってきながら驚いている。


「目赤くなってるし、机が涙で濡れてるよ」


あーあの夢のせいか、内容は覚えてないがすごい悲しい気分になったのは覚えてる。


「そんなことより、切羽詰まったように起こしてたけど何かあったのか?」


「こうくんが先生にさされたんだよ」


「まじかよ、どこの問題だ?」


ねるは教科書を俺の机の上に持ってきながらここだよ指差した。


俺はとりあえず椅子から立ち上がって、ねるから教科書を借り、起きたばっかの頭をフル回転させて問題を解こうとした。


....解けないわ、やっぱ数学は暗号だわ。俺はねるに助けを求める視線を投げかけた。するとねるは先生に聞こえないように小声で、


「a=4分5.b=4分1だよ」

腕を枕にしながら先生に見えないようにして答えた。俺はまっすぐに先生を見据える。

すると先生はぷっと笑い出して、


「お前振られたかのような目になってるぞ」

俺はこの目をクラス中に見られてると思うと恥ずかしさがこみ上げてくるが、だけど答えなければ席に触れないので答えを言った。


すると先生は見通すような顔になり

「長濱、答え教えたの聞こえてるからな。池田が寝てたのは見えてたからな。本当に池田の事になると甘いよな」


するとねるの体ピクンとなり、後ろの首元からも汗がこれでもかっていうぐらい吹き出していた。


「長濱は優秀なんだから、こんなことで成績を下げないでくれよな。次やったら成績下がるからな」

ねるはこくんこくん必死な目でと頷いてた。やばーじゃ俺はどうなるんだ。これ以上成績下がったら2になるんだが。


「池田はとりあえず点数にすると12点分下げさせてもらうからな」


やばいな次のテスト真面目に勉強しないとな。

俺はそう思いながら席に座った。それからは順調に授業が進んでいき俺は真面目にノートを取った。


アラビア語並みの難しさでわからないが、これじゃこのままだと2どころか1がついて進級すら危うくなりそうだから俺は必死になっての~とを写しざるおえなかった。


ねるに教えてもらうか、なに買えば教えてもらえるかな。



やがて授業が終わり、心なしか他のクラスメイトも疲れている様子だった。そりゃそうだよなあの人いきなりさしてくるしな。とりあえずねるに数学を教えてもらうための交渉をしよう。


「ねる、テスト勉強で数学教えてもらいたいんだが」


「何か買ってくれるならいいよー」


やはりそう来たか、なるが最近欲しいと言ってたもの...

ネックレスならどうだ。


「ネックレスはだめか?」


「いいよー、最近ネックレス欲しかったんだー」


「それじゃ決まりだな、勉強は土曜日でいいか?」


「いいよー、土曜日なら勉強してから教えられるしね」


ねるは自分の勉強を邪魔されたくないから友達とも勉強しないタイプで、だから俺は何かを買うことで勉強を教えてもらうことにしてる。


話していると休み時間の終わりを知らせるチャイムが鳴り俺は次の授業の準備をした。


数分たってから日本史の先生がやってきた。

相変わらずのマイペースだな授業に数分遅れてるのに、だがこの先生の授業はわかりやすく生徒からの評判はいいので気にする人はいない。

俺は日本史が好きなのでこの授業と国語だけは真面目に聞いてる。さぁ始めるぞーという合図と共に授業が始まった。



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