第2話
僕の父は警視庁で働いている。しかもまあまあお偉いさんだ。あまり父に仕事の話は聞かないから、どんなことをしているのか、なぜ警視庁に入ったのか、毎月いくらもらっているの...?全く知らない。
そう考えると自分も何で父のことをこんなに知らないんだろう。そんなの容易に答えが出た。単純に話さないからだ。今月ももう終わりに差し掛かってるけど...あれ、今月父さんとちゃんと話したっけ?そのくらい話した記憶がない。そんなことを考えながら自転車を漕いでいるとあっという間に学校に到着した。いま通っている南中学校は受験シーズンだからかなりピリピリしている。中3の僕は特に学校のみんなからどの学校に行くか注目されている。まあ僕の行く学校は「大三島大学附属高等学校」一択なんだけどね。教室に入って席に着くと同タイミングで担任の和田先生が教室に入ってきた。そして挨拶を交わすとプリントを配り始めた。そこには「三者面談のお知らせ」と記載されていた。
「2学期も終わりに差し掛かっています。そこで今年最後の三者面談を行います。保護者の方と相談して予定を確認してくださいね。」
ああ、もうこの季節か。父さんと話さないといけないのか。辛いな... でも絶対来ないだろうな。ああ母さん。何でいないんだよ。何でいなくなっちゃったんだよ...。本当に母さんがいなくなってからうちは変わってしまった。あんなに仲がいい家族だったのにどうなっちゃったんだうちは!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます