第8話:第1章-5
「しまえないのが、私の悪いところ、ね」
今、私の目の前には廃教会がある。
確かに古びてはいるが、思ったよりもボロボロじゃない。
でも、見たところ屋根も
まだ真昼。……お化けの気配はなし。
『エルミア
ジゼルの言葉を思い出しつつ、教会の
割れたステンドグラスから十分な光が入ってきて明るい。
少なくとも見える
木製のベンチが
一番前のそれには毛布? ……はっ!
「まさか、あの
「
「ああ、なるほど。ここで見張りを──……」
ん? 私は今、
ゆっくりと後ろを振り返る。
すると、
「やぁ、こんにちは」
「…………」
青年は軽く左手を上げてきた。
見たところ二十代前半。大陸では
それにしても
警戒する私に対して、
「買い物で外へ出てみたら、こんな可愛らしいお客人と
いきなりの遭遇に
「ギルドからのお
「お遣い?」
「え、ええ。宛名は
布袋から小箱と
青年は私に近づき、困った表情を
「こういう品を持ってくるのは、あの子の仕事にしているんだけど……。まさかこの仕事さえも人に任せるなんてね。今度、お
「? オキュウ???」
「ああ、こっちの話。助かったよ、ありがとう」
青年がにこやかに答える。
……なんか変な
封筒と小箱を見せる。
「はい、これ。後で
「ちょっと待ってね」
男は
「ごめん、手元にペンがないんだ。中でするよ。お茶も飲んでいくといい」
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