第35話 茸系魔物生活始め―――――始まらないよ!!!?
まったりと中継を見ていると、
進化条件〖レベル50以上〗を達成しました。
進化条件全てを満たしました、進化しますか?
突然のアナウンスが流れて来た。
あぁそう言えばまだオハナってば、進化してなかったっけ。
最近になって漸く〖羽虫殺し〗を得てオハナ自身で敵を倒して経験値を得ることが出来る様になったけど、それまではオハナは此処で見てるだけで眷属の子たちが得ている経験値の一部を上納金の様に貰ってただけだからね~。
どうせ中継を見る以外に特にやる事無いし、この際だから進化しちゃおっか。
え~っと?次の進化先の情報はっと………………。
〖ファル・ファル〗/〖アルテビータ〗
うん。名前だけじゃさっぱりわからんから早く説明を――――――。
〖ファル・ファル〗
メーベルコルテの正統進化。
〖根力強化〗により移動が可能に!!もう良い加減歩きましょう!
〖アルテビータ〗
メーベルコルテの異端進化。
〖根力強化〗により移動が可能に!!お願いだから歩いて下さい!
………………ヤダ~何コレ~?
神(運営)がオハナを強制的に歩かせようとして来てるんですけど~?
もっと他に書かなきゃいけない大事な事あるでしょう?―――――とか思ってたら2ページ目が存在していた。
いや、こんな回りくどい事するなら1ページ目要らないでしょう。
〖ファル・ファル〗
妖花の魔精、その幼体となります。
全てのステータスが大きく低下しますが、今ある全てのスキルを引き継ぐことが可能です。
更に〖土魔法〗が使用可能になり、眷属使役数が5から7に増えます。
〖アルテビータ〗
キノコ型魔物となるので〖即死攻撃〗〖蔓力強化〗、が失われる代わりに〖麻痺攻撃〗と〖腐食攻撃〗が可能になります。
更に眷属使役数が5から15に増加しますが、〖筋力〗、〖防御力〗のステータスは低下します。
うーん…………此処に来て進化にもデメリットが発生するようになって来たね?
植物系魔物はステータスが全体的に低めだから今まではそういうの無かったんだろうけど、これからは漸く他の魔物並って事?今まで結構他のプレイヤーさんたちを圧倒してた――――――……あぁ、即死攻撃のおかげかぁ。
此処も〖ファル・ファル〗一択かなぁ。
何故かって?だって〖アルテビータ〗は、
茸だもの!!
花じゃないんだもの!!
キノコ系魔物生活が始まっちゃうじゃない!!
名前をオハナから、キノ子とかに変更しなきゃいけないじゃない!!
相変わらずネーミングセンスが終わってる?自覚してるからそこには触れないで!!
オハナにはいつまでも純情可憐な花であって欲しいから菌類への進化なんてダメに決まってる!!
それに妖花の魔精の幼体って言うのがどういうものか具体的にはよくわからないし、全体的にステータスも下がるのは痛いけど、これまでお世話になった――――――と言うか、未だオハナの主力である〖即死攻撃〗が無くなるなんて論外だ。
よって、オハナは〖ファル・ファル〗に進化します!!
相変わらず目に優しくない魔法少女の変身シーンの様な虹色の光に包まれる。
長らく進化してなかったこともあってか、何だか進化に時間がかかっているような気がする。
………………何だかこの虹色空間を見ていたら、だんだんと気分が悪くなってきたので目を閉じた。
瞼の向こうから感じる光が徐々に薄くなってきて、そろそろ進化が終わるのだと察する。
ゆっくりと眼を開けると虹色の光はもう何処にも見えなくなっていて、オハナは現状確認の為にいつもの様に視界を移動させたんだけど………………。
まずは蔓を見てみる、そこには人の腕と手があった。
勿論指も人間のそれで、オハナの意思で閉じたり開いたり出来る。
何度かそれを繰り返して、漸く頭が理解に追いついた。
まさか、オハナが人型になってる――――――!?
キャラメイキングを開始します。
専用画面に移行してオハナの今現在の姿が表示される。
今のオハナはまだ幼体って事だから幼女のような体形、下半身――――――おへその辺りから下が蕾?のようになっていてそこには大きな口、そしてそこには到底植物とは思えないくらいに鋭い牙がずらりと並び、その下半身からは申し訳程度の葉っぱと無数の蔓と根っこが生え、これでオハナも遂に移動が出来る様になったみたい。
上半身は頭に髪飾りの様に花が咲いている以外は、普通に少女の身体なのが余計にオハナの魔物っぽさを際立たせている様に感じる。
わかりにくいかな?
要はパッ〇ンフラワーの丸い部分に幼女の上半身がくっついてるのが今のオハナの姿。
で。
今のが大体の外観なんだけど、キャラメイク出来るのは肌の色、瞳の色、目の形、体形、髪色、髪型、かぁ。
今までは職人じゃないからそういうのは拘らなかったけど………………どうせならオハナをとびきり可愛くしてやりたいと思う親心に従って、時間もあるしじっくりと色々やってみよう。
あ、デフォルト設定とかあるんだ?
最初からやると面倒そうだし、これを基準にして作成すれば良いや。
課金で外観の選べる種類が増えるみたいだけど、まだ命は惜しいし母を犯罪者にはしたくないから課金はしない。
デフォルトを選択してみると、全体的に程よくまとまった感じの少女の姿になった。
ただねぇ…………………肌の色が”肌色”だと何だか物凄い違和感があった。
今のオハナは下半身にインパクトがあり過ぎるんだよねぇ。
よし決めた、肌の色は下半身と同じ緑にしよう!完全な人型になったら肌色にすれば良いだけだし。
下半身の色もそのまま緑、葉っぱだけは濃い緑にして、目の形は清純派に見える様に柔らかい印象を受けるものに変更、瞳の色は今のまま紫紺で、体形はバストサイズとか変更できるみたいだけど特にこだわりはないのでデフォルトそのままのスリムな体形のまま。
髪型は清楚な感じのロングヘア一択!!にしたのは良いんだけど、若干日本人形感が漂う、ストレートからふんわりとしたものに変え、髪色を肌よりも明るめの艶のある緑にすると何かしっくり来たのでこれに決定。
頭の花の色はデフォルトのピンク色のまま変更しなかった。
………我ながら引くぐらい手間暇かけちゃったけど、そのおかげで何処に出ても恥ずかしくない様な美少女が出来上がってしまった。
意外とやれば出来るもんだね?
けど!!
今更になって気づいたんだけどさ。
コレ自分でハードル上げちゃったやつだ。
今まで声だけでも違和感バリバリだったのに、これからはこの姿でゲームするんでしょ?美少女ムーブとか出来ないよ?どうすんの?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます