君が居ない世界で君を探す

@siragami

第1話 閃光

ここはどこだろうか。

僕が目覚めたのは森の中だった。

木漏れ日が眩しい。

そんなことを考えていると

どこからか声が聞こえてきた。

「今日はいい天気だな。こんな日はどうも

体を動かしたくなる。」

声からして男だろうか。

しかし足音は1人だけではないみたいだな。

他に誰かいるのだろうか?

「ちょっと待ってよ。歩くの早いって

まだ時間あるんだしゆっくりしようよ。」

もう1人の声は女だろうか?

そんなくだらないことを考えていると

男が僕に気づいたかのように近づいてくる。

「おい。そこで何をしている。」

僕は突然声をかけられた。

急すぎて声が出なかった。

しかしそんなこともお構い無しに

男は話してくる。

「ここは危険区域だぞ。一般人が入っていい所ではない。」

危険区域だと?そんなものは知らない。

起きたらここにいたそれだけのことだ。

「なにか言ったらどうだ?」

返事ぐらいはしておいておこう。

「やぁ。起きたらここにいたんだ。ここはどこなんだ?」

僕の質問に対し男は鼻で笑い

いきなり胸ぐらを掴んできた。

「何するんですか。質問ぐらい答えて下さいよ。それともなにか答えれない理由でも?」

煽るように僕が言うと目の前に拳が何故かあった。そこからの記憶があまりない。

だが1つわかったことがある。

それは、この世界は僕が知っている世界ではないようだ。ルールも違う、技術も違う、服装も違う。そしてこの世界には有咲が居なかった。

僕は看病をされていた。

その時に色々と話を聞いた。

ここはユグドラという小さな町らしい。

僕が倒れていた森はモンスターが沢山いて危険区域と言われているらしい。

本当の名前は【アグルースの森】と言うらしい。

僕の胸ぐらを掴んできた男はこの町で1番の大男だそうだ。名前は〈アグニ〉と言うらしい。

一緒にいた女の名前はアグニと一緒にパーティーを組んでいるそうだ。名前は〈エリス〉というらしい。僕の名前は普通ではないみたいなので名前を作ることになった。

「どんなのがいいんだろうな。少しひねりが欲しいな。グレンとかどうだろうか...」

悩んでいる時部屋の扉が勢いよく開けられアグニとエリスが入ってきた。

「起きたなヒョロガキ。」

「起きたんだ〜おはよ。」

なんとも自由な人達だ。

そんなことより名前を決めないとな。

「名前ならグレンでいいだろ。」

「そうだね〜」

なんと名前の候補を聞かれていたらしい。

なら盗み聞きせずに早く入って来いよ。

と思ったのは心の中に閉まっておいて。

「なんのようですか?」

そう聞くと

アグニは驚いた顔をし

「用ってないけど暇なだけ。」

なんとも自由だ。

暇という理由で人の部屋に普通入るか?

いや違う。ここは別の世界なんだ。

常識が通用する訳ない。

「お前能力審査やってみるか?」

アグニがそういうとポケットから

丸い玉を出してきた。少し灰色がかった

丸く光が少しだけ漏れている。

「ここに手をかざすだけでいいぞ。」

やるのは確定事項らしい。

とてつもなくめんどくさい。

まぁやるか。

「わかった。こうでいいんだよな?」

「あぁそれでいいぞ。」

すると玉から大量の光が溢れてきて目の前が真っ白になった。

視界が戻ると玉は砕けておりアグニとエリスは

その場に立ち尽くしている。

余程ダメだったのだろう。

そう思っていると

「お前本当にただの人間だよな?」

「あぁそうだがそれがどうした?」

震えた声でアグニが言ったのでよほど

ダメダメだったのだろう。そもそも

期待はしてなかったから別にいいが。

何故玉が砕けたのかは謎だ。

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