第21話 オハナの前には皆等しく経験値

はいどーもー!久しぶりの挨拶オハナです。

え?イベントどうしたって?やってますとも勿論――――――眷属たちが。




あのキッズ化した?(露呈した?)青年は次の日本当にお友だちを沢山連れて来た。


「おぅおぅ俺のダチに舐めたマネしてくれたっつー魔物はテメェ……………か?」


オハナを見るなりその集団の顔が恐怖に引き攣っていく、うん?オハナはまだ何もしてないんだけど………………?あー思い出した。

オハナを討伐しようと乗り込んできた冒険者たちの中に居た様な気がする。


顔見知り程度?なので気さくに”ハロー!”って感じで蔓を振ってみる。


「テメェ!!プレイヤーだったのか――――――」


何を今更w

逃げ出そうとしたプレイヤーを狙撃して光に変え、残った団体さんも逃がしはしないよ?オハナが手を下さずとも眷属たち大活躍。


そしてやっぱり最後に一人残される青年、どうやら彼はオハナ眷属のブラックリストに登録されちゃったみたい。

今度はオハナは何も指示しなくても1~3号たちが前回と同じことをしてくれている、今もオハナがステータスとか経験値とか確認してる横で装備が砕ける音が聞こえてくる。


「くそっ!くそっ!僕一人を相手に卑怯だぞ!?正々堂々勝負しろよぉ!!?」


どの口が言ってるんだか。

最初オハナをリンチしようとして失敗して返り討ちにされて、今日だって数に任せてオハナを狙い撃ちしてきたのはキミだよね?正々堂々が聞いて呆れる。


撃って良いのは撃たれる覚悟が――――――なんて生優しい事、オハナは言わない。


此処って戦場なんだし、オハナの前に立った時点で敵でしょ?


オハナには 皆同みんなおんなじ 経験値     オハナ


おおっと、余裕過ぎて一句読んでしまった。

そんな事を考えてる間に、眷属たちが全部片づけてくれた。


これが俗に言う、スタッフが美味しくいただきました。だね?





――――――とまぁこんな感じでイベント期間は過ぎて行った。

その後オハナはいつの間にやら拠点防衛の要のような存在になってました。


「ヤベェ、この拠点にヤツが居るぞ!!!!」

「くっ、すぐに迂回するんだ」

「間に合いません、既にヤツのデバフの範囲内です」

「盾持ちは防御に徹して時間を稼いでくれ!!範囲魔法で焼き払――――」


「リーダーが殺られた!?」

「くそっ!何だコイツ!?盾を破壊しやが――――」


「私たち魔法使いの少ないHPじゃ、この毒だけでもきついのに、吸収までされて耐えきれません!!」

「誰か!?すぐに此処にヤツが居る事を知らせるんだ!!」

「無理です!!動きを止めたら狙い撃ちにされ――――」



はい、戦闘終~了~。

いやぁ、1~3号が有能過ぎてオハナがやること殆どないわ。

今回の戦闘だってオハナがした事と言えば、逃げ出そうとしたプレイヤーさんを狙撃しただけだし。


「お疲れ様です!!」


このイベント中、顔見知りの魔物プレイヤーさんも増えて来た。

今もこうして話しかけて来てくれる。

オハナはそれに蔓を上げて応えるだけだけど。


「オハナさんが味方でホントに良かったです」

「これなら今回のイベントは俺たちの勝ちですね」


こういうのもホント懐かしいなぁ…………。

イベントの勝敗を競って、励まし合って頑張って…………。

こういうのが得られただけでも今回のイベント、頑張った甲斐があったかも。



そして、第一回大規模イベント〖世界大戦〗は終了した。


撃破数のランキング集計に時間がかかるとの事で、表彰式なんかは後日執り行われる事となった。

他の人と比べた事はないけど、撃破数だけならオハナも良い線いってるはずなので実は密かに楽しみにしていたりする。

眷属1~3号あの子たちの頑張りでもあるので、もしいい結果だったなら彼らの待遇をもう少しだけ改善してあげよう。

それに自我があるのは間違いなさそうだし?

慕ってくれてる存在を無下にできるほどオハナもと言うか、俺も鬼畜じゃない。


そもそも最近は彼らの活躍でオハナは何もせずとも経験値が得られる仕組みが出来上がってるからね。

悠々自適なオハナライフ―――――やっと充実して来たのかも?

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