第3話 黄色の ジャンパー
私が、3歳になって直ぐに
妹が生まれた。
あの頃のことは、断片的ではあるけど
覚えてる。
お母さんが、赤ちゃんを産むから
家に居なくて
代わりに、田舎からおばあちゃんが来た。
お母さんが、居ない家は
部屋の明かりが一つしかついてない。
季節は、冬で寒くて暗い。
おばあちゃんが、作るご飯は
お母さんのと違って
具が無いお味噌汁と、白いごはん
田舎の漬物の匂いがした。
ねこまんま にしなさい。
早く寝なさい。
おばあちゃんと、お喋りもなく
一人でパジャマに着替えて
お父さんに、お帰りも言えなくて
いつも見てるテレビも ダメ だって
おやすみなさい。
ぜんぜん眠くないけど
眠れるまで、布団の中で 静かに泣いた。
布団からは、いつもの匂いがした。
太陽の匂い。母さんの匂い。
お母さぁぁぁん!!
気づいたら、寝てた。父さんに
肩を抱かれて起こされた。涙が頬を伝って
流れてるのに気付いたのか
父さんが、頭を1回わしわしと撫でた。
まだ、夜だ。
寝ぼけてる間に、父さんがジャンパーを
着せてくれて
車に乗せられて、流れてく
窓の景色を ぼーっと眺めてた。
あの時、父さんは 私に何か
喋ったのかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます