第163話 普通の眷属?オハナの眷属は全員普通ですが何か?
集団で攻略しに来たプレイヤーさんたちを、オハナはいつものようにリラックスしながらモニタリングしていると不思議に思う事があった。
「どうしてあの子たちは自分たちを攻撃させて即死攻撃を誘発しないんだろう?」
そのせいで随分な数の眷属たちがたった数人のプレイヤーさんたちに引き付けられてしまって、向こうの数を全然減らせていない。
彼方に攻撃の意志が無いのは明白、それならさっさと即死攻撃を発動させた方が効率的なはずなのに………?
「同族を躊躇い無く攻撃できるのはオハナ様が異常者――――――失礼。上位者であるからでしょう」
「サンガ!?今オハナの事異常者って言ったよね!?」
失礼過ぎるわ!!リラックスしてるところを突然刺さないでくれないかな!?
言い直しても手遅れだし、全部言っちゃってるようなものじゃないの!!
サンガってば常日頃からオハナの事そんな風に思ってたの!?
「すみません。言い間違えました」
「AIのくせに何言ってるの?」
そんなので誤魔化せると思われてる?
「新たに追加された機能なんですよ」
「そんな無駄な機能即刻破棄すれば良いと思うの」
そしてそんなロクでもない機能がホントに在ったとしても、それをオハナで試すんじゃありません。
しかも天敵の3号が居ない時を狙ってとか、もうコレ確信犯だよね?
ハイどうも~。
突然サンガに刺されてビックリのオハナです。
ギュンッ!!?っと急ハンドルで話が逸れて行ったのを、オハナが上位者だからってところまで遡る。
「基本味方への攻撃は通りませんが、それはプレイヤーの方々の間にしか適用されない事象です。それを抜きにしても同族を攻撃して即死攻撃を誘発するという発想に至るのが実にオハナ様らしいですよね?最上位者であるオハナ様がそうした行動に出るからこそ眷属の皆様も受け入れざるを得ないのでしょう」
ほうほう。それでオハナを異常者と?
サンガはそんなに戦争を御所望か?不毛だからあまりやりたくはないけどね!?
「単純にあの子たちの戦闘経験が足りないだけじゃないの?」
ぶっちゃけて言うと、あの場に1~4号のうちの誰か一人でも居れば群がる眷属たちを攻撃して即死攻撃を誘発してそうなのが想像し易い。
何て言うかあの子たちは………まだまだ温いように見えるもの。
「………その可能性も考えられますね。思えばダンジョンは彼らにとってある程度有利に整えられた環境………もしかするとダンジョン内での戦い方が彼らの中でパターン化されてしまっているのかもしれません。オハナ様直属の眷属の皆さまもダンジョンで働くプレイヤーの皆さまもとても戦力として頼りになりますから、ついいつものように行動してしまっているのかもしれませんね」
今まではそれで何とかなってきたのかもしれないけど、今回に限ってはそれじゃ困るんだよねぇ………。
「まぁ彼方が普通の眷属に近しいだけなのかもしれませんが――――――」
「うん?何か言った?」
「いいえ。何も」
これからどうしようかと考えてるとき、サンガが何か言った気がしたのだけれど気のせいだったみたいね。
それじゃあ改めてこれからどうしようかな~………こんな大掛かりな進攻なんて初めてだから、このままいつもみたく全滅させちゃうのは何だか惜しい気もする。
多分だけどオハナ眷属だけで何とかなると言うか、何とかしちゃえる気もするし、オハナダンジョンメンバーの皆が居ないなんていうのもなかなか無い機会だ。
――――――………う~ん………よし!決めた!
オハナはダンジョンマスターの権限を行使して1~7号だけを秘密裏に呼び出した。
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