第8話

目が覚めると周りのみんなは起立をしていた。授業の終わりの挨拶をしていると察した僕はすぐに立ち上がり、先生に向かって深々とお辞儀をし、また着席した。そういえば今の6時間目だったよね...?もう学校終わりか。今日もつまらない授業ばかりで学校に対して興味を失いかけてる。しかし越智の目的は勉学ではない。放課になり加藤に声をかける。「加藤、ちょっとついてきてもらっていい?」

「全然大丈夫だよ!」

そういうと僕は机にかけておいたリュックに手を伸ばし、教室を後にした。僕が向かったのは進路指導室であった。

「え、なんかやらかしたの...?」

「あ、いや別になんもしてないよ。」

そういうと僕は進路指導室の扉をノックしこう口を開いた。

「失礼します。小西先生はいらっしゃいますか?」

すると小西先生が教室から出てきた。

「これ提出しにきました。」

そう話すと越智はリュックから徐に一枚の紙を取り出した。そこには「入部届」の文字が記載されていた。小西はそれを受け取ると無言でその場を後にした。

「え、部活入ることにしたの?言ってよー。」

「ごめんごめん。」

「それで... 何部に入ったの?」

「ハンドボール部!」

そう、僕はハンドボール部に入部した。犯人の娘の調査もとても大切ということはわかっている。でもせっかく高校生なんだから部活くらいやってもいいと思った。するといなくなったはずの小西がこちらに向かってきた。そして小西は僕にこう告げた。

「ごめん。部員オーバー。」

そういうとさっき提出した入部届を僕の手の上にそっと置いた。なぜか部員オーバーという理由で入部することができなくなってしまった。

「ドンマイ。」

そう加藤は僕の耳元で呟く。高校生活の唯一の楽しみにしようとしていた部活動を、今 目の前で崩されてしまった。途方に暮れる僕に小西はこう尋ねた。

「知り合いの先生の部活。紹介しようか?」

僕はその言葉に困惑を覚えた。ハンドボール部一心だった僕はその言葉を安易に飲み込むことは困難である。しかし部活入らないとなると、それはそれで面白くないし...。そう思い僕は小西の紹介で他の部活に所属することに決めた。そして小西は、

「ついてきなさい。」と言い、僕と、何故か加藤もある教室へ案内された。到着した教室には「放送室」と記載された教室札が掲げられていた。

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