第123話 藪を突けば魔物だって出てくる世の中
はいどうも~。
いちゃもんをつけてきた人たちには遠慮なく正論パンチ喰らわす系魔物のオハナです。
え?全然正論じゃないだろうって?
オハナ眷属が特殊過ぎるだけ?
異論が色々あるのはまぁしょうがないよ、うん。
今回のは野良犬に噛まれた程度――――――じゃ済まないか。
一般人が道端を平和に歩いてたら、いきなり頭を狙撃されたような………それくらいのものだと思ってもらおう。
うん、その程度♪その程度♪人生『かもしれない運転』が大事だよね?
オハナは毎日『今日は隕石が降って来て会社が跡形も無くなっているかもしれない』って気持ちを奮い立たせて出社してますもの――――――おっと、話が横道に逸れたので軌道修正しとこう。
それにそもそも藪を突いたのは向こうの方ですし?
そりゃ蛇じゃなくて魔物だって出てくるってもんだよね!!
よし!自己弁護完了。
「何故!!?主の指示も無しで動き回っているというのですか!?非常識な!!」
「それじゃ野生の魔物と変わらねぇって事じゃねぇか!!?」
「失礼な!!この子たちはちゃんとオハナの眷属ですよ!!」
「全然手綱握れてねぇのに何言ってんだ!?」
騎士っぽい人が未だ踊っている眷属たちを指差す。
「そりゃあ今はオハナは何も言ってませんからね、あの子たちの好きに行動するに決まってるじゃないですか」
「ダメです話になりません。最初から彼女は手綱を放り投げている」
「それこそ失礼な、いざという時は皆ちゃんとオハナの言う事を――――――」
果たして本当にそうだろうか?…………ふと、そう思ってしまった。
そして思い出すのは進化先を拒否する3号、蒐集した装備品を捨てようとするのを全力で拒否する7号だった。
「――――――………(概ね)聞いてくれますよっ!!」
「今の間が信じられねぇ!!!」
「それだけ間が開いてよくもそれだけ力強く断言しましたね」
まだ何か色々言ってるけども、自我の在る眷属だってもしかすると判り難いだけでオハナ眷属ズの他にも居るかもしれないじゃん。
それを最初っから非常識とかいう言葉で否定してほしくない――――――というか一人くらいは居て欲しい、寧ろ居てくれないかな!?
そうでないと眷属たちの自由さに困ってるのが、このゲーム内でオハナだけになっちゃうからね!!
そんなの嫌だ!!
この苦労を理解して共感してくれる人(魔物)求む。
サンガに次のダンジョンメンバーを募集するときの条件にしてみようかしら………?
ワンチャン誰か来てくれるかもしれない、よし!そうしよう!
「眷属ちゃんたちを見ていると、まだ子どもたちが小さかった頃を思い出しますねぇ爺さま?」
「うむ、懐かしいな婆さまよ。あの頃は本当に毎日が祭りの様だった」
そっか。子育てに精通して最早熟練レベルの二人が居たね。
ほっこりしてるワヲさんとガハハと豪快に笑うコテツさんが頼もしく見えた。
これからちょくちょく相談させてもらおうと心に決めた。
おかしいなぁ?オハナはゲームをしてるだけのはずなのに、ちょくちょく子育て問題のようなものにブチ当たるのはなんでだろう…………?
――――――で。
原理はよくわからないけれど、オハナ眷属は基本的には本能に忠実に動いてる――――――でもって、オハナの言う事も(概ね)聞くんだって半ば無理矢理理解してもらったところで、
「それで?オハナに何か御用ですか?」
今更だけどオハナに近付いてきた用件をまだ聞いてなかったのを思い出した。
本当は聞きたくないんだけど3号がお騒がせしちゃった手前、このまま無視して転移でトンズラするっていうのも………一瞬アリかな?って考えたんだけどね?
(一瞬、ホントに一瞬だけだからね!?)
最終的に転移までの暇潰し程度にはなるかもと自分に言い聞かせて訊いておくことにした。
後になってごちゃごちゃ言われるのも釈然としないんだもの。
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