プログラミング初心者の閻魔様
るうね
プログラミング初心者の閻魔様
「閻魔様、そろそろ始業時間ですよ」
地獄の鬼がやって来てそう言ったが、閻魔様は無言でパソコンに向かってキーボードを叩いている。
「閻魔様?」
「ええい、うるさい。いま、善行の数を入力すれば自動的に来世での転生先を表示するプログラムを作っておるのだ。もうちょっと待っておれ」
「へぇ、閻魔様、プログラミングなんてできたんですね」
うむ、と閻魔様は得意げに、
「昨日から勉強し始めたのだ。近年、あまりにも死人が多すぎて、業務過多になってきたからな。少しでも負担を減らすために、文明の利器を活用しようというわけだ」
よしできた、と閻魔様は満足げに言って、鬼に視線を向けた。
「さあ、仕事を始めるぞ。さっそく最初の死者を連れてくるのだ」
そう言う閻魔様のパソコンのモニタには、彼が組んだプログラムのソースコードが表示されている。
<!DOCTYPE html>
<html lang = "ja">
<head>
<meta charset = "utf-8">
<title>転生先選別プログラム</title>
</head>
<body>
<script>
var kazu = prompt ("善行の数を入力してください");
var zenkou = kazu;
switch (zenkou) {
case 1:
// 変数『zenkou』の数値が『100』以上の場合
alert ("人間に転生");
break; // 処理終了
case 2:
// 変数『zenkou』の数値が『50』から『99』の場合
alert ("畜生に転生");
break; // 処理終了
case 3:
// 変数『zenkou』の数値が『1』から『49』の場合
alert ("虫に転生");
break; // 処理終了
default:
// 変数『zenkou』の数値が『0』の場合
alert ("バクテリアに転生");
break; // 処理終了
}
</script>
</body>
</html>
プログラミング初心者の閻魔様 るうね @ruune
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます