第2話

会場に着く。

既にファンで、ごったがえしている。


声優は陰の人というのは、昔の話のようだ。

今の声優は、ビジュアルにも優れていて、写真集も出している。


声優アイドルのはしりは・・・あの方だ・・・

親父が夢中になっていて、何度か会った事もあるらしい。


それは、置いといて・・・


ふと、頭をよぎる。

あの彼女・・・

まさか、声優になったりはしていないよな・・・


声優というのは、簡単にはなれない。

声をあてるだけなら誰でもできるが、命を与える事は。、並大抵の努力では無理。

生半可な気持ちだと、しっぺ返しを食らう。


そして、イベントが開園となり、あのアニメの声優さんたちが、登場した。

客席からは、声援が起きる。


僕の推しキャラの声優さんは・・・あの方か・・・

地声は、普通だな。

でこから、あんな可愛い声が出るのか気になる・


他の声優さんも見る。

やはり、あの時の彼女らしき人はいない。


そんな、ありがちな展開にはならないか・・・


「何か私たちに質問のある方はいますか?」

舞台の上の声優さんのひとりが、客席のファンに尋ねた。


名前は・・・

知らない・


えーと・・・あっ、この方か・・・


確か、某ロボットアニメで少年役をしていたな。


どうせ、差されない。

そう思い僕は手を挙げた。


「はい。そこの牛の帽子の方」

あっ、僕だ。


考えてなかった。

マイクが周ってくる。


仕方ない。

質問しよう。


「もし、過去の自分に何か言えるとしたら、何と言いますか?」

ざわめきが起きる。


僕、変な質問した?

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