第58話 今度のイベントは・・・

次のイベントはやるぞぉ~!!!

――――――って気合を入れたまでは良いんだけど、次のイベントがどういうものなのか全く何にも知らないんだよね。

「そろそろ次のイベントやりま~す」って事前に告知はされてるんだけど、内容はまだ秘密みたい。

プリムさん、ホタルちゃん、カナきちも加わって、次のイベントについての期待を膨らませる。


そして漸く、次なるイベント内容の告知がされた。

あー、そう言えば久しぶりにお知らせ開く気がする――――――。



『新商品入荷し――――――!!』



ギャアァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!?


ハァ………ハァ…………危なかった………手元が狂ってついついイベント告知とは関係ないお知らせを開いちゃったわ……………。

全部読み切る前に閉じることが出来たから一命は取り留めたけど、もう少しで一日目課金祭り(前夜祭)、二日目母による血祭(本祭・雨天強行)、三日目何故課金したのかと激しく後悔(後の祭り)が開かれるところだったわ。


『『呼ん―――――?』』(※天使と悪魔)

だから呼んでねぇ!!


オハナ、社会復帰への道はまだまだ遠いなぁ……………。




――――――気を取り直して、今度はちゃんとよく確認してからイベント告知のお知らせを開く。



皆様、お待たせしました。

次回イベント内容をお知らせします……………。



通常世界とは隔離された空間で、その異変は起こった。


無限に増殖する未知の生物、このままでは何れこちらの世界にも悪影響が出てしまう!


この世界に生きる全ての強者たちよ!


此方の世界に影響を及ぼす前に、未知の生物を駆除してもらいたい。


この世界の為に、未知なる敵を駆逐するのだ!!




………………いやー、駆逐するのだ!!と言われましても…………。

あれ?まだなんか続きがある。


※次回イベントは、イベント専用フィールドに限定で出現する敵を倒すとイベント専用コインを得ることが出来ます。

その専用コインと豪華景品を交換しましょう!


世界観だけじゃイベント内容が分かりにくいってクレームでも受けたのかしら?イベント概要の説明が載ってる。

それにしてもコイン集めかぁ………………やる気を持続させるのが大変そうだなぁ……………。

まぁ分かり易いに越した事はないし、シンプルだから強い人も頑張りましょうの人も参加しやすいってのもきっとあるんだろうね。


あれ?まだなんか続きが――――――…………。



『イベントでコインを集めやすくする効果のアイテムがショップにて――――――』



ブルータァァスッ――――――!!!!!!!!

こんな所にまでブッコんで来やがったかぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!?

もうおちおちお知らせ画面も開けないじゃない!!


今度も途中で目を閉じて、出来るだけ本分を読まないようにお知らせ画面を操作して閉じる。

こんなにも危険と隣り合わせだったなんて、イベントって何て恐ろしいの!!(※オハナだけです)





その後、明らかになったイベント内容についてオハナダンジョンの皆と話をしていると、


「オハナ様、先日報告しておりましたイベント中のダンジョン運営について、神様から正式に回答がありましたので報告したいのですが、御時間宜しいでしょうか?」


サンガがいつもの様にふよふよと飛びながら、オハナの前までやって来た。


「あぁ、前にサンガが言ってたヤツね?…………あれ?でも回答早くない?」


それにサンガにしても「回答はあまり期待できない」って感じだったのに、そこまで迅速に対応されると何かあるのかと身構えちゃうじゃない。


「神様の方も元々どうにかするつもりだったのではないでしょうか?そうでなければこの迅速な対応に説明がつきません」


サンガ、一応アンタの生みの親?というか創造主?なんだから、もうちょっと信じてあげても良いんじゃない?


「サンガよう、オメェがそれを言っちまって良いのかい?」

「そうねぇ。言い過ぎて突然初期化とかされたりしないのかしら?」


コテツさんとワヲさんがサンガを窘めると、


「……………報告を致します」


今までの態度を取り繕う様に毅然と話始めたサンガに、ホタルちゃんも苦笑いしていた。


「〖ダンジョン〗及び〖砦〗を運営するプレイヤーの皆さまには、イベント期間中運営を一時休止しても構わないと言付かっております」


「それは日によって参加、不参加が決められるという事ですか?」


「はい。イベント期間中とはいえ参加されないプレイヤーの方々も極僅かでしょうが居られるはずなので、その方たちの為にも〖砦〗や〖ダンジョン〗は解放しておいた方が良いと判断したのでしょう」


ダンジョンするにしても、イベントへ参加するにしてもオハナダンジョン全体で動くことになる訳ね?

そうすると、ふと、オハナの中でムクムクとある野望が目を覚ます。


どうせならオハナダンジョンメンバー総出でイベントに参加したい!!


予定が有ったり、都合がつかなかったりするだろうから、難しい事なのは解ってるけど、オハナダンジョンの皆でイベントに参加出来たら楽しいだろうなぁと思ってしまった。


でもそれがオハナの我儘なのは解りきってる。

言っても予定が合わなければちょっと雰囲気が悪くなってしまう。


「あの!!私、このオハナダンジョンの皆さんでイベントに参加したいです…………」

「じ、自分も!!全員でイベントやりたいっす!!」



ホタルちゃんがいつになく大きな声で話始めたと思ったら、最後の方にはやっぱり恥ずかしくなっちゃったのか消え入りそうな声になっていた。

けどその意見をカナきちが後押しする形で提案された。

ホタルちゃんとカナきちが言ってくれた事はオハナも言いたかったことと同じで、


そして、それは他の皆も同じだったみたい――――――。


「いつまで起きてられるかちと心配だが、いっちょやるか婆さま!」

「えぇ。若い子たちと一緒に遊ぶなんてワクワクしますねぇ爺さま?」

「私も、今回のイベント中は全力で予定を合わせに行きますよ!!」


コテツさんとワヲさんが熱いのは知ってたけども、おぉ………今回はプリムさんまでもが何時になく燃えてるわ。


気が付けば皆の視線がオハナに集まっていた。


全くもぅ、そんな見なくてもオハナが止めるわけないじゃない。


「よーし!全員、全力でイベントで暴れちゃおうか?」


オハナの近くにいつの間にか控えていた眷属たちも揃って頷き、そこからはイベント期間中の予定についてみんなで話し合いを始めたのでした。

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