第9話 のぞき穴


これは一ヶ月前くらいに私が体験した話です。


3カ月ほど前から夜になかなか寝付けず、夜中に何度も目覚めてしまうような生活を続けていた私はどうせ眠れないならと深夜に一人で本を読みながら過ごすことにハマっていました。


そんな生活を続けて2週間くらいが経った頃


私はあることに気が付きました。



それは深夜2時34分になると毎回誰かの足音がするということです


その足音は女性のヒールの音で毎回階段を上がってくるような音はするのに玄関を開ける音は全くしないのです。

最初は気にならなかった足音も毎日同じ時間となると私も気になってしまい読書に集中が出来なくなっていました。



そして一か月前、なんとなく足音がしたら玄関ののぞき穴を見てみようと思ったのです。


私が住む部屋はちょうど階段の前だったので誰かが上がってくるのなら見ることが出来るだろうと思っていました。


その日の深夜2時30分


私は恐怖心を抱えながら音がするのを待ちました。


そして2時34分…


いつものようにヒールの音が響きました



私は勇気を出して玄関ののぞき穴を見たのです


ですが何も見えず…



(あれ…音はするのにな…?)


私がそう思った瞬間でした




突然のぞき穴の目の前に女性が立ちこちらをじっと見つめていたのです


(え…?)


驚きと一体どこからきたのか分からない女性にパニックになり私がのぞき穴から目を離すと


コン…コン…。



とゆっくりドアをノックする音がしたのです


あまりの恐怖心にドアを開ける勇気はなく、毛布にくるまり朝になるのをひたすら待ちました。


朝にのぞき穴を見た時にはもう女性の姿はなかったのですが


その後も毎日同じ時間にする足音が私にとって本当に怖く

二度とのぞき穴を見る勇気はありません











































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