第45話 BACK SPACE

エレベータに台車ごと前から突っ込んだだけだった。

たいして重たい荷物を台車に積んでいた訳でもない。


記憶の上では、23怪のボタンを押したと思ったけど…


「チン! 23怪です」音声案内とともに、私はバックで台車ごと23怪に降りるつもりで会った。


「すーーーーー」


床がない。


「あばーーーーー」


底は雨中であった。誰かと出会った。エレベーターと23怪の狭間のSPACEに私は落ちて行ったのだ。


「君はーーーーー」


「もしかして」


雨は容赦なく降り続いた。雨中の中で見た女は降られた雨粒。

雨は愛の印。

戻れない記し。


BACK SPACEキーのようには、簡単に消せない。私の頭の中の消しCOME

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