8スラ ポケットがクマでいっぱい! スライムさん
「んしょー」 ポイッ
「んしょー」 ポイッ
只今、ベルがエプロンドレスのポケットにくまかぞく(仮)を格納中。
――時は遡る。2分くらい。
「ベルどの。御身の服についている、その袋はどのようにお使いになられるのでしょうか。」
ちんまいくまの口調がだんだん違うベクトルに行こうとしているぞ。
ちなみに、長老ちんまいくまの台詞だ。
いや、見てくれ同じだけどメインで喋ってるから長老(仮)なのだ。
「んゆー? ふくろう?」
「そりゃ、トリだ。おまえのポッケのことだよ。」
「ぽっけー! いろいろはいるっ! いっぱいはいるっ!」
「ほうほう、沢山入るのですな。これは興味深い。」
「はいるー?」
「よろしいのですか! では!」
ちょうろうが ポッケにはいりたそうに こちらをみている
また…!また尻アーナがヒュンッしそうなセリフ来たっ!
訴えないでください!
訴えないでください!
ちなみにくまかぞく(多数)はいまだにベルの戦国刺突小枝にもっさりしている。
重くない?あー精霊系は質量ほとんどないんですか。この引き金はかる~いんですね。
長老(仮)、ベルにつかまれポッケにポイッ!
「おおー!これは良いこれは良いですぞー!」
「えー、ホントにポケットの中がいいの? 不思議ねぇ。」
「狭いとこ好きなんじゃねーか? くまの足元陣取ってたしな。」
お喜びの長老(仮)。
おや? もっさりくまが ポッケにはいりたそうに こちらをみている
だから!危険なんだって!著作権が!
古参ファンも怖いんだって!
「みんなもはいるー?」
「コクコク」「こくこく」「コクコク」「はいる」「もう…シて」「ダンジョンは攻略だ」その他もろもろ
なんか、スライムさんの秘密12番が活躍しそうなセリフがあったがスルー推奨。
そして、冒頭へもどる。
「んしょー」 ポイッ
「んしょー」 ポイッ
「さいごー」 ポイッ
「んふー! おわったー!」
ベルさん鼻息荒く作業を終えて満足気だ。本日のMVPは彼女だ。
お立ち台の上で賞金書いたプラカード渡されスポンサーから車がもらえるぞ。
そして。
ポケットがクマでいっぱい。
つーかみっちり詰まってる。
みんな頭だけ出してる。30クマくらいおりマッスル。
いつの間にか増えた。いや、ほんといつの間に。
すごいマターリしてるなちんまいの。
端っこのちんまいのが圧迫されて口からプシューと逆流してますがな。
虹かかってますがな。
ポケットから虹がいっぱい。
天気予報から局地的に著作権注意報が発表されてます。
「おー、地霊ども。おまえら最初小枝に引っ付てた数から増えてねぇか?」
「ええ。外部環境で安定する数に増えました。」
「分裂? 違うか、同位体を呼んだのか?」
「いえ。交尾です。新しく産み出しています。」
「は?」
「んゆー?」
「え? こ、こうび?」 ローズさん顔赤クナッテマスヨ
「はい。雌雄の交合です。先ほどから若い者がずっと励んでおりますよ。ほら今も」
ポッケの中でもーぞもぞ。
イッツ!コミカル!
前回ベルがもぞもぞ言ってたのはこれかいっ!
んだけど子供に見せて言い絵面ではない。
…まてよ、動物番組とかだと写すよな。子供が見る番組で。
ん?問題ないのか?R15すらいらないんじゃないか?
むしろ12番はR18だな。くそっ、だから描写がなかったんか!
「あ? あー、そうだった。精霊は精霊体同士が結合して混ざった部分が新個体になるんだったか。」
「だから一気に同レベルの個体が増えたんだな。」
ちんまいやつら、高度な特殊プレイを片手間にしておったわけでございますな。
どこの需要がターゲットだよ!
なるほど、先ほどのスルー推奨は戦闘開始前だったのな!
いやー、解決解決。してねーわ!
でもちんまいくまだしなぁ。
特殊需要しかないんじゃないか?
……OK、OK!セーフ!オーキードーキー!
たぶん、天の声も見逃してくれる!
「んふー♪」 つんつん
「んふー♪」 ぎゅー
なにやら幼児がくまかぞく(仮)を小枝でツンツン、手でギューッと圧迫してやがります。ブドウ潰すみたいになってんぞ?
あれだね。民族衣装を着たうら若き乙女が大タライに敷き詰めたブドウを素足でフミフミするイベントっぽいね。
踏み潰されるブドウの気分を味わうM族と、乙女の素足で絞ったワインを喜ぶ特殊性癖族の2種族がヨロコブ良イベントとして観光収入アップだね。
後年、乙女はミニスカになり、たくし上げたスカートからチラリする秘密の花園目当てのチラリスト族までカバーしたらしい。3種族制覇!書き文字バーン!
うん。
潰れる、潰れるから!ちんまいのグチャアってなるから!ちょっとベルさん!
って、なんで恍惚の表情なの?ちんまいくまかぞく(仮)。
「おいおい、ベルさんや。クマが潰れちまうぞ。つーか何してんだおまえ。」
「もっとはいるのー。」
「もうちんまいのはいねーぞ? ぎゅーすんなよ。プッチンなるぞ?」
「いえ、我々の事はお気遣いなく。とても良い圧迫でございます。もう少し強めでも差し支えございません。」
「…………そうか。それは良かった?な。いちいち種族の習性にツッコミは入れたらいかんな。」
「え? いいの? これいいの? 本当、大丈夫なの?」
「ぴよこさんはいるのー。」
「え? ヒヨコ?」
「ん?ぴよこだって?」
ぴよこ?そんなキャラ出してねぇでございますよ。
「うん。ぴよこー。」
ベルさん指さします。
その先は…コケッ子の植木。
なんかいる。
黄色い丸いのが。
微動だにせずこっちをジーーーーーッと見てるぞ。
怖っ!
「黄色いのいるーー!」
「…いるなぁ。ぴよこだなぁありゃ。」
「ぴよこー♪」
ぴよこに手を振るベルさん。
なんか片羽をビシッと振り上げお返事してますよ?なにその知能。
「ぴよこさーん! あそびましょー!」
ぴよこを見つけた幼児。大音量の野外放送を敢行。
ほら、驚いてビクッとしてますよ?ポケットのちんまいのが。
一糸乱れず一斉に上を見上げています。
なんか怖っ!
養鶏場の大量に並んだケージにみっちりコケッコが物音で一斉にこっち見た恐怖に通じる。
( ゚д゚)| ( ゚д゚)| ( ゚д゚)| ( ゚д゚)| コケッ
(゜д゜)彡|(゜д゜)彡|(゜д゜)彡|(゜д゜)彡| ズザッ
こっちみんな。
あ、ぴよこがこっち来る。
足の動き早っ!身体上下してねぇ。見た目ホバー起動なんすけど!
貴様!黄色い三連星だな!(残り2ぴきは私用で休み)
「ピヨッ!」
片羽あげてご挨拶。
「ぴよこさん、こんいちわ!」
片手あげてご返答。
ポッケのちんまいくまかぞく(仮)も片手あげてご返答。
キミら、その一糸乱れぬ動作は怖いからやめてくんない?
だいたい15cmくらいの黄色まんじゅうに10cmくらいの潰れまんじゅうが乗っかったような丸い黄色玉。
それに短い脚がちょこりと付いている。
縦の丸さが少し強調された鏡餅を思い浮かべてくれたまへ。だいたい近いから。
「うわー…ほんとにヒヨコだぁ…。」
「精霊かと思ったら、ぴよこ鳥のヒナか。こんなとこで珍しいな。」
「ぴよこ鳥っていうの? 初めて見るけど。」
「人が呼ぶ名前は知らん。オレはぴよこ鳥って呼んでるだけだ。こいつらフジサーン山の樹海にすんでんだ。人里じゃ見れねぇよ。」
「へー。珍しい子なんだ。」
「こいつら面白くてな。生まれた時から姿形がかわんねーんだ。そのまんまでっかくなって、ほら、あそこのコケッ子の植木くらいに育つ。」
「うわー、そんなにおっきいくなるんだ。あんな丸いと飛べるのかしら?」
「おう、やつらどうなってんのかちっさい羽根で飛ぶんだよな。すんげー速さで熊とか猪とか体当たりして倒す。」
「え!? そんな獰猛なの? あのヒヨコあぶなくない?」
「あー、こっちから攻撃しなきゃ平気だ。普段はなつっこくて温和だしな。」
コケッ子植木は高さ2mくらい。
2mのぴよこ?でかっ!それが高速体当たり?もはや交通事故です。
キングオブぴよこってか。いや、ぴよこ番長と言った方がよいか。
ぴよこ番長。
なにそれ、強そうなのに弱そう。
「ぴよこさーん。はいるー?」
「ピヨッピヨピヨ! ピヨッピヨヨ! ピヨッピヨッ!」
「ふーん、そっかー。」
「なんだ、ベルはぴよこの言葉がわかるのか?」
「うん! ぴよぴよいってるよ!」
「あ、うん。ピヨピヨ言ってるよな…」
幼児に言葉の壁は存在しない。全てが自動解釈なのだ!
言葉の本意なんて関係ないのさ!
そして。
おもむろにぴよこを抱き上げポッケにゴー!… to HELL!
「んふー!」 ムギュリ クマ―
「んふー!」 ムギュリ ピヨー クマ―
「はいった!」
「ピヨー!」
喜んでる喜んでる。ベル&ぴよこは片手(羽)をあげてピョンコピョンコと48の感嘆技のひとつ「センセイシツモンデスピョコンタ」を披露した。
いや、ぴよことダブルだから、連携技の「センセイシツモンガピョコンタタン」が正しい。
ポッケのちんまいくまかぞく(仮)はもごもご蠢いている。
あ。端っこのちんまいヤツがまたリバースした。
あ。となりで貰いリバース発生。
虹セカンドおよびサード発生。
ポケットが虹でいっ…ハッ!危ないところだった。
即死する台詞が出るところだった。
くそ、オレを亡き者にしようとするゴムの秘密結社の仕業だな!
なにかある度に、後留ゴムの仕業だ!って言えば全て片付くんだぜ!
読み仮名ふればオレが大いなる意思に片付けられるがな!
ちなみに今回は地の文でスライムさんヨイショはしてないんだぜ?気付いたかい?
だからナンだとか言うな!泣くぞ、2丁目の浜口さんが!誰だそれ!
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