第2話 であっちゃいました
ひとまず、スマホの光を頼りに廃校内の廊下へ。背後にカメラを回す翔子を連れながら例の怪奇現象らしきものが写っていた2階エリアを目指していく。
「ありました、2階へ続く階段!!では検証スポットへGO!!GO!」
ピクニック気分でカメラにテンション高めのコメントをしながら進んでいく。
進むと同時に翔子がわたしの裾を掴み、
「ねぇ、なんか音聞こえなかった?」
神妙な声で問いかける翔子だったが、辺りは静まりかえっている。
「またまた、そんなこと言って〜。気のせい気のせい」
階段を踏み出すと同時にガチャんとドアの閉まる音が鳴り響く。
あれ?これ、確実に聞こえますね。
「気のせい……、じゃないですね」
首をブンブン振る翔子に対し、人差し指を上に向け合図を出す。
「ええぇ、ホントにいくのぉ」
「そりゃ、みんなも気になるでしょ〜」
とりあえず、歩を進める私に渋々ついてくる翔子。どうせ隙間風とかそんなオチだろうけど、ネタになるかもと期待しつつ、2階へ到着。
さて、2階の廊下を照らしてみるといくつか教室がありますな。手前の教室札を見上げると保健室と書いてある。多分、怪奇エリアスポットはこの辺りのはず。
「いよいよ、例の場所にたどり着きました」
それっぽいことをコメントしながら、ドアをそっと開ける。
「あのー、誰かいますか?」
私が、先導し語りかけながら入っていく。シーンとした空間。
いい感じの骸骨模型を見つけたので、手に持つスマホを床に置きガイコツちゃんの顔を拝借。
「私が犯人でーす」
ガイコツ顔を私の顔と重ねて戯けて見せるが、無言の翔子。
「ちょっと、なんかリアクションしてよ」
「不謹慎だよ」
「すんません」
マジトーンで言われるとなんか凹む。ガイコツちゃんの顔をもとの位置に戻し、ライトを拾いにいこうとしたのだが。あれ、ベッド下に何かいる?
スマホのライトをベッド下に当ててみると、、、
「いやあぁあぁあ」
翔子の方に急いで駆け寄る私。
「えっ、なによぉ〜」
「そこに……」
私の指差す方向をライトで照らす翔子。
そこには、
「女の子?」
「なにか用?」
ボブカットヘアでジーパン半袖少女がベット下から出てくる。
いやいや、用もなにもなんで女の子がここにいるのよ!
「いやぁ、用ってことはないんですけどね……」
ついつい、動揺で年下にも関わらず敬語を使ってしまう私。現状に整理がつかず、しどろもどろしていると、
「用がないなら帰ってよ、お・ば・さん」
「ちょっ、おばっ、おばさんってね。まだピチピチの二〇代です」
辛辣な少女の年齢コメントに咄嗟に反応してしまう。
「まぁまぁ、お化けじゃないってわかったことだし。そうだ、外でジュースでも飲まない?」
「もらえるならいいけど」
翔子の提案に乗る少女。
まぁ、とりあえず動画としては想像を超える盛大なオチはついたので、とりあえず廃校を後にすることに。さてさて、なにやらこりゃ骨が折れそうな予感がプンプンしますよ。
〜・〜・〜・〜・〜・〜
お知らせ
廃校ミートガールズ連載開始しました!!
次回3話は1週間後までにアップ予定です!
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今後もよろしくお願いいたします!!
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