第33話 オハナダンジョントライアル!!
オハナダンジョン自主開催イベント〖オハナダンジョントライアル〗(サンガ命名)。
参加者の魔物プレイヤーさんたちは順調に進んで行き、先頭集団は今三階層を守護する2号と対峙していた。
此処には他に上へと続く道なんて用意してあげていない、純粋に2号とガチンコバトルをしてもらって突破しなければ進めない仕様になっている。
2号ことウッドゴーレムは物理攻撃にはめっぽう強いけど魔法にはちょっと弱い、そしてやっぱり火には更に弱くて火の攻撃魔法でゴリ押しされれば本当に脆いらしい。
それに2号一人対魔物プレイヤーさんたちだから、魔法使えるプレイヤーさんたちで手間暇掛ければクリアする事は難しくないと思ってたんだけど…………………。
「くそっ!!何なんだよコイツの硬さはっ!!」
「おい!誰か攻撃魔法を使える奴は居ないのか!?」
「そんなヤツ一階層で殆ど死んじまったよ!!」
……………4号、恐ろしい子っ!
後に控える2号の為に魔法攻撃主体のプレイヤーさんたちを狙い撃ちとか、そこまでガチで妨害しなくてもよかったんだよ?
そしてたぶん5号も同じように魔法攻撃主体のプレイヤーさんたちをメインで襲撃し続けたに違いない。
「物理で削るしかないか、時間が経てば攻撃魔法が使えるプレイヤーが後から到着してくれるかもしれない」
それしかないよね~?なんかウチの子たちがごめんなさいね~?
今2号と対峙してる先頭集団は敏捷性に優れた魔物が主だから、物理攻撃にしても軽めな人が多いんだもの。
それじゃ2号は削れないよ?だって――――――。
「グオォォォォォォ――――――!!!!!」
2号が咆哮を挙げ、その両足から地面に向けて釘を打つように無数の根っこが突き刺さる。
これが2号の新スキル、その名も〖リジェネレートアンカー〗。
移動が出来なくなる代わりに毎秒HPが回復し続けるというもの。
元々2号に敏捷性は求めてないから犠牲になっても問題無し!
足など所詮飾りにすぎんのです!
「HPが回復してやがるのか?」
「削れーっ!!これ以上回復させるな!!」
プレイヤーさんたちが殺到するけど、そうして近付いて来てくれた方が2号にとっても都合が良い。
ガードして完全に防御態勢となった2号を取り囲むように、魔物プレイヤーさんたちが密集している。
後続の魔法攻撃主体のプレイヤーさんたちも、ちらほら合流し始めて攻撃に参加している。
サンガからの映像を確認する限り、結構な人数が密集して居るみたい。
チャ~ンス☆
他の階層に居る眷属たちには一時的に避難してもらって――――――。
オハナのスキル〖羽虫殺し〗発動!!
オハナダンジョンの中をオハナから放たれた毒がゆっくりと下層に降りて行く。
そしてそれはプレイヤーさんたちの居る三階層まで漂い始めた。
「これは、ダンジョンマスターの毒か?」
「俺たちには〖毒無効〗があるのに撒いたって無駄だろ?何考えてんだ?」
「ダンジョンマスターはアホなのか?」
此処まで上がって来たプレイヤーさんたちは確かに〖毒無効〗を習得しているみたいだから、強力な毒であるオハナの〖羽虫殺し〗も意味が無い。
だけどそれはプレイヤーさんたちに対してはだよね?
そんなに密集してると危ないよ?
密です!!――――――なんて言ってみたり。
2号のHPはガンガン削れて行き、そして0になった瞬間――――――。
〖黄泉地への誘い〗発動!!
ウッドゴーレムになっても失う事の無かったスキル〖黄泉地への誘い〗。
オハナにとっては最早常套手段なんだけど、何故かこれを警戒しないプレイヤーさんたちが異様に多いんだよね?何でだろ?
2号の居た空間にもうオハナは聞き慣れたデスヴォイスが響き渡り、そしてそれが治まる。
きっと誰も残って無いんだろうなぁと思いながら中継を見ていると、普通に動けているプレイヤーさんたちが居た。
そのほとんどが〖ゾンビ〗や〖ゴースト〗などのアンデッドと呼ばれる部類の魔物。
これにはオハナも見てなるほどと思ったね。
だってアンデッドの彼らにはその種族の特性上、状態異常である毒も即死も効かないんだもの。
聖属性の魔法で即死する代わりにそういった面で優遇されているみたい。
そうして運よくトップに躍り出たのは白骨死体の魔物〖スケルトン〗。
何処かに隠れていたらしい別の魔物〖スライム〗と合流して、それを頭の上に乗せるとガシャガシャと音を立てながらダンジョン内を走り出した。
それに続くのはこれまたアンデッドの〖ゴースト〗、初期で選べる弱い魔物だけど確かにオハナたちでは彼らに対処しようがない。
眷属弾は物理扱いだから効かないし、毒も無効、聖属性の魔法なんて誰も使えないからあちらにしてみればオハナダンジョンに怖いものなんて無いのかもしれない。
その次は……………また集団になってるね。
結構削れたと思ったんだけど、まだ集団になれるくらい居たんだね?
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