第50話 みっちりがっちりびっちりばっちり
オハナがあげた経験値で三人とも大幅にレベルアップ出来た。
コテツさんは〖スケルトン〗から進化して〖スケルトンW〗になった。
〖スケルトンW〗の〖W〗ってなんぞ?って思ったみんな、安心して?オハナも思ったから。
そしてきっと〖マンドラゴラZ〗の〖Z〗と一緒で特に意味なんて無いと思うのよ。
コテツさんの見た目も特に変化はしてな――――――………してたわ。
本当によく見ないとわからないけれど、無印〖スケルトン〗だった頃は良く見れば骨に微かな傷やひびが入っていた。
でも〖スケルトンW〗はそんな傷やひびが見当たらないから、きっと骨が健康になったって事なのかな?
それって進化って言えるの?カルシウム摂っただけじゃん?
若しくは骨密度上がっただけじゃん。
なんていうツッコミはするまい。
ステータス的には結構違うみたいで、コテツさんは恥ずかしいのか大人しいけれど嬉しさを隠しきれていないんだもの、水を差す様な事は言えないよね?
そんなコテツさんをワヲさんが「カッコいいですよ」なんて褒めるもんだから余計に照れちゃって、オハナはそんな光景をホタルちゃんと一緒にほっこりしながら眺めて見てました。
ワヲさんも初期選定種族だった〖スライム〗から進化出来る様になり、今は〖エルダースライム〗――――――〖スライム〗の正統進化って事らしいんだけど、何故これには〖マンドラゴラZ〗や〖スケルトンW〗のようなアルファベットが付いてないのかな?
〖スライムP〗とか居ても――――――ダメか、選んだアルファベットも良くなかったね?何処かのプロデューサーさんみたいになっちゃったよ。
それにドラ〇エの湧いて出てきたモンスターみたいになってる。
勿論合体してキングになるという事も無い、無いったら無い。
〖物理攻撃耐性〗はそのままに、更にHPと防御力が強化されたみたい。
丁度2号のような強化になるのかな?
コテツさんには持ち上げられて「婆さま、モチ肌ぷるぷるじゃないか」なんて言われてワヲさんも密かに嬉しそうにして御二人はキャッキャッとはしゃいでいた。
……………本当に仲の良いご夫婦だよね。
ホタルちゃんは次に進化しようとしているのが必要レベルが高いらしく、まだ進化できていない。
それでもオハナが渡した経験値でかなりその進化に近付いたらしく、丁寧に御礼を言われた。
「オハナさんはどうしてそんなにもたくさんのスキルを持ってるんですか?」
ある日の事、いつもの様にオハナダンジョンに全員集合したのでオハナの(ボス)部屋にて雑談しているとホタルちゃんからそんな質問が飛んで来た。
え?今ダンジョンはどうしてるの?無人なのかって?
そんなのいつも通りオハナ眷属が頑張ってくれていますとも。
現在進行形でオハナの所に入って来てる経験値を見ると、オハナダンジョンは今日も大盛況みたい、笑いが止まらんね。
――――――話を戻そっか。
スキルかぁ~……………ホタルちゃんには申し訳ないんだけど、オハナの持ってるスキルって突然生えたものも多いから参考にはならないと思うんだよねぇ。
そう言えば以前みんなで遊んだ時もスキル生えたっけ?未だにスキルの取得条件みたいなものは謎なんだよね。
「運が良かったのかも?」
「運?」
「そうそう。ステータスに〖運〗ってあるじゃない?オハナは元々それしか攻撃手段が無かったから〖即死〗の効果を高めるために全振りしてたんだけどね?もしかするとそのおかげなのかなぁって――――――ホタルちゃんは新スキルを覚えたいの?」
「はい。今のままだとあまりにも皆さんのお役に立てていないので…………」
「そんな事無い」って言うのは簡単で、だけどホタルちゃんにはそんな言葉は響かないってのもわかる。
ホタルちゃん自身が思っちゃってるんだもん、『役に立ててない』って。
それをオハナやコテツさんとワヲさんが否定した処で、消化不良の様な何とも言えない気持ちの悪さが残っちゃうと思う。
それならば!すっきりと改善しようではありませんか!
「5号~、おいで~♪」
ダンジョンマスター権限で5号をすぐ傍に転移させる。
呼びかけは(何故か)聞こえてたみたいで、特に混乱した様子も無くオハナに向けてビシッと敬礼をした。
何方かと言えば、突然5号を呼び出した事にホタルちゃんの方が驚いていた。
そんなホタルちゃんを置いてけぼりにして、
「ねえ5号?ちょっとお願いがあるんだけど、ホタルちゃんをみっちりがっちりびっちりばっちり鍛えてあげてくれないかな?」
「待ってくださいオハナさん!?どうしてそんな事に――――――!?」
ホタルちゃんが話に割り込もうとして来たけど、それより早く5号がオハナの言いたい事を理解してくれて、名ゴールキーパーのようにホタルちゃんをガッチリキャッチしていた。
「今のホタルちゃんに必要なのは『自信』っていう名の新スキルだよっ!」
「え?オハナさん?さすがに今のはちょっと何言ってるのかわからな――――」
「じゃ、そういう事でホタルちゃんの事宜しくね?5号。多少厳しめにしちゃって大丈夫だから」
5号に向けてそう言いながら手を振ると、ホタルちゃんを小脇に抱えた5号は「了解!!」って感じに手を挙げて、ダンジョンに戻っていった。
良い事言ったと思ってたんだけど、ホタルちゃんのリアクションが存外冷めたものだったから、急に恥ずかしくなってこの場を一秒でも早く離れてほしかったとかそう言うのじゃないんだからねっ!?
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