第159話 こうしてオハナダンジョンの難易度は上がる
「ねぇサンガ?」
「な――――――か?――――――ま?」
別にサンガが壊れたわけじゃないよ?コラそこ!!「とうとう」とか思わないように。
ただ間に雑音と言うには可愛らし過ぎる轟音が響いて聞こえ難いだけだからね。
サンガの方はオハナの声が普通に聞こえてるみたいなんだけど、ノイズキャンセリング機能でも付いてるの?
もしそうだとしたら今はその機能が普通に羨ましいかも。
「ダンジョンってある程度は壊れるけど、完全に崩壊しないように破壊不能オブジェクトでがっちり守られてるはずだよね?」
「ハ――――――が?」
ホント何言ってるかさっぱりだけど相槌を打ってると思っとこう。
「その割にはさぁ………揺れとかも凄いんだけど?」
「そ――――――ムさ――――――が――――――と」
会話不能。誰か通訳プリーズ!!
ここまで会話を不能にさせる音の正体、それはプリムさんにあげたハンマー(杖)が原因だった。
「つまりオハナのせいやん!」とか言わないでほしい。
オハナだって想定外だったんだもの。
オハナダンジョンの構造上、大人3人くらいが横並びで歩ける程度の洞窟だからか音が良く響く。
そこにプリムさんのハンマー(杖)が何かに当たる度に小さな爆発と共に轟音がする仕様だったんだもの。その威力は攻撃力が高いからダンジョンの壁や床(地面)に当たればクレーターが出来るほど。
何が一番困るってプリムさんの傍に居る者にとっては敵味方問わず凶器にしかなってない点。
まずハンマー(杖)自体が威力高めの物理攻撃、それを躱しても直後に響く音響兵器のような爆砕音、敵も味方も連係も何も執れたもんじゃない。
そしてダンジョンの壁や地面を破壊した時に生じた石、なんとこれにも攻撃判定があるらしくて周囲に当たれば敵味方問わず微ダメージを与える。
この時一番身近で喰らっているはずのプリムさんが全くダメージを受けないのは何か納得がいかない。
で。
頭の良い人はもう気付いたかもしれないけど、石が出るって事は砂煙或いは土埃なんかも出るって事でその場に居れば当然視界が確保し辛くなる。
聴覚に次いで視覚まで一時とはいえ封じられて、そうなればもうそこはプリムさんの狩場になる。
だってこのゲーム、基本味方に攻撃は当たらないんだもの。
オハナダンジョンに闇の聖女(バーサーカー)が爆誕する結果になったけど、オハナは何も悪くないよねぇ?
寧ろ一緒に居るとプリムさんに攻撃されてトラウマになりそうだからって理由で、カナきちとホタルちゃんにはプリムさんに同行するのは禁止にしたオハナは褒められるべきだよねぇ?
そんなこんなで今日も元気にプリムさんはハンマー(杖)を振るってるわけですよ。
オハナが居る場所まで会話不能になってるから今日は上の階層だな~とかが理解出来ちゃう。
まぁプレイヤーさんたちには戦闘音でプリムさんの居場所はバレバレだろうから、上手く回避してね?って心の中で激励しておく。
そんなことよりもダンジョン村から騒音と振動でいつかクレームが来そうだよね………これから先プリムさんのハンマー(杖)を強化するとして真っ先に求めるモノが騒音対策になるかもしれないなぁとか考えて現実逃避。
そうそう。
プリムさんだけじゃ防御面で不安だから5号を付けてるよ?
多少のダメージではびくともしなくて自分で回復も出来るからプリムさんの負担にもならない、我ながらベストチョイスだったと思う。
オハナ眷属の眷属たちが投石や砂を使っての目つぶしを多用し始めたのもプリムさんの影響かな?まぁ7号に比べたらそんなの可愛らしいものだから放置で良いよね。
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