第7話 バンバンバン

母さんが、父さんに馬乗りになって

父さんが、母さんを突き飛ばして


どうしたの いきなり

どうしたの こわいよ


寝てたのかな、記憶にある

夜の光景


ケンカなの?泣いてるの?

私が知らない人みたいに

私が見えないみたいに


止まらない ぶつかり合いが

どうしようもなく

記憶に残ってる。

黄色っぽい部屋の明かりと

ふすまや、部屋が揺れるような

大きな声と


けど 次の日は いつも通り

いつもと同じ


だけど 違ったんだね

私に 見せない 夜が いくつもあって

2人とも すこし 泣いていたんだね。


そこから先は まだ先のお話だけど

けど、確実に はじまってたんだ


覚えてるのが

良いのか悪いのか 分からないけど


覚えてるってことは

きっと、大事なことだから


大切だよ、父さんも母さんも

今も、今までも、これからもね。





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