第7話
教室に入ってまず驚いたことは周りの民度だった。大三島大学附属高校に行けばこんな人と出会うことはなかったんだろうな と言った具合の人物ばかりの高校であった。そう感じながら僕と加藤は自分の席に腰を下ろした。僕と加藤は出席番号順で前後の関係だったため、席も必然的に前後だった。加藤は一番後ろで、僕はその前。窓側だからだいぶ過ごしやすそうだからそれだけが唯一の救いと言ってもいいだろう。そうこうしていると担任が教室に入ってきた。そしてこう自己紹介を始めた。
「みなさん初めまして。1-5担任の小笠原綾香です。みなさんの学習面でしっかりサポートしていきます。みんなよろしくね。」
明るい口調でこう話したのは、うちの担任である小笠原綾という人物だった。そこからクラスの一人一人の自己紹介が行われた。僕の番に来た。起立した僕は何を言ったらいいのかわからなかった。ただ一つ、小笠原先生の視線がえげつなかったことだけは記憶している。小笠原先生は新任の先生らしい。そして可愛かった。思わず僕も小笠原先生を見つめたくなったが自分の心でその感情を押し殺し自己紹介を続けた。全員の自己紹介が終わると先生はこう続けた。
「みなさんがこうして学校に来れるのは保護者の皆様のおかげなんですよ。学習できる環境を作ってくれた保護者の方々に感謝しながら勉強を頑張って行きましょう。」
僕に関しては勉強よりも捜査の方が大切なんだけどな。そう考えると僕の親は僕の勉強のことは考えてくれなかったんだな と思いながら机に寝そべった。
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