第12話:第1章-9
世界樹──それは大陸中央にそびえる大樹。
かつては、世界に三本あったらしいけど、現存しているのは一本だけ。
伝承によれば、三百年以上前の『
辺り一帯はハイエルフの神域になっていて、立ち入るのも難しく、
結果、素材を手に入れるのも至難で、
歴史上、世界樹の枝を使用し、実在したと認定されているのは伝説の
今、目の前にあるのはそういう代物だ。
さっきから、ずっと白昼夢でも見てるんじゃないかしら。
この短時間に、
こ、こいつ……。
「変な顔だなぁ。
「え? ち、ちょっとっ!」
青年が杖をこちらに
持った
──……ああ、本物だ。
自分の中で魔力が
今なら
それこそ──私が使えない
「一つ目の助言をしようか。レベッカは、炎だけじゃなくて雷を使った方が良いね。苦手にしているみたいだけど、君の適性は雷だよ」
思考が
青年に問う。
「…………どうして、私の属性を知ってるの?」
「ふふ、僕は育成者だから。見れば分かるのさ」
幾らあのエルミアでも、冒険者にとって
確かに私は
それを
手品の種は……私は杖を
「この杖ね」
「またまた正解。それを持つと、魔力が活性化するから
「……
目を細め殺気を
青年の顔は
カップを持ったまま、片手を軽く上げた。
「
「からかわないで! ……お
そう言い、杖を返す。
手に張り付くような感覚。まるで、杖が意思を持っているみたいだ。
話せば話す程、常識は
私が築きあげてきた『世界』の中に、こいつはあっさりと入り込んできてしまいそうだ。
……そんなの、
私の
「夕食も食べて行けばいいのに。
「……結構よ。あと、あの
「そうなのかい? エルミアは毎回、楽しそうに話してくれたから、仲良しなんだな、って思っていたんだけど。ああ、夕食後にも珈琲と甘い物も出すよ?」
! エルミアが私の話を楽しそうに??
心が温かくなり、少し顔がにやけそうになるのを
「……け、結構よ! あと、べ、別に私はエルミアと仲良くなんかないっ! ……ま、まぁ、少しは
青年は
「そうか残念。なら──代わりに二つ目の助言をしよう。魔法剣を使いたいなら今のままじゃ永久に
瞬間、
しかし──
「!?」
「危ないなぁ」
私の剣は、目に見える程強力な魔力
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