第14話:第1章-11
青年が
「今の一撃は良かったよ。君の
「………………」
私は少し離れ
地面に
この剣は、私を支えてくれた
さっきまで
「あ~……そ、その、ち、
「ぐすっ……わたし、子猫なんか、じゃ、ない……」
涙を
明らかに
自然と──身体が動いた。
「わたしは、あんたなんかに、負けないんだからぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
私は半ばから折れた剣を最上段から振り下ろす!
「おおっとっ!?」
私が繰り出した
眼鏡の奥の瞳が
「エルミアが気に入るわけだね。初めての模擬戦で両手を使わされたのも久しぶりだ。今日はここまでにしておこうか」
「……………」
私はゆっくりと剣をひき、鞘へ収めた。
……本当に折れちゃったんだ。私の剣……。
心が
青年は突き刺さっている剣身とペーパーナイフを
「ごめんよ。剣を折るつもりはなかったんだけど……君が思ったよりも強くてね」
「! ……本当、に?」
黒髪の青年と視線を合わせる。
すると、強い
「強いよ。第八階位というのは信じられない」
「……そ、そう」
沈んでいた心が
──頭の上に、大きな白いタオルが降ってきた。
「顔を洗うついでに、お
「え? で、でも……私……」
「折ってしまった剣のお
青年が私を見つめる。そこにあるのは
……エルミアと同じ。
私は
「…………分かったわ。それと、その──……ハ、ハル」
「ん? 何だい?」
私は黒髪の青年へ向き直り、深々と頭を下げる。
「え、えっと……あ、
青年が、くすり、と笑った。
「任されたよ。【辺境都市の育成者】の名に
「? 何??」
青年──ハルは私へ笑いかけた。
「
「!?!!」
え、えっと……き、綺麗って……あの、その……。
すると、ハルは
──石造りのお風呂は今まで私が入ってきた中で、一番広く気持ちよいものだった。
どうやら温泉らしい。あと、洗髪剤は花の
【
お風呂上がりの牛乳も冷えていて
こういうのも
しかも、
何と、あの白髪ハーフエルフ、この廃教会で
ふふふ……良い情報を得たわ……。
だけど、当面、ハルのことはジゼルに
──そんなことを思いながら、私は数年ぶりに安らかな
辺境都市の育成者【第1巻好評発売中!】 七野りく/ファンタジア文庫 @fantasia
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