第54話 第二回オハナダンジョントライアル・・・まだ始まらないだと!?

ハイどーもー!

第二回、オハナダンジョントライアルはっじまっるよ~♪って元気に始めたかったんだけどね?

流石にこれはオハナも予想外だったの。

だって――――――。


参加者の中にプリムさんの色違い2Pカラーみたいな人が居るんだもの!!


「あ、オハナさ~ん♪」


しかもめっちゃ手ぇ振って来てるし。

あれ?でもこの懐かしくもあるフレンドリーさはもしかして………………。


「本当にプリムさんだったりします?」


「はい!色味が違っても直ぐに気付いてくれましたね!」


いやいや、だって色が違うだけで後はまんまプリムさんなんだもの。


「オハナさんも遂に人型になったんですね、おめでとうございます!これでわざわざ死ななくてもいっぱいお話しできますねっ?」


態々死ななくてもって――――――。

あぁ…………このさらっとオハナを死なせることに躊躇しない感じはプリムさんだわ。

プリムさんはそう言ってオハナの手を取って上下にぶんぶん振るもんだから、周囲の人たちが「何事!?」みたいになっちゃってた。



今回オハナダンジョントライアルの募集要項として、


〖レベル30以下の人限定〗

〖魔法が得意な人優遇〗

〖種族・性別不問〗


大きく三つの以上の要望を上げさせてもらった。


まず〖レベル30以下〗っていうのは他の砦攻めしている人たちの邪魔にならないようにっていう配慮。

次に〖魔法が得意な人〗っていうのは、それが攻撃魔法でも補助魔法でも回復魔法でも構わない、もっと言えば〖魔法攻撃耐性〗のようなスキルを有していて、盾役としての運用でも何も問題無いと言える人という注釈も加えた。

最後に〖種族・性別不問〗は言葉通り、上記二つの条件を満たしていれば誰でもOKですよとさせてもらった。


確かにプリムさんは回復魔法が得意っちゃ得意なんだろうけど……………。


まずレベルが47あるんですよ。

それに何故かカラーリングは変わってるけどプリムさんって〖エルフ〗でしょ?

ダメですよ~?〖勇者側〗の人が紛れ込んじゃ――――――なんて警備員みたいなセリフを思っていると、


「もしや貴女はこの間実装された〖勢力変更〗を行った方ですか?」


サンガが初めて見るオハナに超フレンドリーな人物に気後れしたかの様におずおずと質問していた。


うん?〖勢力変更〗って何?


「………………オハナ様……さてはまた〖神〗からの〖重要なお知らせ〗を読んでいませんね?」


〖お知らせ〗?あぁ…………オハナがそんなもの読むわけないじゃない。

だってあそこは魔窟も同じなんだから、引き返せなかったらどうするの?

折角社会復帰出来かけてるオハナが、何かの間違いで〖新商品入荷!!〗みたいな〖お知らせ〗を開いちゃったら、オハナの中の天使と悪魔がカーニバルよ?


『『呼んだ?』』(※天使と悪魔)


呼んでないです。

お呼びじゃないです。


更にその後うっかり手が滑って〖購入〗ボタンを押そうものなら、オハナは現実世界で母親に血祭に上げられること間違いなしだからね。


見える!見えるわ!母親の背中に鬼の貌と『滅殺』の文字が――――――止めておこう、うん。今のオハナでも勝てる気がしないわ。


そういう訳だから、オハナは滅多な事じゃ〖お知らせ〗は開かない事にしている。

間違いがあってからじゃ遅いんだからね!?主に生命が!!


その後、呆れられながらもサンガから説明中――――――………。




そういう事だったのね!!?

〖勢力変更〗システム、プリムさんはそれを使ってわざわざオハナに逢いに来てくれたわけだ。


…………………………。

うあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!

あ゛あぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!


こんなにもプリムさんから慕われてる理由に心当たりが全く無いぃぃぃ。

大丈夫?ねえホントにオハナって慕われるようなヤバい何かを醸し出したりしてないよね?

まだ主な被害者はプリムさんと3号くらいだけど、今後もっと増えたりとかしない?

あ、自分で言ってて嫌な予感しかしないわ…………。



まぁそんな来るかどうかもわからない未来に怯えるより、目の前の問題をどうにかしよう。

まずは――――――……。


「折角来てくれたプリムさんには申し訳ないですけど、今回は〖レベル30以下の人限定〗で募集してますので、例外を認めちゃうとフェアじゃなくなっちゃいます。だからごめんなさい」


縁故採用とか言われないように頭を下げたオハナに対しプリムさんは、


「そんな!お邪魔しちゃったのは私の方ですし、オハナさんに逢えたのが嬉し過ぎてはしゃいでしまいました。こちらこそごめんなさい」


怒るでもなく普通に謝ってくれた。

それどころか、進行を妨げたとしてトライアル参加者たちにまで謝ってくれた。

そんな様子をじーっと見ていたサンガは、


「――――――採用です!!」


ちょっと待てぃ!!

自分で言っちゃうけど珍しくオハナがちゃんとしたのに!?

どうして採用しちゃうのかな!?かな!?


「え?え?私、採用ですか?」


ほら、プリムさんも戸惑ってるじゃない。

そもそもプリムさんに何を求めてるのよ?


「オハナダンジョンの良心として是非!!」


オハナダンジョンの良心?何ソレ?ダンジョンに良心なんて要るの?

あぁ、あれね?頭痛薬の中に半分を構成していたっていう優しさみたいな感じね?


「コテツ様、ワヲ様とオハナ様を止める為の人材が増えては来ましたが、まだまだ足りません!!いざとなればオハナ様を死亡させる覚悟のある貴女の力を貸してください――――――!!」


本当に何を求めてるの?w

そんな事急に言われてもプリムさんだって困るに決まって――――――。


「ハイ、喜んで!」


良い笑顔で喜ばれたー!?


ちょっと待って!!プリムさん今の話聞いてた?

オハナを止める人材だよ?止められるの?

寧ろプリムさんはオハナの意見を全肯定してくれそうなんだけど!?

サンガもちょっと見る目を養った方が良いよ!?

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