第22話 オハナライフのジレンマ

イベント中一度も撃破される事無く参加し続けたオハナ、だから聖域に戻って来るのも本当に久しぶりの様な感じ。


聖域よ!!オハナは帰って来た!!ってわけで。


平和~♪めっちゃ平和~♪

つい先日まで戦場で血で血を洗う戦闘を繰り広げていたとは思えない穏やかさだね。


「ぎゃぁぁあ……………」

「チクショウ!!ヤツらが帰って来てやがったぁ!!」


なんか遠くからプレイヤーさんのものらしき悲鳴が聞こえてくるけど、気にしない方向で。

オハナの周囲(見える範囲)は平和そのものですし。


1号と2号がイベント中に得た経験値によってマンドラゴラZに進化させた5号と意気揚々と帰って来たけど気にしない。

3号がイベントで得た経験値で同じくメルバイトに進化させた4号と遠く離れた場所に植えた自分の眷属マンドラゴラを的にして、射撃訓練してるように見えるけど気にしな―――――。


ちょっと待てぃ!!


びっくりするわ!さすがに流せなかったわ!何やってんの!!?


オハナが注目してる事に気付いて(どうやって気付いてるのかは未だに謎)、二人とも以前の様に蔓を合わせてもじもじし始めた。


あら可愛い♪じゃなくて!!


オハナも同じような事やったし、もっと酷い事キミたちにしてたけども!!

何だろう?3号がオハナの悪い部分を見習い始めてる?

そしてそれは漏れなく4号に受け継がれようとしてる?


あれ?オハナってもしかしなくても教育上宜しくない?オハナの存在がR指定されちゃう感じ?


それに止めようにも自分はバシバシやってただけに、すっごく止め難いし!!


何故オハナはファンタジー世界で教育について考えなければならないのか!?


うん。話がだいぶ横道にそれてるので軌道修正、3号と4号についてだね。



結局――――――。



オハナは遠くに植えられたマンドラゴラを狙撃した。


こうするんだよ?


そんな想いを込めて二人を見てみると、二人は感激している様に蔓でパチパチと拍手を送ってくれた。

――――――教えてどうするとは思ったけど、結局のところこれもオハナの為に強くなろうと努力してくれてるんだと思うと止められなかった。

それに3号が進化する条件に眷属を虐げる系のが有った筈だから、それをクリアするためにも丁度良いのかもしれない。

…………もしかすると自分たちが犠牲にされたくないから、強くなろうと必死にアピってるだけかもしれんけど。


マンドラゴラZとなった5号の面倒は積極的に1号と2号が見てくれている。

と言うか、一緒になって冒険者狩りを楽しんでるっぽい。

オハナとしては脅威となる冒険者を排除してくれるのなら、特に文句はない。

人間側プレイヤーさんたちもリスクを承知で挑んでるんだろうし?


まぁでも戦闘がそもそも無かった聖域を荒らしてるのはオハナなんだけども。

それに関してはオハナをこんなところに出現させた神を呪え!としか言いようがない。

このままオハナファミリー(眷属)が聖域占領しちゃうんじゃないの?大丈夫?いつの日か聖域まるごと燃やされたりしないよね?




イベントで荒稼ぎした経験値を以てしてもオハナの次なる進化にはまだ届かない。


〖レベル50以上〗

〖眷属を300回攻撃する〗☆達成

〖眷属を100回自身の攻撃で死亡させる〗☆達成


因みに今のオハナは――――――。


プレイヤー名 オハナ

種族     メーベルコルテ

レベル36     HP172/172

          MP337/337


筋力:D- 敏捷性:F 魔力:B+ 

知力:B+ 防御力:D 運:A+


状態    


スキル 黄泉地への叫び:S

    光合成:S+

    聖属性耐性:C+

    毒攻撃:A+

    吸収攻撃:B-

    吸収攻撃無効

    成長促進:EX

    眷属使役(0/5)

    眷属射出攻撃:改

    狙撃

    狂宴の主催者


〖成長促進:EX〗があってもこの程度、必要経験値多すぎやせんかね?

ステータスランクも上がり難くなってしまったので、目覚しい成長は無い。

新しいスキルも生えてこなかったしね?


1~5号に稼いでもらうのは楽で良いけど、やっぱりオハナが自ら敵を倒した時に得られる経験値の方が多い。

ついつい早くレベルアップしたくて眷属たちの獲物を奪いたくなってしまう。

そうしたら眷属たちがレベルアップし難い状況になってしまう、それはオハナの望む処ではないので我慢我慢…………。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る