第30話 オハナ、久々にやらかす

※途中でお察し下さって「あ、これ苦手」と感じた方は読み飛ばしを推奨致します。




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ダンジョン運営中のオハナ………………正直とても暇です。

まだマンドラゴラだった頃、聖域でぼんやりと光合成していた時と同じくらい暇だったりするかもしれない。


だって誰も此処まで辿り着けないんだもの。


誰か来た時の為に「ふはははは………よくぞここまで来た!」と言う練習もしてたけど、サンガに目撃されて可哀そうなものを見る様な雰囲気で接してこられたので、もう二度とするもんか!とかいうどうでも良いやりとりが有ったくらい。


そんなオハナの居る大部屋の片隅で、何かが動いた気配がした。

暫くそこをじーっと注視していると、やっぱり何かが動いてる。


今はサンガもダンジョン内の様子を見に行ってるから不在だし、眷属の皆もダンジョンで特攻中だからオハナ以外誰も居ないはずなのに…………………。


嫌~な空気を感じながら、視界を動かさずに何も見逃すまいと動かずにいると、


カサカサ…………。


黒光りしながらほぼ無音で移動する家庭内でも目にする虫、あれによく似た奴がカサカサと音を立てゆっくりとオハナに近付いて来ていた。


いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!


何で!?どうしてオハナに寄って来るのさ!?

もしかしてオハナって虫に好かれるとかいう裏設定あったりする!?

聖鋼蝶の時も迷わずオハナに来てたよね?


〇ゅ~るまっしぐらの猫ちゃんじゃないんだから!!

そして、蝶はまだ良いけどヤツはダメ!!絶対!!

新聞紙とかあるわけないから、仕方ない!ゲーム内だし緊急事態だ!!


オハナは意を決してソイツを蔓で叩き潰そうとした。

けどヤツの動きは早過ぎて蔓の衝撃で舞い上がった砂埃りで見失ってしまった。

それでもまだヤツの気配はする……………。


パタバタパタバタ――――――……………。


いやあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!

飛んで来たぁぁぁぁぁっ!!!!!!

しかも何故かこっち来るなしぃ―――――!!!


蔓をぶん回してみるけどそんなものには当たってくれず、絶体絶命のその時だった。


〖羽虫殺し〗を習得しました。

〖羽虫殺し〗を使用しますか?


なんか出て来た!よくわからないけどYes!!


スキル〖羽虫殺し〗を発動します。



するとオハナのお花部分から紫色の鱗粉のようなものが溢れ出し、くるくるとオハナの周囲を回り始めその濃度を増していく。

そして周囲のそれがオハナの頭上に集まったかと思うと、一斉に弾けた。


その勢いで紫の鱗粉は煙の様になってオハナの居る部屋だけに留まらず―――――。




「なんだこの煙!?」

「がはっ!」

「ごふぅっ!」



ダンジョンの中を縦横無尽に駆け巡り、眷属を通じて聞こえて来た音声からもわかる様にダンジョンに居たプレイヤーさんたち諸共殺しちゃったみたい。

そしてその映像と声も突然途絶える。


…………これもしかして眷属まで殺っちゃった感じ?


隅々まで効く、バ〇サン――――――とか言ってる場合じゃない!!


確かにヤツも死んだけどさ!!

この狭いダンジョン内でまさかの毒霧散布とか〖羽虫殺し〗どころか普通に皆殺しじゃない!?

鬼畜スキル過ぎない!?





その後、慌てて飛んで来たサンガ(毒無効らしい)にこっ酷く叱られた。

挙句ダンジョン内に暫くその毒霧は滞留し続け、オハナダンジョンは暫くの間誰一人近寄る事も出来ない程危険な場所となってしまった。


スキル〖毒無効〗を習得しました。


あぁ、オハナも一応影響受けてたのね?

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