最終話(後編)

※ここからは番外編です


ここは現代日本、「百合が咲く、徒花が散る」の作者であるT氏はあることで悩んでいた


【T氏】

「ああ、やっぱり王子のキャラはまずかったかな。」


多数のユーザーから、「ノエルが嫌い!」「セシリアが可哀想。」「女好きの王子を好きになるヒロインの頭が変。」等と散々なコメントをいただきました


【T氏】

「はあ~、悪役令嬢ブームに乗っかって書いたけど、失敗だったな。」


T氏の作った「百合が咲く、徒花が散る」は原作にもなり、ゲームにもなったりもしたが、不評の嵐だった


【T氏】

「とりあえず寝るか。」


時計を見たら夜の11時、もやもやした頭をリフレッシュさせるために就寝した。就寝後、T氏はある夢を見ていた


【アーシア・インジェント】

「私、ずっと前からセシリアお姉様の事をお慕い申し上げておりました、どうか私と結婚を前提にお付き合いください!」


【セシリア・シークハルト】

「えっ、ええええええええ!」


【T氏】

「なんだこれ?」


私の目が点になった。何とヒロインのアーシア・インジェントが悪役令嬢に告白をしたのである。私は女同士の恋愛については漫画とアニメでしか見たことないが実際に見るのは初めてだ!


【セシリア・シークハルト】

「どうしてこうなった。」


【T氏】

「それはこっちが聞きたいよ。」


そして私はセシリアの幼少期を見た。するとセシリアの発言に私は耳を疑った


【セシリア・シークハルト】

「あっ、思い出した。私は部屋で死んだんだ!」


死んだとはどういうことなのだろうか、続きを聞いてみると彼女は男役の舞台女優の仕事をしており、私の作品である「百合が咲く、徒花が散る」のゲームを全クリした後に原因不明の頭痛でこの世を去り、今は悪役令嬢のセシリア・シークハルトに憑依したのだ


【T氏】

「何と!そんなことがあるのか!」


更に続きを見たら、何と占い師の力でノエルとの婚約を辞退したのだ、私は彼女の行動に興味を抱き、続きを期待したら・・・・・ピピピピピピピピピピ!カチン


【T氏】

「朝か。」


せっかくいいところだったのに、カーテンを開けると燦々(さんさん)と降り注ぐ日光・・・・


【T氏】

「うう、まぶしい。」


私はとりあえず夢の中の出来事を日記に書き記した


【T氏】

「ああ、続きが見たいな。」


今日は特にアイディアが思いつかず、無意味に1日を過ごし、気付いたら夜になっていた


【T氏】

「夢の続きが見られるかな。」


T氏は夜10時に就寝した。そして夢の続きが見れた


【T氏】

「セシリアは原作とは違ってハルバート学園じゃなくて、聖ロイヤル女学園に行ったのか。」


原作には登場しない架空の学校に入学したセシリア、ここは王族の殿方でも入ることができない男子禁制の女の園である


【T氏】

「おお、セシリアは演劇部に入ったのか。やはり前世の影響かな。」


セシリアとともにシルビア・レインとエリナ・アーカードという原作に登場しないキャラも登場した。そしてセシリアは見事、男役を獲得し、初舞台で一躍有名になった


【T氏】

「やはり現役の役者さんは違うわ。」


私は舞台を見るのは小学校の学芸会くらいしかありませんでしたが、見応えがある劇でした。劇の影響か、セシリアは同性の御令嬢からアプローチをされていた


【T氏】

「うらやましい。」


自分はどっちかというとモテる方ではないので、セシリアのモテっぷりにジェラシーを感じた。そして月日が立ち、セシリアは演劇部の部長になった。そして新学期がスタートし、部活の勧誘が始まった。セシリアも演劇部の勧誘を始めました


【T氏】

「え、えええええええ!」


何とヒロインのアーシア・インジェントが入学していたのである。更に演劇部に入部したいと言ったのである。理由はセシリアの男役に見惚れて、この学園に入学したそうである


【T氏】

「おいおい、この先、どうなるんだ!」


私は続きを期待したが・・・・・ピピピピピピピピ、カチン!


【T氏】

「いいところだったのに。」


再び朝を迎えた。T氏は夢の続きを日記に書いた


【T氏】

「続きが楽しみだ!」


T氏は夜が来るのを楽しみにしていた


【T氏】

「別に夜じゃなくても昼寝すればいいじゃん。」


T氏は昼食を取った後、昼寝を開始した。そしたら夢の続きが見れた。アーシアは演劇部に入部し、必死に練習をしていた。練習の合間にセシリアにアプローチをしていた。そんなアーシアのことを快く思わない同級生がアーシアの靴を隠したり、教科書を破ったり、陰口を叩かれたりした。アーシアはどんな苛めにあっても我慢し続けた。黙って見ている自分の心の弱さに嫌悪感を抱いた。そんなとき、セシリアが苛めを行っていたアーシアの同級生たちを学園に追い出したのである。自分にはできなかったことをセシリアはやってのけたのである。そこからは二人は急接近して、セシリアとアーシアは姉妹の契りを結んだ


【T氏】

「あ、これ百合だわ。」


百合アニメに出てくる女の子同士の恋愛物を見ている気分だ、正直、悪くなかった。そこからはセシリアのモテっぷりに拍車がかかり、完全に百合ハーレムを形成した


【T氏】

「キマシタワー。」


セシリアが百合ハーレムを形成した瞬間、目を覚ました。時計を見ると夕方の4時だった


【T氏】

「百合も悪くねえな。」


そこからは昼寝と早寝を繰り返し、夢の続きを日記に書いた。まるで何かに取り憑かれたように日記に書き記した


【T氏】

「続きを書かなければ。」


正直、昼か夜かも分からないほど、夢の続きを書いていたら、突然意識を失った


【T氏】

「ん、ここは。」


そこは辺りは真っ暗な世界だった


【T氏】

「ん、あれは。」


そこに一点の光があった。その光に向けて歩くと・・・・


【T氏】

「なんだこれは。」


そこはまるで裁判所のような部屋だった。そこにある人物が立っていた


【T氏】

「あれって、ノエル・シュヴァリエ!」


そこにいたのは、王太子のノエル・シュヴァリエだった。だが着ている服は、葬式で亡くなった人が着る死に装束だった


【T氏】

「なんでここに、ノエルがいるんだ?」


最初は訳が分からず、戸惑っていると、全身真っ黒の服を着た男が入ってきた


【冥界の看守】

「女帝様のおな~り~。」


男がそういうと、いつ現れたか知らないが、閻魔大王と同じ服を着た妖艶な女性が座っていた


【冥界の女帝様】

「ノエル・シュヴァリエ、貴様は殺人、暴行、強姦、窃盗、器物損壊の罪がある。よって貴様は永久地獄巡りの刑に処す!」


妖艶の女性が放つ威厳があり冷酷な判決にノエルは・・・・


【ノエル・シュヴァリエ】

「お許しを!どうかお許しを!」


ノエル・シュヴァリエは涙目で許しを乞ていた。というかお前、どんだけ罪、重ねてきたんだよ!


【冥界の女帝様】

「じゃかあしいわ!おどれがしてきたことがそのまま返ってきたんじゃ!まだ文句あんのか!そんな分からず屋には親子仲良く、地獄を味わってこい!」


【T氏】

「こ、こええええええ。」


突然の豹変ぶりに完全にビビってしまった。もしかしてここって閻魔大王の裁判所か!もしかして俺、死んだのかと戸惑っていると、ノエルのそばに国王と王妃が現れた


【ミカエル&レクス】

「あ、ようやくおわ・・・ノエル!」


【ノエル・シュヴァリエ】

「父上、母上!」


【冥界の女帝様】

「親子の感動の再会ね、では永久地獄巡りにいってらっしゃい。」


それを聞いた3人は・・・・


【ノエル&ミカエル&レクス】

「どうかお許しを!お許しを!」


【冥界の女帝様】

「おらあ!とっとと連れてかんかい!」


親子3人は黒服の男の持つ鞭で叩かれながら、そのまま地獄巡りの門へと入った


【冥界の女帝様】

「おい、そこのお前。」


【T氏】

「え。」


【冥界の女帝様】

「お前だよ。」


【T氏】

「わ、私ですか?」


【冥界の女帝様】

「他に誰がいるんだ?お前が死ぬのはまだ先だから、とっとと帰れ!」


冥界の女帝様はそういうとT氏の足元にぽっかり穴が開いた


【T氏】

「ウワアアアアアアアア!」


そのまま穴に落ちたのである


【T氏】

「あれ。」


気が付くと、床に寝ていた


【T氏】

「夢か?」


私は一度、日記を見たら、全てのページが書き記していた


【T氏】

「とりあえず書いてみるか。」


私はパソコンを開き、文章を作成することにした


【T氏】

「とりあえず、題名は・・・・【男装令嬢は舞台で舞う】でいいかな。」


めでたし、めでたし


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男装令嬢は舞台で舞う マキシム @maxim2020

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