第27話 ざっくりダンジョンチュートリアル

はいどうも~。

強制退去させられてテンション下げ下げなオハナです。

心なしかオハナのお花も萎れてる様に感じます。


「聞いておられますか、オハナ様っ!!」


サンガがオハナの周囲を忙しく飛び回っているけど、今は気持ちの整理の方を優先させてほしいんだけどどうやらそれは無理っぽいみたい。


「真面目に聴いておきませんと後々後悔致しますよ?」


うん。わかったから全身でオハナにグリグリするの止めて?

柔らかそうに見えたけど、こうしてグリグリされるとサンガの身体はめちゃくちゃ硬かった。


「当然です。私の全身は飛行金属オリハルコンで出来ておりますから」


ふふんっ!と得意気に話すサンガ。

けどオリハルコン?それってRPGとかだと結構良い素材だったりするんじゃなかったっけ………………?


「………………私を解体バラして売るなんて出来ませんよ?」


――――――チッ!

やだな~、そんな事思ってないって!


「……………まぁ良いでしょう。先ほども申し上げました通り、これから私がダンジョン運営についてオハナ様をサポートさせていただきます。つきましてはまずはオハナ様のダンジョンマスター権限を使って〖ダンジョン内での敵味方の会話の成立〗を設定してください、それが無ければオハナ様と言葉を交わすことも出来ません」


これも一応チュートリアルなのかな?

まぁ良いや、話が出来るならそっちの方が便利だし。

さっきまで何となくオハナの心が読まれてた気がするのは気のせいだと思う事にしておこう。


ステータス等を確認する為のコンソールを開くと、視界の片隅に〖NEW!!〗という表示がされていて、そこには〖ダンジョン〗というアイコンが追加されていた。

それを操作してサンガがさっき言っていた通りの設定を行う。


「あ~、あぁ~、うん。どう?サンガ?通じてる?」

「いやはやオハナ様、見た目にそぐわず御美しい声をなさっておいでなのですね」


見た目に合って無いのは自覚してるから一々言わなくても良いよ。





「それではこれより〖ダンジョン運営〗について説明させていただきます」


ふわふわと浮かび上がったサンガは、何も無い空間に映像を投影させ始めた。


「基本的な事から参りましょう。まず初期の〖ダンジョン〗は10階層まで構成する事が出来ます、私としましてはその10個のフロアをオハナ様に造って頂きたいのですが――――――そう面倒くさそうな溜息を吐かないでください。

そういうのは苦手だという方の為に〖ランダム生成〗も可能ですから。

あとはフロアにはコストが存在しており、そのコストの上限を超えない限り、罠や魔物を配置させることが可能です」


ランダムで創ってくれるって言うならそれに甘えちゃおう、面倒だもの。

そして宝箱の一つもない何の魅力も無いダンジョンを創り上げて、誰も攻略しようなんて考えないダンジョンにしてしまおう……………。


「――――――因みにですが、ダンジョン内の宝箱やアイテムの設置は不要です。ダンジョン生成時に定期的に自動配備されますので」


「余計な事を……………」


「…………まさかこちらも本当にそんな事を考える人が居るとは思いませんでした」


止めて、引かないで?いたたまれなくなるから……………。


「あとは魔物も配置できると言いましたけれど、ある程度のコストを消費して自然発生する魔物、それとは別にオハナ様自ら他のプレイヤー様を勧誘してこのダンジョンで働いてもらう事も出来ます。

勿論ダンジョンで働くプレイヤー様には相応の報酬が自動的に支払われますが、勧誘したプレイヤー様の強さに応じてコストが変化するという点だけはご注意ください」


勧誘しろって言われたってねぇ……………?

オハナ、動けませんし?ダンジョン以外ではまだ喋れませんし?どうしろと?


「ふぁいとですっ♪」


やかましいわ!!


「ざっくりとした簡単な説明にはなりますが以上です。今後も細々とわからない事が出てくるでしょうからその都度説明させていただきます」


概ね理解は出来――――――ごめん嘘吐いた。

正直全然わからなかった。


だけどまぁ何とかなるでしょ?サポートしてくれるっていうサンガも居るんだし?

習うより慣れろだよね、だっていつまでもヘルプを見てるのは性に合わないんだもの!!


「あ~…………やる気の無さが全身にみなぎって来たわ~」

「…………それ今一番漲らせちゃいけないヤツでは………?」

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