第129話 サンガの進言
ハイどうも~♪
二人の受け入れが無事終了してほっと一息のオハナです。
これからは何かあればサンガを通すように言ってあるし、サンガにも二人を気にかけてあげてってお願いしてるから多分何かあっても大丈夫でしょう。
………うん。きっと大丈夫、そう決めた。
あ、今出来るだけなんだ………って思ったでしょ?
オハナとしてはサンガにちょっかい掛けるのを全面禁止にしても良いんだけどね?
それをするとさ、ダンジョンに挑みに来たプレイヤーさんたちが次の犠牲者になると思うの。
そうすると何が起こるかって言うと、コテツさんやワヲさん、ホタルちゃんやカナきちといったオハナダンジョンメンバーが経験値を稼げない問題が発生しそうなのよ。
此処で敢えてプリムさんの名前を外したのは、プリムさんには回復魔法があるから味方の治癒だけでも経験値は入手可能だからで深い意味とか無いよ?無いからね!?
サンガには悪いなぁって思ってるよ?
でもサンガもうすうす今言ったような事には気付いてるっぽいからオハナに「眷属たちを絶対に手出しできない様にしろ」とは言って来ない。
せいぜいオハナにぶちぶちと文句を言う程度におさめてくれてる。
ダンジョンの成長を第一に考えるようにデザインされてるサポートAIとしての思考回路なのかもしれないけど、オハナは完全にその部分に甘えちゃってるんだよね。
――――――だからね?
「――――――だからって眷属に絡まれてるのを普通に見捨てるのは違くないですか!?」
おぉぅ。いつにも増してサンガが荒ぶっておられる。
絶賛オハナの頬に体当たりしてグリグリしてる最中のサンガ。
「ちょっと!めり込んでる!めり込んでるから!!」
「バッチリこちらを見てましたよね!?何なら目、合いましたよね!?その後何事も無かったかのようにいそいそと何処かに消えましたよね!?」
「だって仕方ないじゃない!!7号オブジェを見た他の眷属たちが御供え物とかし始めて列を作り始めちゃったんだから!!」
「どうしてあんなものに信仰心が興るんですか!?意味が解りません!!」
意味解んないよねぇ?オハナも解らんよ!?
鰯の頭も――――――なんて言うけどさ、ひとかけらの有難味も感じられないアレに眷属たちが列を成してるシュールな光景を見て、ホント「何?このゲーム」って思ったもの。
そして御供え物されてる7号が満更でもなさそうだったのがもう………ね?
文字通り蹴散らしてやりましたけども。
宗教弾圧?
やかましいわ!!
「オハナ様はもう少し眷属の皆さまを御する術を学んでいただきたい」
「そんな方法があるならオハナだって是非ともご教授願いたいですよ」
一先ず頬からサンガには離れてもらって睨み合う。
「まぁ難しいわなぁ。組織ってのはデカくなりゃあなるほどに、統制が執れなくなるもんだからなぁ」
「そうねぇ。今やオハナちゃんの眷属ちゃんたちにも更に複数の眷属ちゃんたちが居て、更にその下にも居るものねぇ」
コテツさんとワヲさんがフォローしてくれる。
「オハナ様の眷属の皆さまは出会った当初から統制とは最もかけ離れた処におりましたが?」
「そりゃ確かになぁ」
「何も言えないわねぇ」
サンガにそう言われて二人とも苦笑気味。
うぬぬ。即座に切り返されてしまった。
「聞けば〖捕虜交換〗の折も眷属の方が暴走して一触即発の雰囲気になったとか、何事も無く済んだから良かったようなものの、オハナ様が何らかの不利益を被ってもおかしくなかった。違いますか?」
ぐぅの音も出ない。
確かに何とかなった、何事もなかった。
勿論後で注意はしたし、3号だって次似たような事態になって同じような事をするとは………するとは………するだろうなぁ多分。
寧ろ率先してやりそうまであるなぁ。
「………それで?サンガは何をどうしてほしいの?」
「厳罰を。オハナ様が優しく甘いだけではないのだという事を、これからも増え続けるであろう眷属の皆さまに示すためにもどうか――――――」
それを聞いた時、サンガはホントはそんな事言いたくは無いんだろうと思った。
サンガの声が特に平坦だった気がしたから。
勿論気のせいかもしれない。
だけどダンジョンのサポートを行うのが主のAIならば、今のは皆の前で言う必要が無い言葉だ。
ダンジョン内がどれだけ荒れていようとも、ダンジョンの実績として優秀であればサンガの立場からすればそれで良い筈で、効率を考えれば眷属たちが好き勝手暴れ回っていた方が管理なんてしなくて良いんだから楽な筈、絡まれるのだってわざわざ姿を見せずにダンジョン内に誰にも侵入出来ない部屋をオハナに用意させてそこに籠っていれば良いだけなのにそうしない。
だから今のはきっと完全にオハナの事を考えて言ってくれている――――――そんな気がして………自惚れて見る事にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます