03-013.姫騎士が他国へ訪問した際に省略出来ない儀式。 Ferner Osten.

2156年8月4日 水曜日

 現在時刻は21:00を過ぎたところである。海外では夏休みの避暑地としてここ、ザルツブルクに訪れる外国客が中々に多くいる。そうなると、海外との直行便が増えると言うことで、ティナはザルツブルク空港からオーストリア航空で臨時日本直行便の予約を取って一路日本へ。

 とは言え、まだ出立してはいないのだが。フライトの時刻は21:35であり、東京国際空港へは2時間50分の旅となる。日本とは時差が8時間あることから8月5日 木曜日の朝8:15分到着予定だ。


 ここ数日、お見送りラッシュだった。

 まず京姫みやこ小乃花このかが7月31日にザルツブルク空港から日本へ飛び立ち、8月1日にヘリヤをミュンヘン駅でお見送り、8月2日は花花ファファをミュンヘン空港より見送る。同日、30分後の別便で日本に向かうテレージアをついでに見送った。

 この中で純粋に帰省するのは京姫みやこ小乃花このかだけであり、ヘリヤはテレビ制作スタッフとインドへ。花花ファファは世界選手権代表を力ずくで奪い取るため、テレージアはようやくお付き合いをしていると認めた日本人の彼が帰省した鹿児島の実家へ。いきなり彼氏の実家に飛び込んでいくテレージアの豪胆さに少し驚いたのだが。


「殿下、そろそろゲートを通りませんと。」

「ああ、すいません。ここ数日慌ただしかったもので感傷に浸っていました。」


 言った者勝ちであるとはよく言ったものだ。全く感傷のカの字も浸ってないのだが、そう言っておけば自然と良い感じに捉えられるのを姫騎士さんは本能で知っている。


 政治的権威のない名誉公爵の姫と言えど、経済的、政治的発言力を持つ家系であるからには、長距離の旅行を単身で行うことはまずない。入国先で不測の事態が起こった際、下手をすると外交問題になるためだ。特に滞在していた国側が。

 そのため、SPとして同乗者が1名、現地で1名が合流し、合流しないが現地にて裏から諸々を対処してくれる者が10名程の旅行になる。ローゼンハイム<=>ザルツブルク間の近い距離を移動するのとは訳が違うのだ。

 訪問先の国へ、駐日エスターライヒ共和国大使館から予め滞在の旨を連絡してある。姫騎士への連絡が必要な場合は、大使館→SP→ティナの順に取り次がれることになる。


 さて、そのSPであるがザルツブルクから同乗するのは、チェコのカレンベルク家で警備担当をしているクラーラ・カリノヴァー女史。ティナの父方の流派の門弟であり要人警護能力が群を抜いて高い剣士である。今回はティナとも知見があり、且つ日本語も堪能であるための抜擢だ。


「クラーラさん、日本へは?」

此度こたびで5度目となります。マルレーネ先生と懇意にさせていただいていますので。」


 昨年の夏も先生と一緒にお祭りに参加いたしましたよ、などと言うクラーラの言動からティナは一つの結論を導き出す。

 そうか、貴腐人であったか、と。


 ティナの訪問相手である再従姉妹はとこのマルレーネ・ディートリント・カレンベルクは日本で成人指定のコミックライターである。そして、成人指定のライトノベルも執筆している。彼女を先生と呼ぶクラーラは同好の士なのだろう。が、この時代では個人の趣味に立ち入る無粋な真似はしない風習であるため特にツッコミはなし。


 ここで一つ余談を。

 ティナの家系は、千数百年の歴史を持つ古い豪族が起源の一族である。元々はカレンベルクの性を名乗っており、今もその性は引き継がれている。故に再従姉妹はとこの性もカレンベルクである。但し、一族の当主のみ名誉公爵位を引き継ぐため、ブラウンシュヴァイク=カレンベルクの性を名乗るのである。


 搭乗ゲートから旅客機に直接つながるボーディング搭乗ブリッジを潜り抜け、機内へ。成層圏を抜け弾道飛行をする長距離旅客機ならではの隔壁型搭乗口は、複数の頑丈、且つ重厚な造りの扉が開いており、大気圏内飛行をする旅客機と比べ機体は随分とずんぐりとしており、独特の三角デルタ翼が別の乗り物であると認識させる。これから3時間弱、空の旅である。もちろん、座席はファーストクラスだが、更にVIP席がリザーブされている。


 フライト時間となり、可変式ターボジェットエンジンの音が甲高くなる。宇宙速度でのダスト衝突にも耐えうる頑丈な耐熱外殻を持つこの旅客機は、客室への衝撃や振動がかなり抑止される構造をしているのだが、それでも機体を伝わるエンジン音をゼロにすることは叶わなかったようだ。


 亜音速時はターボファンエンジンとして機能する様、過給口に空気噴流の一部をエンジン後部へ排出するスリットが口を開けてジェット排気が機体速度より多少早い程度に抑えることにより推力を効率よく得る様に工夫されている。加速に連れ、スリットを閉じターボジェットエンジンとして加速後、スクラムジェットエンジンにバトンタッチする。音の6倍ほどの速度に達したら半加給型ロケットエンジンに切り替えて成層圏を駆けあがり、高度100kmで弾道飛行をする仕組みである。


 しかし、音の数倍もの速度による身体の負担を極力抑えるため、0.2から1Gずつ加速と減速の時間を取っているので、移動時間の半分以上は速度調整で消費している。ちなみに、一般の旅客機で離着陸にかかるG重力は、1.2から1.3Gである。



2156年8月5日 木曜日

 日本時間で現時刻は9:00過ぎ。時差のため1日を8時間前倒しとなったのだ。ティナ達は要人向け専用エリアで入国手続きや手荷物カウンターでの荷物受け取り等、諸処の手続きを終え、1階にあるこれまた要人向け到着ロビーで待機していたブラウンシュヴァイク=カレンベルク家所有の一目見て高級車と判るが大型バスキャンピングカーを思わせる車両に乗り込む。単に外観や内装が豪華なだけではなく、防弾装甲仕様で50口径の機銃掃射に耐えられる強度を持つ。そして前輪2輪、後輪4輪の車輪は全て駆動輪であり、尚且つステアリング機能を持つ。タイヤはもちろん、防弾、パンクレス仕様。この車両、軍用の技術が注ぎ込まれた戦闘を可能とした特注品である。ティナが日本へ赴く前にカレンベルク一族の本拠地から空輸してきたものだ。その名はNachfolgerナーハフォルガー号、つまり後継者と銘打たれている。


「ソフィヤさん、お久しぶりですね。」

「お久しぶりです、姫。ご機嫌宜しゅうようで何よりです。」


 車両の搭乗口で待機していた女性は運転手を兼ねる、現地合流組のSPであるソフィヤ・カチャノヴァ女史だ。ロシアに移住したWaldmenschenの民であり、ここ数年は日本でエスターライヒ大使館との連絡員をしているが、本来は乱戦となる近接複数戦のエキスパートである。

 ティナが搭乗口から奥の居住区へ乗り込むのと同時に、後部コンテナハッチから荷物を積み込んでいたクラーラが運転席左のナビゲート席に乗り込む。席に数種付属しているディスプレイには目的地の進路までの交通事情と安全性が現地入りしているWaldmenschenの民から随時データ更新されている。

 ここは日本であるため裏で働いてくれる森の民は、アジア系、つまりモンゴロイドの血が入った者が入国している。現地民とまではいかないがハーフ程度の見た目であり、日本語をマスターしている者も多く現地に溶け込み易いのだ。それは、諜報活動や荒事などにも有効となる。何事も表へ出さずに人知れず片付けてくれる優秀な部隊である。


「さっそくでございますが、殿下。まずは…、」

「エスターライヒ大使館ですね? 入国のご挨拶に伺わなければ当家の品格が疑われます。それでは参りましょうか。」

「かしこまりました。」


 助手席のクラーラは、ナビゲート席に取り付けられている車載レーダと監視衛星マップ、手の者から通知されるリアルタイム情報を表示するモニターなど、情報の確認に余念がない。よくよく見ると、射撃統制やトリガーなどの機能も付随しており、この車が武装していることの裏付けとなっている。実際、車両には両側面下部に1門づつ、後部に1門、収納式のチェーンガンが装備され、車内には鍵付きの武器庫まであるのだ。こっそり攻撃衛星のターゲット指示器が搭載されているのはやりすぎであるが。


 車内は居住性を高めており、シャワー、トイレ、洗面、台所が完備されている。その上、人間がダメになるレベルの座り心地を誇るソファーや天井付近に中2階として確保されたスペースにはベットなども完備し、普通に暮らせるレベルで設備が揃えられている。


 ティナの滞在先や活動範囲も決まっているため、態々わざわざこれほど過剰なまでの設備を投入する必要があるのか疑問に思われるだろう。だが、彼女は公的に王族の血が入った名誉公爵家の姫であると共に大財閥の令嬢である。そして裏の顔としては、Waldmenschenの民の総元締めであるケーニヒスヴァルト家の孫娘、つまり森の民の姫でもあるのだ。

 ティナの表の顔は大貴族の一員であるため、政敵や敵対組織などから標的の対象の一人と認識されている。他国へ単独で出向かえば格好のまととなるだろう。故に、大仰しくも訪れる国に対して、公的に入国の旨を伝えるのだ。

 そして、ブラウンシュヴァイク=カレンベルクとケーニヒスヴァルト両家の姫であるティナが外敵から危険にさらされるなどあっては、戦闘系の術理を深く伝えている一族の沽券にかかわる事態だ。そのため、過剰とも言える戦力が投入されるのである。


 ちなみに、ティナに対する敬称は、カレンベルク系列の配下は殿下、ケーニヒスヴァルト系列の配下は姫、と呼ぶものが多い。比率としては、と言うレベルなので明確に分かれてはいないのだが。


 オーストリア共和国大使館は元麻布にあるため、東京国際空港からは一般道の上に整備されたハイライン車道を通ってで30分未満であろう。この時代、地下と地上、そしてその上に道路が整備されていることが多く用途により使い分けをする。過去の様に直ぐ渋滞する程の車両数が走ることはなくなったが、それでも多少の混雑による遅延があるのは仕方がないことではある。しかし、Nachfolgerナーハフォルガー号の進路は、予め時間単位で交通規制されており、何ら阻害なくスムーズに目的地へ到着する。


「お久しぶりです、シュトラウス議員。いえ、今はシュトラウス大使ですね。」

「ご無沙汰しております。フロレンティーナ殿下。随分とご活躍されている様子は大使館の職員共々拝見させていただきました。」

「ありがとうございます。未だ若輩ではありますが、お楽しみいただけましたのならば騎士シュヴァリエ冥利に尽きます。」


 現在の外公館長であるヴァルター・シュトラウス特命全権大使は、過去ザルツブルクに在住し、エスターライヒ国民党ザルツブルク支部州議会代表を務めていた。そのため、ブラウンシュヴァイク=カレンベルク家とも政治的に知古である。


「このたびのご来日はメディア活動、それに休暇を兼ねていると伺っていますが、ご予定通りで?」

「ええ。ご連絡申し上げましたスケジュールに変更もなく、22日夕刻までの滞在となります。」


 小一時間程、滞在中のスケジュールをり合わせる。

 迎え入れる国側でも、賓客扱いとなり滞在期間中は安全面に気を配らない訳にはいかない一族が相手だ。情報の連携先として窓口が大使館となるのだ。だからこそ、各種調整のためスケジュールの把握とティナの所在確認が随時必要になる。

 詳細を詰め、ティナ達は次の訪問先に向かう。


 エスターライヒの大使館から1km程の距離にある南麻布のドイツ連邦共和国大使館のドアを叩く。


「お初にお目にかかります。フロレンティーナ・フォン・ブラウンシュヴァイク=カレンベルクと申します。」

「ようこそ、初めまして。駐日ドイツ大使のヴィンツェンツ・エーレンフリートです。殿下とお会いするのを楽しみにしておりました。」


 カレンベルク家は、ドイツとエスターライヒに少なくない政治献金をしているロビイストである。一族の本拠地ドイツでは、現在の首相とドイツキリスト教民主同盟などの大パトロンでもあり、エーレンフリート大使とも係わりがある。そのため、一族当主の代理として名誉公爵の姫であるティナが正式な挨拶に訪れたのだ。


 こちらの大使館でも滞在中のスケジュールと連絡体制の確認を行う。予め調整してあることではあるが、一族の政治的な挨拶と顔つなぎが第一の目的なので直接会って言葉を交わすことに意義が生じる。

 1時間と言う長くも短くもない時間で話を詰めて大使館を辞する。ティナは、この手の交渉ごとも慣れたものである。


 実際問題、政治家だけでなく、企業や団体などもカレンベルク家とは機会があれば友誼を結びたく思うところも多い。

 1000年以の長きに渡る時を経て一族の財源は多岐に渡り、全容の公表はされていないが総資産は国を揺るがせる程と言われている。経済基盤は国家を跨いで根付いているため、豊富な資金を背景にその気になれば経済のコントロールも不可能ではないとエコノミスト経済学者は予想している程である。そんな相手を敵に回すような真似は誰しも避けたいのだ。


 だが、一族の力が強ければ強い程、弱点から牙城を崩そうとする者も一定数沸いてくるのである。その様な手合いは大抵が他国の訪問先で非合法な手段を使ってくるのだ。過去、返り討ちの上、組織ごと潰したケースが幾つもあるため、現在では実際に手を出してくることは少なくなっているが。

 しかし、一族の中核にいる様な人員が本拠地から離れたとなれば狙われる確率は上がる。国外であれば尚更である。だからこその護衛であり、裏で動くWaldmenschenの民を揃えているのだ。

 同時に、訪問される国家はなるべく穏便にことを済ませたいと言う意思が見え隠れする。入国をていよく断ることが出来れば自国内で厄介ごとなども起こらないのだが、裏の事情を知らない世論に対してその様な選択肢を取るにはネームヴァリューが大きすぎる。そのために大使館との連携による保安体制を敷くのである。

 ドイツとエスターライヒの両国籍を持つティナがそれぞれの大使館を訪問したのは、滞在中の助力に対する感謝も兼ねている。後日、秘密裏に日本政府の代表と会合を行う予定となっており、そこで謝辞を述べるのだ。



「年々、海外に旅行する手間が増えていきますね。もっと気軽に赴きたいものなのですが。」

「ご不便をおかけしますが殿下のお立場であれば、それは致し方ないことかと。」

「そうですよ、姫。他国では手の者の数が限られますから。現地の協力は有難く受け取りましょう。」


 時刻は昼前。今は宇留野家に向けて進路を向け、高速道路に入ったところである。車両内では、人をダメにするソファーに深くもたれ掛けたティナがぼやいている。


「それは判ってはいるのですが、単なる名誉貴族の姫であればここまで仰々しくはならなかったと思うと、つい。」


 単なる愚痴である。

 ティナの性格ならば気楽に一人旅などを楽しみたいところではあるが、家の事情がそれを許さない。何らかの問題が発生するとしたら、それは個人レベルの話ではないからである。


「心中お察しします、殿下。」

「姫が滞在中は、お手を煩わせる事態にはさせませんから。」


 フィンスターニスエリシゥム鏖殺おうさつ術を奧伝、奥義まで修得しているティナであれば、たとえ一人旅で襲撃を受けたとしても物ともしない武力を持っている。遠距離からの狙撃や広範囲の爆発物に巻き込まれる以外は後れを取ることはない。

 相手の獲物が刃物は元より、個人が使用する銃器程度ならば、そもそも当たらないからである。

 森の民が扱う武術で上位の技を扱う者には飛び道具に対しての修練がされている。銃口が向いていない場所には弾が飛んでこないと言う理屈から、撃たれる前に回避するのである。


 本来、拳銃と呼ばれるハンドガンの類は、照準をして発砲と言うプロセスがあるため、動目標に対しての命中率は格段に低くなる。だからサブマシンガンなどは動目標へ対する面制圧を可能にするため大量に弾をばら撒くのだ。

 ハンドガンの有効射程は、概ね20~25ヤード程度と思ったより短い。この距離は、狙ってまとに当てることが出来る距離である。

 例えば5m離れた場所に立っている人物を見る時に、片目を瞑った状態で片手を伸ばし指で大きさを測ってみよう。人差し指と親指を伸ばしたくらいの大きさにしか見えない。そのサイズのまとが動き回るとすれば必中などは難しいと判るだろう。

 まとが逃走、もしくは突進する場合と、銃器に対して恐怖を持つ相手の回避行動などは直線的な動きが多くなることから、動きを予測して命中率を上げることは出来るが、ハンドガンは正確な照準が出来ない状態では基本的に当たらないものである。

 そして、飛び道具で時は足を止めているものである。格闘術を相手に銃撃を回避された場合の末路は言わずもがな。



 ――閑話休題。



 高速道路から一般道へ降り、辺りの風景は都心と比べて長閑なものになってきた。京姫みやこの実家である宇留野家まで、後30分程度と言った距離まで来ている。


「明日は10時ごろにお出かけの用意をしておけば良いですか?」

「はい。到着まで余裕を入れ、3時間と致しましたので、送迎はその時間となります。」

「姫には申し訳ないですけど、昼食は車内でお摂り頂きますよ。」


 明日、8月6日の午後から、京姫みやこと共に出演することになったTV番組のリハーサルがあるのだが、収録スタジオまでの移動は勿論、この車両を使うこととなる。そのため、お迎えの時間を確認しているのだ。

 予め行く先々との調整も済んでいるため、ある意味、時間厳守となる。調整先は到着先までの区間警備体制、交通整理等が主であり、スケジュール変更をするだけで多くの人員に影響が出るのだ。我儘厳禁。


「こういう時に限ってウサギの香草焼きとか食べたくなるんですよね。」


 ウサギ料理が日本では一般的ではないと知っている姫騎士さん。

 普通に食されるものがここでは無いと判ると途端に欲しくなるのは人間のさがだろうか。


「後はトナカイの生肉とか。」


 それはシベリア在住ネネツ族の珍味で一般的ではないですよ。

 そもそも姫騎士さん、食べたことないでしょうが。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る