第44話 生き使い
最近、僕の腕時計の息使いが激しい。
「チク チィック タクタク タクタク…」
2016年に父が逝去し、形見の腕時計を貰った。それまで、僕は自分の腕時計をしていたが、それを棚に置き、それから父の形見の時計をすることにした。
1週間で30秒進んでいる
1か月で2分は進む
1年で24分進む
ふと、自分の元々持っていた棚にある時計を見ると、全然進んでいない、居間の電波時計と同じ時刻を指している。
父の形見の腕時計は、僕が朝健康の為にジョギングしているとき、仕事中懸命にアイデアを絞っているとき、家庭で家事の手伝いをシテイル時、子供に悪い事はワルイと躾して分かってもらえない時、毎日よく眠れない時そっと息遣いしてくる。
「そんなに生き急ぐな」
「損なのに生き急ぐな」
「SONNANONI IKIISOGUNA」
父から息子への生き使い
BOKUは娘に何をしてあげれるのだろう…娘の寝息はまだ穏やかだ
そっとBOKUは枕元に父から引継いだ時計を置き、自室で深い深い眠りにつく。TIME UPか!
嫁さんが僕らのおそろいの結婚プレゼントで送りあった時計をはめてくれる
棚の上に棚上げされていたもの。大切なモノ。
TIME TO GET BACK!!!
時が戻って行く 思い出はそのままで
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