第13話 眷属射出攻撃!?
「びっくりしちゃいました。急に姿が変わってるんですもの」
「あ~すいません、進化できるのが嬉しくってプリムさんにお知らせするの忘れてました」
「うふふ、構いません。ようやく――――――ですものね?嬉しくなるのもわかります」
オハナとプリムさんはいつもの空間でおしゃべりしている。
プリムさんがいつもの様に逢いに来てくれると、そこにはオハナじゃなくて見知らぬ植物が生えていて、オハナは見当たらない。
まさかと思ったプリムさんが新オハナを引っこ抜いて今に至っている。
俺も丁度この空間に用があったので丁度良かった。
何せ進化したオハナの姿を確認できるのは此処だけだからだ。
因みにマンドラゴラだった頃のオハナは、チューリップ――――――あれの葉を増やした感じだ。
そして今のメルバイトのオハナはというと、ひまわり――――――あれの茎から二本ひょろ長い蔓が伸びた姿だった。
そしてこの二本の蔓、なんと腕の様に動かすことが出来るのだ。
人間の指先の様に繊細な動きは無理だけど、何かを引っかけたり巻き付けて持ち上げたりは出来るようになった。
以前の全く身動きが出来ない頃に比べれば、腕の様に動かすことが出来る部分が出来ただけでも嬉しかった。
何故なら、そう字を書くことが出来るからだ。
これでもうプリムさんにお手軽に引っこ抜かれる心配が無くなるだろう。
プリムさんと別れ、俺はオハナの眷属について考えてみた。
攻撃役によし、盾代わりにしても良しって言われても、オハナの眷属はみんなマンドラゴラで動くことが出来ない。
光合成で得た経験値を献上してくれるくらいしか今のところ使い道が無いのだ。
まぁ、それだけでも充分ありがたいことなんだけどね。
そうしてぼんやりとオハナ生活を満喫していると、遠くに憎き敵であるカエルが呑気にぴょこぴょこと跳ねていた。
そしてカエルはそのまま岩場の上で日向ぼっこでも楽しんでるかのように動かなくなった。
俺はカエルを驚かせてやろうと思い立ち、眷属をカエルに射出してやる事にした。
以前は高く弧を描いて射出された赤い線を、真っ直ぐに設定――――――出来るんだ…………。
その行き先はもちろんカエル。
目標、岩場の上のカエル!眷属!
ぶちゅり――――――。
――――――!!!!!!!!!!!!
脅かす程度のつもりだった。
それでカエルが慌てふためいて岩場から転げ落ちてくれれば――――――くらいの軽い気持ちだった。
結果としてオハナが射出した眷属弾は物凄いスピードで射出され、岩場の上のカエルをミンチに変えた…………って何で!?
前はしゅぽーんって感じだったよね!?
ペットボトルロケットみたいなゆるーい感じだったよね!?
何故急にマグナム化してるの!?
カエルがファンタジーにあるまじき肉片になっちゃってるじゃん!!
〖スキル 眷属射出攻撃:改〗を習得しました。
やかましいわ!!
何?眷属射出攻撃って?しかも初めて使ったのに
〖スキル 狙撃〗を習得しました。
うわぁーい、前のゲームでもほとんど成功した事の無かったヘッドショットだー………………なんて言うとでも思ったかぁ!!!!
何!?狙撃って!?オハナに何させようとしてるの!?
オハナのポテンシャルは無限大なのか――――――………?
一人、そんな馬鹿な事を考えたのだった。
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