第32話 オハナダンジョン、自主開催イベント!?
サンガが募集をかけてくれたオハナダンジョンでのスタッフの募集。
定員5人に対して、何故か応募が殺到した。
みんなダンジョンで働くことによる報酬目当てなのはもう隠そうともしてない、一先ずそんな欲に塗れた有象無象の中から少しでもやる気とガッツのある人を選ぶためにオハナとサンガで決めたのが、
オハナダンジョンにて、イベントを自主開催してしまおうというもの。
実際にオハナダンジョン(フル稼働)を踏破してもらうつもりでの職場体験。
こちらから細かな説明はほぼ一切なし!
うだうだ口で説明するよりも見て、体験してもらった方が早いもんね?
これがオハナダンジョンだー!!って。
乱暴?いやいや、これがオハナ流の優しさです!!
誰一人残らなかった時はその時に考えれば良いし。
べ、別にメンドクサかった訳じゃないんだからね!?
ルールも単純明快、オハナダンジョンに入る前に渡された旗をダンジョン内に立てるだけ。
それがダンジョンの上の階層――――――つまりオハナに近付けた上位5人をそのまま採用するつもり。
勿論オハナに旗を渡せれば文句なしで合格なんだけど、きっと誰も来やしないだろうから死ぬ間際にダンジョン内に立ててね?ってイベントでの唯一と言っても良い説明を今サンガが参加者さんたちにしてもらっている。
で、
オハナは何してるのかって言うと――――――別にサボってないよ!?
オハナの前には眷属1~5号、更にはその下の眷属たちまでもが全員綺麗に並んでオハナの言葉を聞いて居る。
「――――――というわけで、みんなには今からダンジョンに突入してくる魔物プレイヤーさんたちを割と本気で撃退して行って欲しいんだけどお願いできるかな?」
さっきまでの説明をした後、眷属みんなにそうお願いすると、全員が練習でもしてたかのような息ぴったりの敬礼を返してくれた。
あ、そう言えばサンガに言われてたことが有ったっけ。
これを言えば眷属の皆がやる気になる事間違いないって、えぇっと……………。
「一番頑張った子には、オハナが出来る範囲で何でもしてあげるからね?」
精々ナデナデやら高い高い程度だろうと思うんだけど、オハナがそれを言った瞬間から眷属たちの空気が変わる。
具体的には1~5号たち、オハナにも解るくらい俄然張り切り始めた。
あの~………みんな?何か雰囲気違い過ぎません?
相変わらずオハナへの好感度の高さが謎だし異常なんだけど…………………?
だけど、うん。嫌われるよりマシなんだと思う事にしよう。
「それでは皆々様、準備の方は宜しゅうございますか?――――――スタート!!」
サンガの合図によって魔物プレイヤーさんたちが雄叫びを挙げながら、まだ毒気の残るオハナダンジョンに突撃してくる。
そんな彼らをまず最初に待ち受けるのは、4号による狙撃とその眷属たちによる妨害だ。
流石に一つの階層に眷属全員投入したら誰も上がって来られないだろうから、一つの階層につきオハナ眷属1体という縛りを設けた。
これはあくまでもトライアルみたいなもので、殲滅戦じゃないからね。
参加者さんたちの様子を眷属を通してだったり、サンガの見ている映像をこちらに投影してもらったりして見てる限り、4号たちも善戦してくれてるんだけど多勢に無勢かな?討ち損じもあってまだまだ魔物プレイヤーさんたちは生き残っていた。
「くそぅ………ここまで毒が酷いなんて聞いてねぇぞ……………」
脱落者の中には〖毒無効〗を持たずに参加してる人も居て、こっちが提示してあげてる条件を読まなかった人達は案の定すぐに脱落していった。
わざわざ教えてあげてるのに、なんで無視するかなぁ。
まぁオハナには経験値が入ってくるから別に良いんだけどね?
次は5号が待つ二階層、ここは罠がどっさり仕掛けてある。
と言うのも、5号だけだとどうしても火力不足かな?と思ったから。
三階層は2号の担当なので、シンプルに上へと続く道の正面に2号が十分に暴れられるだけの空間を創った。
防御特化とも言える2号とガチで戦わないと進めない仕様だ。
四階層には3号とその眷属たち、正直ここが一番脱落者が多いんじゃないかな?と思っている。
何せ今の3号は本人がそう望んだからなんだけど、オハナの下位互換と言っても過言ではないくらい同じような進化とスキルを持ってるからね。
オハナ眷属残りの1号が待つ五階層も二階層と似たような感じ。
五階層は二階層と同じくらいの罠にランダムポップの魔物がわらわら出てくるウザ仕様にしてみた。
六階層からはまた4号から順番に戻すつもりだけど、2号の負担が大きいかな?
まぁそこは様子を見ながらで良いよね、そもそもそこまで来られるかどうかも疑問だし。
完全にテレビ中継でも見ているような気分で、オハナダンジョン自主開催イベントの様子を見る事にした。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます