前回までのあらすじ(第13話から第15話まで)

 東味亜ひがしみあ国の小都市・穹沙きゅうさ市には、国が選定した庭園「大庭だいてい」が二十か所あり、観光局からの任命で管理運営する者たちを「大庭主だいていしゅ」と呼んでいた。


 主人公、ヒューゴ・カミヤマ・キッパータックは、天馬ペガサス地区にある第四番大庭「砂の滝がある日本風庭園」を管理する大庭主である。



 東味亜国に七年前から出没し、大庭ばかりを狙って泥棒や嫌がらせを行っていた「庭荒らし」ことタム・ゼブラスソーン。

 彼らの神出鬼没の舞台裏には〈マジック・ケーヴ〉という摩訶不思議な洞窟の存在があった。

 最初に発見したのははぐれ者の格闘家コナリアン・ヂュオで、彼はあるとき、後にタム・ゼブラスソーンとなる男、古物商のガス・ラフローと出会い、以来、彼と彼の仲間たちと洞窟を共有するようになる。

 この洞窟は心の中で行きたい場所を思い描くと、そこに通じるトンネルを発生させることがわかった。そのトンネルに導かれ、同じ養護施設で育った幼なじみの女性、レイサ・フルークと再会したガスは、彼女の父親が勤め先のドルゴンズ庭園を無実の罪で追いだされ行方不明になっていることを知り、抗議のために大泥棒を演じることを思いつく。


 その活動の最中に、穹沙市の第二十番大庭・地下庭園に繋がってしまったトンネルを当時の大庭主だった福田江ふくだえまもるが発見してしまう。揉み合った際に転倒し大ケガを負った福田江。福田江の友人で大庭調査会のメンバーだったサムソン神酒みきもそこに巻き込まれタムに脅され、言われるがままに大庭に関する情報をタムらに流していたのであった。


 罪悪感から大庭調査会を辞め、恋人とも別れ、意気消沈する神酒。そんな神酒を心配し、知らず知らずも地下庭園の謎の〈立入禁止区画〉や福田江と彼の元介護士レイサの情報に近づく元探偵の馴鹿布なれかっぷと助手のかない。それでもタムの尻尾はなかなか掴めない。


 

 レイサの父親の居場所をマジック・ケーヴに依頼し、数十メートルの断崖に案内されショックで倒れたレイサと衝撃を受けたタム。

 神酒はようやくタムと決別し、警察へ出頭することにした。

 



 

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