第130話 3号への厳罰を考えてみる
厳罰、厳罰かぁ………。
オハナ眷属たちへ罰になる事なんてあるのかしら?
何でもウェルカムで受け入れそうなんだけど?
ヤだからね?第二第三のクロードを製造するのなんて――――――。
おぉぅ。考えただけでもオソロシオソロシね。
はい、どうも~。
サンガから厳罰要求されて考えてはみたものの、オハナにとって破滅的な想像をしちゃってちょっと鬱気味なオハナです。
「――――――私が居ない間にそんな大変な事になってたんですね」
サンガの提言の翌日、普通にログインしたプリムさんに事情説明。
ちょっと愚痴っぽくなっちゃったのは許してほしい。
3号とは仲が良いプリムさんにしてみれば複雑だろうけど………。
「3号は暴走しがちだけど正直まだ7号に比べれば可愛いもんなんだよね」
「7号ちゃんの厄介さは………独特ですものね」
実はプリムさんも度々杖を狙われているだけあって7号には手を焼かされているうちの一人、因みにもう一人はコテツさんであっちは剣を狙われてる。
何故かカナきちが持ってる魔導書的な装備には目もくれない、7号なりのラインがあるんだろうね。
ダンジョンメンバーへの被害はさすがに見過ごせないから、ダンジョンマスター権限を行使して味方への窃盗行為及びそれに準ずる行為は禁止させてもらった。
「7号なら蔓で作った檻にでも閉じ込めて、ギリ手が届かない処に気に入りそうな装備品をぶら下げて暫く放置しておけば、それで罰になりそうなんだけど他の子たちとなると………」
「オハナさんから暫く無視される………とか?」
それはオハナも考えた。
けど眷属たちを無視するくらいなら外に出さなきゃ良い話で、だけどそうしてダンジョンの戦力を減らしてダンジョンメンバー皆の負担を増やすのが厳罰?何か違う気がするんだもの。
「………何かそれをすると意地でもオハナの気を引こうと余計な事しそうじゃないですか?」
「うふふ。愛されてますよね」
秒で納得されて否定もしてくれなかったよちくせう。
笑い事じゃないんですけど?
愛が重い。
自惚れだとか冗談とかじゃなくって重い、激重だ。
だから下手な事は出来ない、周囲への余波、影響を考えないとね?
いつになく慎重だって?
慎重にもなりますよ、だって相手はよりによってオハナ愛超級の3号なんだもの。
「何か良い感じにシュッとまとまる様な………それでいて誰の眼にも判り易い罰っぽいものがあれば尚良いんですけど」
「そう都合よく思いつきませんよね」
プリムさんと二人、途方に暮れた視線の先で7号が4号眷属たちに追われていた。
また何か装備品を穴へ落としてそれが4号を掠めたに違いない。
ちょこまかと逃げ回る様子を何となく目で追っていると、
「………そういえば7号ちゃんっていつまで〖マンドラゴラZ〗なんですか?」
プリムさんからふとした疑問がとんできた。
…………………………………確かに!!!
もう進化するには十分過ぎるくらいの経験値を得ているはずだし、進化したいって言ってきても良い筈なんだけどその気配が無い。
大方装備品の蒐集に忙しくしていて、7号自身もオハナに言いに来るの忘れてるんだろうなぁ。
待って?
進化?
そうだ!進化だ!!
どうしてすぐに思いつかなかったんだろう。
3号が7号みたいに固執して、決して譲らなかったものがあるじゃない。
その事はオハナダンジョンに居る皆が知っている。
「ありがとうございます、プリムさん。おかげで3号への厳罰が決まりました」
「え?そうなんですか?」
「はい。3号にはオハナとは違う道を歩んでもらいましょう」
これ以上に判り易くて、3号以外に被害の無い罰は無いよね。
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