第6話 我、世界樹の根元にて蝶を貪る者なり。光・・・くれ!!
ゆっくりとだけど確実には強くなっているオハナ、あれからも時々現れる蝶々を殺しては経験値を得ていた。
何故か向こうは確実にオハナのところに引き寄せられるらしく、視界に納めるとひらひらと此方に来ては毒蜜を吸ってポトリと地面に落ちるのだ。
なんなんだろう?この蝶々たちは自殺願望が強いのかな?
蝶々が進んで自殺を試みるファンタジー世界とかもう軽いホラーだと思う。
経験値がオハナにとって臨時ボーナスのようなものだから文句は言いませんけれど。
寧ろウェルカムです、オハナにどんどん経験値を貢ぎに来るのです。
それでもレベル20に近付くにつれ、やっぱりレベルが上がりにくくなってきた。
プレイヤー名 オハナ
種族 マンドラゴラ
レベル13 HP11/11
MP39/39
筋力:G- 敏捷性:G- 魔力:F-
知力:F- 防御力:G- 運:E+
状態 日照不足
スキル 黄泉地への叫び:D
光合成:A-
聖属性耐性:F+
毒攻撃:E
吸収攻撃無効
ステータスはこんな感じ、スキルに〖吸収攻撃無効〗っていうのが生えてるんだけど、これはある日の事――――――。
いつもの様にオハナ活動中に”聖鋼蝶”がいつもの様に飛んで来たので、経験値が飛んで来たぁー!!とか思ってたら、ぞろぞろと――――――それこそ海を渡る蝶の群れのように、大量の”聖鋼蝶”がオハナに殺到した。
ちょっ!?えぇっ!?待って!?
ここドリンクバーじゃないからそんな勢いで来ないで!?
集団服毒自殺とか、何なの!?”聖鋼蝶”って病んでるの!?
蝶が病んで集団自殺するファンタジー世界ってどんな終末世界だよ!?
あの時は本当に危なくて、いよいよ死を覚悟した。
そんな時に生えたスキルのおかげでオハナはもう”聖鋼蝶”に蜜を吸われてもノーダメージ!!経験値だけを貪ることが出来るようになったのだよ。
うん。着実に可憐なお花からは遠ざかってる気がするけど仕方ないよな?
オハナは魔物だもの。
強く、逞しく、日光が得られないなら他で得れば良いじゃないというわけで、オハナは”聖鋼蝶”を貪る。
食虫植物――――――そんなイメージが浮かぶ、あぁオハナには清純派路線で居て欲しかった。
え?じゃあ今からドライアード族にしろって?
やだよ課金待ったなしじゃん。
母に殺されるじゃん。
魔物である以上多少の毒々しさには目を瞑ろう、そうしよう。
それにしても、
やっぱり世界樹が邪魔!!
光合成がA-にもなったのに経験値がショボ過ぎる………………。
どうにか世界樹を何とか出来ないだろうか?
枯らす……………は無理だとしても、せめてもう少し日の当たる場所に出たい――――――。
視線を切り替え観上げて見ても、上にあるのは青空――――――ではなくて、世界樹の枝葉だけ。
幾重にも重なった葉っぱを通って、ようやくオハナのところに微かに明るさが届いている程度、このまま此処に居たらオハナは世界樹に取り込まれるか潰されるかするんじゃないか?
だからと言って今すぐ進化してリポ〇タンDやオロナ〇ンC、ア〇ナミンVの親戚のような名前の種族になるつもりは無い。
移動できたとしても、肉弾戦するオハナとか無いわー。
俺は弱点を補うよりも、特徴を特化させる方が大好きだから、オハナには悪いけどもう我慢してもらおう。
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