ダンジョンの主になりました

第26話 新システム導入、オハナは賞金首・・・って何でさー!?

あれからビジネスチャラ男はオハナに粘着する事も無く、穏やかな日々が過ごせていた。

それとホントにゴリさんは勇者側プレイヤーを辞めていた。

魔物プレイヤーになっているのかどうかはわからないけど、もしプレイしているのであれば今度こそは楽しんでほしいなぁとも思った。


さてオハナですが、今日も今日とて代わり映えせずにオハナライフ(光合成)中。

お知らせが届いたことを通知する音が鳴ったので、暇に任せて開いて見ると………、


『〖世界大戦〗の討伐数に於いて、オハナ様は見事第三位となりました』


という内容のものだった。

その続きに何故かムービーが添付されていて、自動再生される。



特報!!


〖賞金首〗システムの採用!!


〖世界大戦〗討伐数上位10名が今後〖賞金首〗として自動的に登録されます。

〖賞金首〗となってからの経過時間によって豪華な報酬が更に増加、そして〖賞金首〗を倒したプレイヤーさんにも報酬が支払われます。

皆さま奮って豪華景品をゲットしましょう!!



プレイヤーさん専用の〖砦〗・〖ダンジョン〗の追加!!


〖世界大戦〗討伐数上位3名のプレイヤーさんに、勇者側であれば〖砦〗を魔王側であれば〖ダンジョン〗をプレゼント!!

お好きにカスタマイズして相手側のプレイヤーさんを迎え撃ちましょう!!

〖砦〗や〖ダンジョン〗を攻略すれば報酬をプレゼント、逆に防衛に成功しても報酬をプレゼントします!!

更に〖砦〗・〖ダンジョン〗のマスターとなったプレイヤーさんには定期的に報酬をプレゼント。

同じ勇者側・魔王側であれば〖砦〗・〖ダンジョン〗内で働き報酬を得る事も可能になります!!


これからもオズワールドファンタジーをお楽しみください♪




――――――って、楽しめるかぁ!!


何!?〖賞金首〗って!?オハナ指名手配されちゃってるじゃん!!


逃げれないのに理不尽じゃね!?


うん?でも待てよ?オハナは討伐数第三位って事は〖ダンジョン〗が貰えるって事?

迎え撃ちましょうとか書いてるって事は、オハナは〖ダンジョン〗にお引越し?


嫌だ!イヤだ!絶対にヤダ!!


だって聖域から出たら魔法撃たれるでしょ!!

オハナなんて一網打尽じゃないか!!


オハナさんに与えられた専用〖ダンジョン〗へ、強制転送します――――――。



嫌だって言ってるのにぃぃぃ――――――…………。



目の前が真っ白になった後、漸く視界が回復して来た時には見慣れた聖域の景色は無く、周囲の環境は激変していた。

どうやら此処がオハナに支給されたダンジョンのようだ。

洞窟の中…………なのかな?

周囲に植物は何も生えていなくて、ドーム状の広い空間の中央にオハナは居た。

天井を見るとそこには穴が空いていて、丁度そこから光が差し込んでオハナに降り注いでいた。


良かったぁ………また日照不足になるところだった。

そこだけは唯一の救いかな。


そんな風に無理矢理気分を落ち着けようとしていると、


「マスター、ようこそおいで下さいました」


ふわふわと浮かんだピンポン玉くらいの大きさの淡く白く光る球体が突然現れてオハナに話しかけて来た。

えぇっと……………どちら様?で良いのかな?


「申し遅れました。私はマスターのダンジョン運営をサポートさせていただきますAI――――――サンガとお呼び下さい」


サンガと名乗った球体はそのままふわふわとオハナに近寄って来て――――――。


べちいっ!!


………………3号の蔓によって叩き落されていた。


「な、何をなさるのですっ!?」


サンガの言葉は完全に無視され1~5号は臨戦態勢、殺る気満々だわ。

3号と4号なんて眷属弾で狙いを定めてるもの。


「マスター!!どうか眷属たちを抑えて下さい!!おちおち話も出来ません!!」


サンガに懇願されて、眷属たちの警戒態勢を解かせる。

地面にへばりついたままだったサンガは再びふわふわと浮かんで、オハナに近寄って来た。


「…………ありがとうございます。とりあえずこのダンジョンの主となられたオハナ様には今からみっちりとダンジョン運営についてレクチャーいたします!!」


うーん…………今までが今までなだけに、このダンジョン運営にしても何か碌な事にならない予感がするんだよねぇ…………。

ダンジョン運営ゲームとして機能するのかどうかさえも怪しい。


何せまだオハナはファンタジー世界を冒険なんて1ミリもしてませんもの。


1、世界樹の日陰に生まれ、世界樹を呪う。

2、よくオハナを引っこ抜く友人の手によって、日向にお引越し。

3、聖域に棲む魔物として狩られそうになり、とにかく生きるのに必死。

4、強制参加の世界大戦に放り込まれる。

5、ようやく手にした平穏な生活から強制退去。(今ココ!!テストに出ます!!)


………………だもんなぁ。


指名手配までされちゃったし、此処で隠遁生活を送るのも――――――無理だね、居場所は既にバレてるだろうし?


まぁ何にせよお引越しさせられちゃったものは仕方がない。

そうとでも思わないとまた発狂した挙句ゲロ吐きそうになるし。


オハナ生活で培った精神力で気持ちを切り替える。



…………うん、オハナは魔物だもの。

ダンジョンの主くらい難なく務めて魅せないとね?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る