El día de Sora/そらの一日 神奈川ver 

Kohr.435円

第1日目 カキが目にしみるぅ

El día de Sora/そらの一日


Luz.438円


第1日目 カキが目にしみるぅ


ジャンル/ヒューマンドラマ、日常系


 あらすじ/神奈川県いずみ屋駅近くにあるお店、南天屋の南天と、そのお隣さんのペットショップの娘でおさ馴染みの小雀空木の優雅で面白いお話。今日は、休憩がてら葵のお裾分けのカキをみんなで食べることになったのだが......?



登場人物  南 天 (南天ポン菓子屋現七代目店主)


      


      小雀 空木(天のおさ馴染み)



      紅葉 葵(宝くじ売り場店主)



      南 かんな(天のおばあちゃん)



計4名 女性



第一日目 カキが目にしみるぅ



夏、いや夏ももう終わり秋。



だが、まだ暑い日が続いていた9月頃だった。



         


           ◇◇◇



いずみ屋駅近く、駅をでてすぐ左に曲がり数メートル進むと「南天屋」がある。そこは長く続いているお店だ。数年前は、南かんなというおばあちゃんが六代目店主を努めていたが、身体を壊し、今は孫娘が七代目を継いだ。



すこし古い民家のような風貌のお店だ。



そのお店の扉を開くと、そこには南天ではなくポン菓子が売られている。いわゆる昔の駄菓子屋みたいなお店だ。南天屋はポン菓子しか売ってないお店だ。ポン菓子とは、にんじんと印刷されたポリプロピレン包装されたお菓子で、米などの殻物に圧力をかけた後に一気に開放することによって膨らませた駄菓子だ。味や食感はシリアル食品に近い。



そのお店のレジ近くでいつも店主は座ってお客さんを待っている。



この辺の地域では有名なお店だ。



          ◇◇◇



南天屋店内にて



〈天〉んー、12時なのにだれも来ない...... てか、腹減った



と、そこに扉が開く音が聴こえる。



〈天〉おお! いらっしゃい!



〈空木〉おっす! おっはよう!



〈天〉って、お前かよ!



〈空木〉ん? なにが? どうした?



〈天〉なんでもねえよ



来たのはお客さんではなくお隣の空木だった。



小雀空木、21歳。天とは家が近くで、昔からの付き合いだ。この人は一言でいうと、ビッチ? いや、レズ? 昔から不思議な変人だ。空木は天とは違って、髪の毛をひとつ結びをしている。しかも、髪色は深い青色をしている。天と同じギャルでもある。いつも明るく、元気な女性だ。天の事が大好き。お互い生まれたときからしっている。空木は隣の家、ペットショップの娘でお仕事をしている。今はペットショップを手伝いながらブリーダーのお仕事をしている。動物と子供好きである。



〈空木〉そら、おばちゃんは?



〈天〉奥で寝てるよ



〈空木〉そっか、ちょっとあがんね



〈天〉おう



空木はそういうと、奥の居間に入っていった。



その瞬間、またお店の扉が開く音がした。



〈天〉おおお! いらっしゃいませ!



〈葵〉おっはよう!! そら、いるか? いるな!?



〈天〉なんだよ! お前かよ! お客さんかと思ったろ!



〈葵〉は? 何怒ってんだよ、そら



〈天〉うるせえ! 用がないなら帰れ



〈葵〉まあまあ、せっかくこれお裾分けしにきたんだから



〈天〉お裾分け? なに?



〈葵〉柿だよ



〈天〉カキかー、ありがとう



この女性は紅葉葵。天と空木と同じ21歳で、高校からの知り合い。この人女性らしい女性だ。黒髪で、ストレート。背は高め、なのにおっぱいも大きくてかわいい。でも怒らせると怖い。メガネをかけている。清純派の女性だが、高校のときは空手をやってたので、凄く強い。ちなみに天も空木も空手経験者。


葵は近くにある宝くじ売場の経営者でもある。葵の家が宝くじの仕事を昔からやっていたそうだ。



〈天〉じゃあちょっと休憩にするか、奥で食べよう、そらきもきてるよ



〈葵〉おっ!そらきもいるのか? おじゃましまーす



2人は、奥の居間に上がった。



〈天〉そらき、葵きたよ



〈空木〉ん? おお、あおちゃん!



〈葵〉やあ、そらきちゃん



〈天〉葵にカキもらったから、切ってくるわ



天は、台所でカキを切りにいった。



空木と葵は座った。



お店の奥は和室のようになっていて、台所があって、休憩がでるようになっている。



〈かんな〉そら、わたしが切ろうか?



そこにおばあちゃんがきた。



〈天〉おばあちゃん、大丈夫なの?



〈かんな〉大丈夫よ、そらきちゃんも葵ちゃんもきてるなら行ってあげな、わたしが切るから



おばあちゃんはすでに起きていたようだ。



〈天〉わかった、ありがとう



天は2人のところに向かった。



〈葵〉あれ? カキは?



〈天〉いま、おばあちゃんが切ってくれてる



〈葵〉そっか



すると、おばちゃんはカキを持ってくる。



〈天〉おばちゃん、ありがとう



〈かんな〉おばあちゃん、ちょっとお隣さんのところに用があるから行ってくるね



〈天〉うん。気をつけてね



おばあちゃんは、お店をでて、そのお隣さんの家に向かった。



天たちはカキをつまようじに刺して食べた。



〈天〉ん......このカキうまいな



〈空木〉うん! 美味しい~!



〈葵〉昨日な、いとこに花御所柿って甘い品種のカキをもらったよ、いっぱいあるからまた持ってくるね



〈天〉おう! ありがとうな!



〈葵〉ねえ、そら......き



〈空木〉ん? なあに?



〈葵〉じつはあなたににもお裾分けするものがあるの



〈天〉え?


〈葵〉この前、面白いものを見つけてね......



〈空木〉ん? 私に? なに?



〈葵〉これよ



葵はポケットからある物を出す。



〈葵〉これを持ってきたわ



空木は顔を近づける。すると、葵は突然空木の目にスプレーをした。



〈空木〉ぎょやわぁぁすらまっぱぎ~!!!



〈天〉わははは!!



〈空木〉なにすんねん! お前!



と、空木は強く葵をビンタした。



〈葵〉げふっ......あ、ありがとうございます......



〈空木〉ありがとうじゃねえし!



〈空木〉それなんなんだよ!



〈葵〉あ! これ? これは次亜塩素酸水のカキスプレーだよ!



さっきまで釣り上げたあとの魚みたいにピチピチしながら倒れてた葵が笑顔で話す。



〈空木〉しらねえし! じあえん? なんだよそれ!



〈葵〉大丈夫よ! このスプレーは目に入っても大丈夫なものだから



〈空木〉そういう問題じゃなぇ! なにしてんだよ! いきなりー!



※よゐこは真似しないように



〈葵〉だって、そらきちゃんなら大丈夫かなって?



〈空木〉このぶりっ子悪魔女が!! どういう発想で、私なら目にかけても大丈夫になるんだよ!



〈葵〉え? だってそらきちゃん化け猫だから、まあいいかって! 人間じゃないし



〈空木〉ふざけんな!!



〈天〉あはははは!! やばい腹いてえ......し、ぬ......



〈空木〉そらは笑ってんじゃねえよ! 助けろよ



〈天〉むり......



天はひたすら腹抱えて笑っていた。



〈葵〉じゃあこのスプレーあげるね



〈空木〉いらねえよ!



葵はスプレーを空木に渡す。



空木はごしごしと軽く目を擦ってた。



〈葵〉そらきちゃん!



〈空木〉なんじゃあ!



〈葵〉そんな擦ってはいけないよ



〈空木〉誰のせいじゃあ~!



〈空木〉くそ~、カキが目にしみるぅぁ~



空木は涙を流していた。カキの涙を。



ー #1 カキが目にしみるぅ ー 続く

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