第31話 〖羽虫殺し〗対策の対策
前回読み飛ばした方の為にあらすじ。
オハナが暇をしていると虫が突撃!
蔓で応戦するも当たらない!
そんな時新たなスキル〖羽虫殺し〗を発動!
オハナダンジョンに毒霧が充満して立ち入り禁止に――――――。
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オハナダンジョンが復旧するのにまだ時間がかかるみたい。
どうせ何も出来ないならとオハナと眷属たちは休暇という事にして、それぞれ好きなようにさせる事にした。
そんな時、
「オハナ様、折り入ってご相談があります」
サンガが珍しく言い難そうにオハナのところに漂って来た。
「どうしたの?」
「実は……………オハナ様の眷属以外で魔物プレイヤーの方々を受け入れてはどうかと思いまして、今ダンジョン内に充満するオハナ様の毒霧、その中でも活動できるような魔物プレイヤーを募集してみませんか?」
「…………………来てくれるかな?」
自分で言っててなんだけどオハナも眷属も、スキルで味方を巻き込んだり犠牲にしたりすることに躊躇いが無いと言うか、容赦ない感じだから素直に誰も来ないんじゃないかと思ったりする。
そもそもまだこのダンジョンで働きたいって言って来てくれたプレイヤーさんは未だ誰一人として居ないんだから。
「条件はたった一つ、スキル〖毒無効〗を習得している事――――――としておき、報酬を高めに設定しておけばそれなりに集まるかとは思います。以前にも言いましたが、オハナ様のダンジョンは絶妙な難易度で人気がありますので働きたいと考える方は一定数居られるかと思いますよ?それに強さを不問にしておけば、例えまだまだ実力が足りない方が来てもオハナダンジョンの低層で働いてもらう事も出来ますからね」
「でもどうして〖毒無効〗?〖羽虫殺し〗はもうサンガが怒るから封印しようかと思ってたんだけど?」
「何の予備知識も無いままに毒霧に襲われるのは上から
「それに?」
「備えもせずに瀕死となったプレイヤー様にトドメを差す係も必要でしょう?前回あの毒に冒されながらも毒消しと回復薬で何とか出口まで辿り着いた者も数名いたようですし、今後はそうした方々もきっちりと処理して行かなければもったいないです」
淡々と酷い事言ってない?
まぁ〖羽虫殺し〗を封印せずに済むならオハナとしてはありがたいんだけどね?
いつまたあの虫が出てくるかわからないし、今度居る様な気配がしたら速攻で使ってやる!
「そういう事なら良いんじゃない?募集の依頼はサンガに任せても大丈夫?」
「はい。実はもう既に作成して、後はオハナ様の承認待ちだったのです」
サンガはそう言うと、二、三回点滅して、
「………………たった今問題無くダンジョンの人員募集依頼として、魔物プレイヤー様の共通の掲示板に張り出されました」
「人数はどのくらい考えてるの?」
あまり多すぎても眷属やオハナたちの経験値の取り分が減っちゃうから、その辺りの塩梅は難しいと思うんだけど………………。
「まずは多くても五名ほど、と考えています。戦力としてまだまだ未熟な方にはオハナ様の眷属とペアを組んで行動してもらおうと思いますのでその人数にしましたが、問題ありますでしょうか?」
「眷属とペアを組ませるのは良いけど、そもそもあの子たちの動きについて来れるのかしら?ダンジョン内で早々にプレイヤーさんが置き去りにされたりしない?」
「「……………………………」」
獲物を前にしたあの子たちに気遣いなんて期待しない方が良い。
それはサンガもよく理解してると思うんだけど…………?
「ま、成るようになるでしょう!」
適当だな!
オハナもあんまり他人の事言えないけどさ!
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